ドクターホワイト

白夜のことを放っておけない優しくて面倒見が良さそうなところが、柄本さんの持つ温かい雰囲気に合っていると思います。発作を起こして取り乱す晴汝を抱きしめて必死で宥める姿も、妹への愛と「絶対に自分が守る」という強い意志を感じさせました。白夜と楽しそうに過ごす晴汝を嬉しそうに見つめる表情や、奥村に「お義兄ちゃん」と呼ばれて嫌そうな顔をするところなど、随所で妹思いでちょっと過保護気味な兄の顔が垣間見れたのも良かったと思います。

この人の魅力はどこから出てくるものなんだろう。失礼ながらお顔だけ見れば特にそれほどイケメンっほどではないのに仕草から色気がダダ漏れている。別に色気を出すような役じゃないのになんか吸い寄せられる。この役好きだわ〜。

とにかく芝居がうまいですね。ちょっとした細かな感情の動き、ドラマの流れに合わせた自然に見える強弱、それなのに溢れる個性。ドラマや映画での演技として求められているものを、しっかりと習得しているのがわかります。彼と絡む他の役者さんは、正直それほどうまくはない役者が多くて、下手なコントみたいなギャグシーンと、強すぎるシリアスシーンとのバランスが悪いのですが、柄本さんが入ることで良いつなぎ目になっている感じです。さすが芝居一家でもまれているだけはあると思います。

どこかで見たような優しくて面倒見の良い「いい人」の役だけど、やっぱり似合いますね。白夜と晴汝にお揃いのスマホを用意してあげたり、「晴汝にちょっかい出すなよ」って奥村を牽制したり、相変わらず過保護なお兄ちゃんぶりも微笑ましい。白夜の発言にハラハラ慌てたり、振り回されてぐったり疲れている姿も、狩岡のお人好しで優しい性格が感じられて良かったです。

こういう役、上手いし似合ってるけど、台詞まわしや表情の既視感がすごい。見たことあるような役で新鮮味がないし、色んな役が出来る人だから余計に勿体なく感じてしまいます。最初はさすがハマってるなって思ってみたけど、回を追うごとにマンネリっぽさが強くなって物足りなくなってしまいました。役のキャラが普通の優しい人だから難しいかもしれないけど、もう少しインパクトが欲しいです。

白夜さんやはるなさんがわちゃわちゃとかわいい女子トークで盛り上がっている中にでも自然といられちゃうお兄ちゃんが似合ってました。妹たちを見つめる目や声が優しくて素敵です。白夜さんが恋をする相手としても生々しさがなく良かったと思います。