イチケイのカラス

ちょっといい加減に飽きて来た！というのが印象です。意地悪で嫁をいびる姑とか、お金持ちの高飛車な感じの悪い奥様とか、今回の演技も感じの悪いエリート的にはピッタリ合っているし、演技が下手だとは思わない。でも、またか・・・という同じ様な役柄ばかりで面白味がないと思います。たまにはガラッと違うイメージの役をやったらいいのに、
同じ様な演技ばかりでつまらない。

腹黒いとまでは思わないけど、みちおの言動を千鶴にスパイさせるとか、やり方がなんとも古典的で汚い。美人なだけに余計に冷淡な印象があるけど、きっと本当に冷酷な人なんだろうし、女性であの地位まで上り詰めたということは優秀なだけじゃなく権謀術数にも長けてもいそう。千鶴じゃなくても、絶対敵に回したくない人という感じかな。

凛としていてとてもカッコよかった。また、普段の様子と坂間さんへ話しかける時の雰囲気が違っていて、どちらもカッコよいのだけれどあたたかくて。とくに裁判官をやめると覚悟したあとの最後のシーンは本当に懐深くあたたかく大きく感じました。

女性として男社会の法曹社会で上を目指していくところはすごい野心を感じて素晴らしかったですが、上を目指すために大切な裁判を犠牲にしてしまったことはやはり裁判官失格ですよね。とはいえ、最後に告発したところに彼女なりのプライドを感じました。最後の良心が残っていてよかったです。

ピッと背筋を伸ばした立ち姿やクールな見た目は格好良いんだけど、喋ると台詞が棒読みっぽく聞こえるところが勿体ないです。特に今回は感情をあまり表に出さない淡々とした口調なので余計に抑揚のない話し方が気になります。入間との因縁対決もラスボスっぽい扱いかと思いきや案外あっさり片付いてしまったし、脚本の問題もあるけど、全体的にあっさりした演技だったせいもあってあまり印象に残りませんでした。

女帝と呼ばれるに相応しい貫録と存在感があって、生真面目な坂間が憧れる説得力がありました。お堅い雰囲気と方言のギャップも人間味が感じられて良かったです。入間とのちょっと距離を感じさせるやりとりや駒沢との意味深な会話など、何かあるなという空気をプンプン醸し出しているところも好奇心をそそられました。

権力と冷血な判断力を持った知的な女性、だったのに最後は庶民的なカレー屋さんになってしまって、ちょっと期待外れに。入間みちおと敵対する強い立場から、情報屋というか、長崎弁の世話好きのおばさんみたいになっちゃって。もっと凛としていて欲しかったな。

カレー屋さんに転身して坂間と再会するシーン、鉄仮面のようだったキツイ表情が穏やかに柔らかくなっているのが印象的でした。長年ずっと張り詰めた緊張感と覚悟の中で法に携わっていたんだろうなと日高の半生を思わせました。スッキリした良い顔をしていて、強がりではなく本当に今の生活に満足しているんだろうな、楽しいんだろうなと感じられたのも良かったです。

この人がどうして女性初の最高裁判所長官になれるほど評価されてるのか、具体的に描かれてないからよくわからないけど、その言動や顔つきからして、いかにも権謀術数に長けていて出世のためなら多少ズルいことも平気でやりそうな底意地の悪さを感じる。自分が出したい判決内容のためなら、それにそぐわない検察捜査や証拠もさりげなく却下してきたんだろうな、って印象。

何に出ても下手。旦那さんが監督だから使われるのでしょう。