天国と地獄～サイコな２人～

厳格で典型的な九州男児的な人かと思いきや、人間が大きくて温かいお父さんでとても良かったです。妻との思い出を語る時の嬉しそうで愛おしそうな笑顔が特に素敵で、本当に愛していたんだな、可愛くて仕方無くて亡くなった今も愛し続けてるんだなと想いの深さが伝わってきて切なくなりました。日高が好きなお酒を買ってきてあげたり、「親子なのに水くさい！」と日高の頭を叩いたり、血のつながりはなくてもそこかしこに息子への愛情が溢れているところも良かったです。

東の遺体を引き取りに来るシーン、短い場面でしたがとても印象に残りました。朔也くんの父親になるべきだったという言葉に、静かな口調だけど後悔と無念さが滲み出ていて、この人に引き取られていたら東の人生はきっと全く別のものになっていただろうなと思うと、何とも言えない切なくて苦しい気持ちになりました。よく響く深みのある低い声も、温かく愛情深いお父さんという雰囲気があって良かったです。