凪のお暇

怖いよー。初めて会った日に得体の知れない石を売り込んできたじゃん。それでもちょっと優しい言葉をかけたら今度はすごく近所に越してきたじゃん。もうそれだけで十分ホラーなんだけど、こういう人って決して自分より相手が幸せになることを望んでないんだよね。注意しときながら牽制している雰囲気がまたまた怖い。瞬き少なめのこの女優さんも怖い。

向かいのアパートに突然引っ越してきて手を振るシーンでゾクッとした！全然ホラードラマじゃないのにこの夏一番のホラー感があった！
悪い人じゃないのがわかって安心したけど、あそこまで空気読まない人だと生きるのが楽なのかと思いきや人が離れていくって悩んでいたし人間関係って難しいなと思わせる人。

凪と普通に友だちになりたいのか、それともまだ成功のブレスレットを売りたいのか、ちょっと不明なところがいいですね。わざわざ近くに引っ越してくる積極性はうざい感じがして、どこか胡散臭さを残しつつ、仲良くなろうとする感じがよく出ています。市川さんは真面目そうな雰囲気があるだけに、逆にこういう胡散臭さも出せるのかもしれません。

怖いんだよ、瞬き少ない感じが。いるよね、あんな女子。地味目でしっかり常識持ってる感じだけど、思いの外持ってる世界が狭いから狭い常識の中で思い込みも激しい。アドバイスするふりしながら自分から遠いとこに行って欲しくない束縛感が見え隠れするのは私だけだろうか。

市川実日子さん演じる坂本さんが好きです。
凪ともまたちょっと違う不器用さに、これまた親しみを感じます。学歴は最高級なのに何とも報われないどんくささ。そして気持ちの加減がちょっとズレてしまうあたりの演技がとても自然で面白い。同じようなことをしてしまう私は演技ではなく天然だけど笑いではなくいつも自己反省会。だからいつも共感しながら応援してます。

常に無表情と言うかつかみどころのないキャラクターで、龍子のことは信じていいのか？大丈夫なのか？と凪と同じく見てるこっちまで不安を感じさせる役を上手く演じてらっしゃいます。
高学歴だけど空気が読めないというのもなんとなく市川さんご本人のイメージと似たような感じがあってぴったりな配役だと思いました。

イカれてる感が凄い！！ズバズバ物言う姉御系のイメージがあったから今回の坂本さんにはちょっと衝撃…。
メイクもいつも通りのナチュラル系なのに、どうしてあんな不健康そうに見えるんだろー！髪型？服装が暗いから？
凪がゴンさんにイカれてる時のランチのシーン、凪よりも坂本さんの方が不健康そうだったww
これが演技が上手いってことなんだろうな。

お堅い坂本さんのイメージにピッタリですね。ノーメイクな感じとかは特に良い。本当は美人なのに、そう見せないのが凄いと思います。切羽詰まった女性の崖っぷち感が本当に上手いです。第6話は凪と分かり合えて本当に良かった！坂本さん、ちゃんと空気読めてるよ！って言いたくなったところからの慎二に対して「泣いてた人」の連発は本当に面白かったです。

頭がいいけど空回りしてしまうことが多い人の雰囲気が上手く表現されていると思った。焦って突っ走って暴走するっていうところがわざとらしくなくて見ていて共感でき、凪に石を売りつけようとした時は見ていてかわいそうに感じた。

初めはちょっと話しただけでパワーストーンを売りつけてくるようなとても関わっちゃいけないような人だったけど、いまでは凪ちゃんとの共同経営がダメになっても温かく迎えてくれる親友になりましたね。ちょっと顔と不釣り合いなおかっぱと目力の強さが坂本さんの魅力。思い込みの激しいかんじがよく出ていてお似合いです。

真面目すぎて生きるのが不器用な部分や何かにすがっていきたい願望など、自信がない人からするととてもよくわかります。周りの目を気にして縮こまってしまう仕草も一度信じたものをとことん信じようとする姿も気持ちがとてもよくわかるなと思いながら観ていました。