ダイイング・アイ

慎介に「まだ思い出せないの？」と語りかけるシーンが怖かったです。口調もゆったりしていて静かだし、表情も穏やかなのにどこか得体の知れない、人間離れした怖さがありました。色気もあり美しいですが、人形のような無機質な雰囲気もあるのでラブシーンが変に生々しくなり過ぎないところも良いと思います。

第一話の冒頭で交通事故にあうシーンはなんか衝撃的でした。今回の役はメアリージュンさんの容姿、エキゾチックな雰囲気がよくマッチしていると思います。バラエティ系の印象が強かったけど、このドラマで見る目が変わりました。

目を強調した濃いめのメイクがよく似合ってゾッとするほど美しいです。声にも表情にも感情が一切感じられず、何を考えているのか読み取れないところも視聴者の不安や恐怖心を煽る効果があって良いですね。口紅を塗ったり、お茶を淹れるなどの日常的な動きをしていても人間味がなく、体温を感じさせない冷たい雰囲気が漂っているところも上手いです。

ハマリ役だったと思います。美しくて妖艶で怖くて、そして哀しかった。最終回、瑠璃子＝ミドリと分かってからの回想シーンはミドリの木内への歪んだ愛や美菜絵への贖罪の気持ちなど、複雑な感情が短いシーンでもしっかり伝わってきました。最後、額から血を流しながら江島に迫るシーンは迫力満点ですごく怖かったです。

1話の事故のシーンの熱演がすごかったです。原作を読んでいるのですが、ダイイング・アイってこういう目のことを表現してるんだろうなというくらい、強い怨念を感じる凄みと迫力がある目力が良かったです。まさにマネキンのような完璧に美しい立ち姿も高橋さんならではですね。原作もののキャスティングってイメージと違うことが多くて不満に感じることもあるけど、今回の瑠璃子役はハマリ役の予感がします。

いつも喪服姿で表情も冷たく陰の雰囲気を漂わせているのに、登場しただけで観ている者を惹きつけるオーラがあります。真っ赤な唇をニヤっとさせる表情に色気と狂気がありドキっとさせられます。存在感は抜群だけど、生命力を感じないというか人形っぽいところも原作の瑠璃子をしっかり体現していて凄いなと思います。

回を追うごとに存在感にどんどんホラーみが増していっているのが良いです。慎介の家のドアがバッと開いて瑠璃子が立っていた時は思わず声が出てしまうくらい怖かったです。口元にいつも不敵な笑みを浮かべているところも瑠璃子の妖しい魅力をより際立たせていると思います。

黙って立っていると怖いですが、セリフをいうとちょっとイマイチ。