DIVER -特殊潜入班-

黒沢は、いかにも出自になにやら屈託を抱えていそうな目つきの悪さが、悪党という感じ。疑り深い海藤も上手にだましてたけど、逆に海藤はあんな商売してるわりに黒沢を信用しすぎでしょ。金庫から取り出したお金の入った紙袋を、黒沢がラフに手に持ってるのに全然気づかない呑気さだし。
シリアスなストーリーの中に、時々コミック的要素というのか鏡みたいな人物のおちゃらけが挿入されてるのが白ける感じだけど、初回のつかみとしてはなかなか良かったと思う。

あー、ちゃんと番宣見てから見るか決めれば良かった。福士蒼汰くん大好きだし、野村くんとのコンビも恋仲以来だしすっごく良さそうだなと思ったらこんなんかーい。きつい‥。痛いの嫌いだし、絵は暗いし、暴力シーン、騙すシーン多いし。もう挫折‥。いくら何でもドラマではやりすぎじゃない？？どこにも誰にも共感できないし、ただスーツの福士蒼汰くんがかっこいいしか感想はなかった。騙し騙されする世の中って知っているからこそ綺麗事のドラマが見たい。

福士蒼汰のｻﾝｸﾞﾗｽを横に投げるｼｰﾝが
ﾀﾞｻすぎて､笑った｡
だから､笑い評価は3です｡

常識外の展開すぎるというか、徐々にわかっていった黒沢たちの経歴にかなり驚かされました。警察内部で極秘に集めたメンバーを潜入させるんだろうと思っていたので、警察官でもないホワイトハッカーや闇医者を入れた常識外の班構成に唖然としました。でも黒沢が時間や体ををかけて騙す奴を騙した方法は見事だったし、上司であるはずの伊達の言うことを殆ど聞かず、好きに操っている感じにわくわくしました。
黒沢の騙す奴への恨みの強さと仕事が終わったあとの力の抜けた消えてしまいそうな儚さにギャップがあって興味がわいたのと、騙された人にお金が返った描写がとても良かったです。

第一話があまりにもグロくて後味悪くて、あーこれはもう見ないなと思ったけどかっこいい福士蒼汰くん見たさにまた見てしまった。ドラマのその名のダイバーって潜入捜査のことだと思ってるけど、ただの正義と悪があるだけじゃなくてもっと深い世界が広がっているのが面白い。罪を見つけて裁くのは警察だけなんて誰が決めたんだ？なんか警察ドラマを見過ぎてついてしまった価値観がガラッと変わるかもしれない。どうでもいいことだけど地下室で仲間と話し合っているのが妙にソーシャルディスタンスとれてて面白かった（笑）

何も言わずに佐根村をつけられ、しかも尾行がバレバレというお粗末さに兵悟が怒るのは性格上当然だと思うけど、潜入の最中にトイレで殴りあうのは誰かに見られる危険性とか顔や手に傷が出来る可能性とかちゃんと考えた上での行動なのかなと疑問でした。
感情で動いたように見える浅はかな面を不安に思っていましたが、警察に協力した上で小野原の口を封じようとした橘の卑劣な部分を見抜き、ギリギリのラインで小野原たちを許すこともしなかった徹底したやり方にゾクッとしました。
佐根村の兵悟の全てを知っているわけでもなければ、物事の全体像さえ見えていないのに否定だけはする感じに苛ついていたので、麗子がはっきりと"何も解ってない！"と言ってくれて少しスッキリしました。

伊達さんにこんな年頃の娘さんがいたとは驚きました。奥さんを事件を亡くしたという悲しい過去があったとはつらいですね。現役の警察官の家に乗り込むというなかなか大胆な犯人だと思いましたが、それが黒沢と佐根村という展開に「えー」と言ってしまいました。本当にいつも黒沢の考えと動きは予想外ですね。今回は宮永さんがまさかの活躍で素晴らしかったです。パソコンに向き合うだけでなく外にも出ることもあるんですね。ラストの丸山の自殺はびっくりでした。

やる気をまったく見せなかった黒沢を見て、今までは潜入中のキャラやD班のメンバーと話すときの感じ、騙す奴に容赦しない狂気性が入り交じっていたから引き込まれていただけだったのか、と物足りなさを感じました。以前麗子が佐根村に言っていた"何も解っていない"という言葉は騙された人にお金を返したりする優しい一面のことだと思っていたので、伊達の心を抉るやり方で騙しただけでなく亜紀を囮にした流れには黒沢の良さがなく、一貫性がないのか受け取った意味合いが違うのかわからなくて困惑しました。
でも佐根村がしないと踏んだ上で撃てと言ったことや、死ねなかった丸山は救われなかったという言葉にはとても重みを感じたし、その後阿久津が丸山に犯人の立川を殺すことと自殺する機会を与えた流れは真っ黒だけど面白かったです。

黒沢役の福士さんはラブストーリーの王子さま系とかふんわりした役から一転したダークな役がしっかりできていて、雰囲気はとてもいい。でも悪い感じを出すならもう少し滑舌をよくしてほしいかな。立ち姿がカッコよくてそれっぽいのに喋ると3割減になるのが気になります。佐根村役の野村さんは最低限しか喋らないので何か重要な存在なのかなと想像が膨らむし、適応能力はあっても黒沢との距離が縮まらないのがいい。そんな中で黒沢に逃がされた展開に繋がったのでわくわくしました。
阿久津を追い込もうと画策した遠藤に見事に騙されてしまう結果になったけど、騙す奴を騙すのが黒沢の本業なので、警察に捕まった状況からどう遠藤を騙し返すのか見物だなと思いました。

兵悟や佐根の本当の心の闇が明らかにされ、全ての謎が解けた気がした。連続ドラマだが、5話で終了ということで、ぎゅっとストーリーが詰まった感じで濃密で面白かった。自分の存在を肯定するためには、「今日の味方は明日は敵」という感じが、なんだか切なかった。警察を舞台にしたドラマの中では、変わったストーリーと設定だったので、先が読めなくて、ハラハラして見ることができた。俳優陣の演技もクールで良かった。続編も期待したい。

最終回は最初から5話で終わるつもりじゃなかった感が満載というか今まで隠してきたことを明かせるだけ明かしたことで、ああそうなんだと理解はできてもストーリーとして納得は出来なかった。
騙す奴に対する卑劣さと騙された人に対する優しさがあってこその黒沢だと思っていたので、優しさとか捜査官の人間性なんかを盾に自分に反論するのが気に入らないって何だよと突っ込みたかったです。結局阿久津も同じかなのかと呆れたし、1話の潜入捜査官らしい潜入がとても良かったので、身内の揉め事で終わったのは残念でした。
最後に何かやってたシーンもあったけど、どういった立場で何をしているのかまったくわからなかったので続編を示唆したいのか、黒沢の元気な姿を見せたかっただけなのかよくわからなかったです。