テセウスの船

事件の重要な鍵を握る彼女の演技はおどおどした、恐怖から逃げたい、伏し目がちな表情が見事に表現されている。芦名さん自身は30代前半だが、役どころで60代の苦しみを背負って生きてきた表情や肩の落ち方、背中の丸まった様子など本当によく研究して演じている

老けメイクはちょっと微妙だったけど芦名さんの演技はとても良かったです。しゃがれた震える声や年配者らしいゆっくりとした話し方、台詞の間、曲がった背中などで３１年の年月がしっかり伝わってきたし、陰のある雰囲気と何度もやっていたギュっと手を握り締める仕草が長年の後悔を感じさせてグッときました。佐々木紀子の３１年間を見事に体現していたと思います。

正直これまでさほど気にかけたこともない女優さんだったんだけど、ちょっとおっ！ってなりました。
DV彼氏と同棲している場面では、いつもオドオドしていて完全に精神をコントロールされているって感じがすごく伝わってきた。
驚いたのはテセウス恒例やりすぎ老け顔特殊メイクの時。
顔はメイクで老けることができても、体型とか体の動きまではなかなか上手く表現しきれないもの。
特に演じる役者さんが若ければ若いほどそこは見えやすい。(鈴木亮平さんはお見事でした！)
芦名星さんもモデル体型なので、メイクと演技がアンバランスな感じになるんだろうと思って見てました。
でもこれが意外にもちゃんと年寄りの動作になっててびっくり！
ちょっと猫背で立ち居振る舞いがスローテンポ、老けメイクの演技に不自然さが感じられなかった。
ひとつだけちょっと気になったのが涙のこぼれ方がやっぱり若くて綺麗すぎたこと。
大粒の涙が光って零れ落ちていく感じ、これはやっぱり若い美しさが隠し切れなかったけど、でもまあこれは仕方ないですよね。
なんか綺麗なお姉ちゃんくらいにしか思っていなかったんだけど、ひとつのドラマで2つの年齢を演じ分けることができる女優さんだったとは、良い意味で裏切られました！

綺麗で仕事が出来る格好良い女性役が多いので、今回のような地味で物静かな演技が新鮮です。俯きがちの眼差しにボソボソと囁くような口調が佐々木の不気味さとミステリアスさを際立たせていたと思います。クールなんだけどドライな感じではなく、内にジメっとした陰湿さを感じさせる独特の雰囲気も犯人候補として怪しさ満点で良かったです。

老けメイクがとてもナチュラルで不自然さがなくて良かった。ただ、身体のシルエットはやっぱり若い人のものであることが、隠しきれない感じでしたけど。
せっかく証言する気になってくれたのに、肝心の名前を言う前に殺されたなんて残念極まりない。

スタイル抜群でとても綺麗なはずなのに、華やかさが全く感じられない田舎臭さが素晴らしかった！おどおどした感じ、怪しい眼差し、幸薄い雰囲気がサスペンスドラマにすごくはまっていて自然でした。晩年の後悔している様子も、こちらも苦しくなるような身につまされる演技で魅せられました。

私の中ではすごい華やかな美人ってイメージだったんだけどこんなに地味にできるとは！！びっくりです。ボソボソする喋り方、ちょっと聞き取りづらい感じがまた恐怖とか好奇心を引き立てる。亡くなってしまったけど、またタイムスリップで会えるかな？

最初の登場時、誰だか分らなかったが、真剣で内気な感じが良く出ていた。
現代編でも、しっかりそのまま年を取った感じで、昔はさぞきれいだったろうなという印象も出ていた。
またぼそぼそとした語り口の中に、しっかりとた芯も感じられ、みごとに「紀子さん」を演じていた。
いままではクールビューティといった感じでしたが、これから演じられる役柄が大きく広がるのでは

現代のしわしわ演技も含めてすごかったです。30年前は陰険な女子かと思いましたが、きちんと自分の筋を通そうとしたところは素晴らしいと感じました。でもさつきさんに殺されてしまい、証言をするといわなければこんなことにならなかったのかと思うと切ないです。特にご家族は…。

綺麗なだけじゃなくて演技もうまい

佐々木紀子は全てを知っていたんですね。
31年間も黙っていたのは、身の危険を感じていたからでしょうか？
芦名さんのミステリアスな雰囲気がドラマにちょうどあっていて引き込まれました。
ただ・・もう少し歳を取った話し方を工夫した方がいいかな、って思いました。

俳優さんたちの熱演にくらべて、老けメイクの手抜きかげんが目立ち、シリアスな場面で吹き出しそうになることもありましたが、それを上回るほと、いつもの華やかさと違う沈んだわけあり演技が際立ってよかったです

顔がきれいな方なので、地味な役になりきれていないと感じました。下を向いて悲壮感漂う姿も、容姿の端麗さの方が上回りそれが気になってドラマに入り込めませんでした。年老いてゆっくり話す姿も違和感がありました。