愛しい嘘～優しい闇～

殺人事件の犯人はもちろんですが、学生時代に何があったのか、9月に転校した幸の手紙が何故タイムカプセルに入っていたのかなど、初回から謎だらけでストーリーはそれなりに面白かったですが、登場人物に共感できる人がいなくてイマイチ入り込めない。主役の望緒のオドオドさもイラっとするし、そんな気弱な望緒に自分の悪事を棚に上げて「謝れ」と詰め寄る奈々江とりえの思考回路も意味不明だし、優美のモラハラ夫も怖いし、人間の嫌な部分が色濃く描かれていて、そのインパクトが強過ぎてサスペンス部分とのバランスが悪い気がしました。

奈々江みたいな人の恨みをかったらホントに厄介。本人に直接何かしたわけじゃないのに、自分が気に入らなければ手段を選ばず相手を傷つけようとするって、メンタルカウンセリングでも受けるべきなレベル。望緒も2度も家宅侵入されて部屋を荒らされてるのに、簡単に許すなんてちょっとカッコつけ過ぎでしょ。
言うべきこともハッキリ言わずいつも口ごもるばかりでウジウジしてて、見てるとイラッとするし、そういう良い子ぶったところが奈々江のような女の子には虫唾が走るんだろうな。

同窓会ってなぜかドロドロする展開が多いね。あの頃のリベンジとかマウントの取り合いとか大人の思惑の宝庫になる。ナナエの不法侵入は絶対に許されることじゃないけど、自分の努力ではどうしようもないことの連続で不遇だったのは分かる。今だってピッカピカで美人さんなんだもん、不幸なんてやってられないのよね。早々のフェードアウトに若干安心もしたけど、誰かの復讐は始まったばかりって感じ。ナナエも結構とち狂っていたけど、まだまだ黒幕がいるってことでしょ。怖いけど興味あるな。

いつも言いたいことも言えずウジウジと辛気臭い望緒なのに、雨宮くんには面と向かって自分を突き飛ばしたのかと訊くような、大胆さも持ち合わせていたのが意外な感じ。でも、何度も会ったり電話で話したりして雨宮くんの人柄は分かりそうなものなのに、彼の悪い噂を玲子たちに吹き込まれたらすぐ影響されて猜疑心で一杯になるとか、いかにも優柔不断で自信がない人という印象。
それに、あの傘が望緒の持ち物だと知ってる人は他にもいるのに、なんで雨宮くんだけ疑うの？　ミリタリーコートの人物は足元や腕が女性っぽい体つきだったし、女友達は無条件に信用できる相手なのかな？

中野幸という人物が一番怪しいのは分かっている。中学生の頃何かあったんだろうけどそれはみおがいない時にあったことなのか？それとも驚きすぎて記憶から抹殺しているのか？その件がみんなの顔を曇らせているのは確かだよね。そして雨宮さんの嘘はお母さんの看病だったけど、そんなの同級生に仕事だっていう嘘をついてまで隠すことかね？どうも胡散臭い。でも昔からの知り合いで昔からの人気者だから信じてしまう気持ちも分かるけど、怪しいから気をつけて！！

初めて自分の人生を自分で選んだ優美の最期があれって…。毒を仕込んだのは優美自身だから自業自得なんだけど、それでも切なくてやりきれない。奈々江を殺したのも優美だったんですね。女同士の嫉妬やマウントの取り合いって本当に面倒くさい。このドロドロした人間関係や異常さが際立つ優美の旦那やエキセントリックなりえなど登場人物の極端で濃いキャラクターが昔の昼ドラのようで、面白いんだけどちょっと薄っぺらくて安っぽく見えちゃうのが勿体ない気もします。

正の言動が過剰に芝居がかってて、もうコメディにしか見えない。優美をがんじがらめにして彼女の挙動を細かく追求してる割には、彼女がもう一台スマホを持ってたことを知っても、そこはツッコミなかったし。
優美も、あんなに人目のある場所で、ワインに薬を仕込んだところを誰にも見られてないなんてあり得ないと思うけど。なにより正が優美の一挙手一投足を凝視し続けてたのにね。

前半のゆっくりなペースから怒涛の後半へ。ちょっと眠くなりかけていたとき優美が死んだ。どうして？？自分で入れた毒、自分で運んだグラス、全ては完璧だったのに。旦那にグラスを渡したのは優美だし、旦那は持ち替えていない。すごいマジックを見せられたみたいに放心状態になった。ナナエを殺した犯人は優美、優美は誰に殺された？旦那はナナエを殺した優美を守ろうとしていたはずで優美を殺そうとまでは思ってないはず。他にもあの会場にいたのか？中野くんがとにかく気になる。

すごく面白い

ドラマ"最愛"の真似してるようにみえるけど、演出とか映像の編集がぜんぜんグッとこないし、俳優さんたちもぜんぜん良さが生かされていなくてもったいない。タイトルとか広告は惹きつけるものがあったけど中身が薄っぺらくて安っぽくてがっかり。

DV夫に不倫に親友同士のマウントの取り合い、三角関係、過去の因縁、連続殺人、ドロドロドラマの必須設定全部乗せのストーリーのせいか、キャリアも知名度もある俳優さんたちを起用しているのにどうも仕上がりがチープな印象を受けます。優美の旦那の暴走も昼ドラみたい。原作はまだ連載中ですよね？稜たちが隠していた中野幸の件も明らかになり、雨宮は優美の旦那に刺され、4話時点で盛り上げ要素を使いきってしまった気がしますが、後半に向けてどんなオリジナル展開になっていくのか気になります。

優美って血を吐いたあと、あんなに長々と自分の犯行を望緒に告白してたのね。その間にさっさと救急車呼んでたら、もしかしたら助かったかもしれないのに。でもあれだけ夫にがんじがらめににされた生活をしてたのに、どうやって不倫相手と出会って、そして関係を持っていたんだろ。
雨宮くんが正をハメるような発言をした時から、いつか正に襲われると思ったわ。自ら手を下すとは思わなかったけど。

野瀬さんを失落させたのはスカッとしたけど、やっぱり失うものがない人は怖い。雨宮くんは死んでしまったのだろうか。奈々恵を殺したのは優美で、優美の不倫相手は雨宮くんだと思っていたから雨宮くんが怪しいと思っていたのに戦線離脱。このドラマでは怪しいと思っていた人ほど消えるから先が見づらい。ロケット花火で家が燃える？って謎も残るしね。あの火事の件の復讐なら道路に押し出されたみおはとばっちりの何者でもない。みおはなんで狙われたのか知りたいな。

みんな忘れないよっていうメッセージは幸せな家庭を想像していたから大好きな両親を殺されたことを恨んでのメッセージだと思っていたけど、もし中野くんが虐待されていたとするならばもしかしたらそれは救ってくれてありがとうというメッセージになりはしないだろうか？ここで雨宮くんへのみおちゃんの違和感がどう働くか、これは雨宮くんになりすました中野くんって説が生きてくるのか？中野くんはみおのことがずっと好きだったとか？まだまだ真相には辿り着けなくて面白い。

相変わらず突っ込みどころはあるけど、少しずつ謎を解くピースが揃い始めて面白くなってきました。優美と中野くんの接点、中野くんの家に残されていた中学時代の望緒の写真、中野くんが親に虐待されていたこと、野瀬の暴走、雨宮の逮捕歴など情報盛り沢山の中、一番衝撃的だったのがラストの雨宮の母の言葉。あのしっかりした口調と落ち着いた様子からして、実は認知症ではなく病気のフリをして身を守ってるとか？「あなたも殺される」ってことは他にも殺された人がいるってこと？一気に物語が進み出して続きが気になって仕方ありません。

中野君の家のドアを激しく叩いたのは、元担任だった田村先生じゃないのかな。あの家を訪ねるかもしれない事を知ってたのは、先生だけでしょ。それにまだ何か、隠し事がありそうな表情だったし。
雨宮君は、あまりにも非の打ち所のない性格というのか、何を言われても怒らないし理性的すぎて、逆に怪しさ満点だと思ってたけど、やっぱり傷害の前科なんてあったのか。彼のお母さんは実は認知症などでは無さそうだし、息子から身を守るために病気を装おっているのかも。どっちにしても雨宮君には黒い裏がありそうね。

雨宮はやっぱり別人だったのか。15年ぶりとはいえ、クラスの人気者だった人と別人を間違えるかなあ？古堀とも繋がってるようだし、嘘をついてるのは明らかだけど望緒への気持ちは本物に見えるし、1年前に突然改心したというのも気になる。部屋で二人っきりの時に「あなた誰？」とか核心つくようなこと訊いたり「殺されるわよ」って重要な忠告を都合よく解釈してスルーするとか、相変わらずヒロインの鈍感さと危機感の無さにはイラっとさせられるけど、ストーリー自体は謎を解く手がかりが見えたと思ったらまた新たな謎や疑問が芽生えてきて、だんだん面白くなってきました。

雨宮君は偽物だったってこと？　今の展開だと、行方知れずの中野幸が整形して雨宮に成りすましていたと想像できるけど。本物の雨宮君は噂どおりの悪辣な人物で、今現在は別人が成りすましてるから性格も変わったように見えるってことかな。それにしても、昔の雨宮と付き合っていた女の子が、彼のことは思い出したくもないとか言いながらも、彼の写真はしっかり残してるという気持ちが理解できないわ。本当に嫌ならそんな男の痕跡は一つ残らず消すと思うけど。

みおが耳の形が違うと気づいて、あなた誰？って言ったシーンが最高に凍った！殺されるー！って思ったら雨宮くんの方から逃げてくれてホッとしたよ。やっぱり中身は中野くんだったんだね。じゃあの古堀さんはどんな関係の人なんだろう。その腹違いの妹さんもこの事件の関係者になるのだろうか。偽雨宮くんの目的はなんなのだろう。偽雨宮くんはみおたちを狙っていて、正さんは偽雨宮くんを狙っている。殺人鬼が近くに二人もいるなんて耐えられない。

雨宮と中野の入れ替わりの事実よりも雨宮の本性の方にびっくり。DVとか借金踏み倒しとか悪い噂はあったけど、人気者だった中学生の頃からクズじゃないか。古堀も返り討ちにして殺しちゃうし、監禁生活でさらに極悪度が増してる感じ。次回、雨宮の復讐が始まりそうでハラハラするし、野瀬もまだ捕まってないし、さらに望緒の妊娠まで…。昔の昼ドラみたいな怒涛の展開に突っ込みながらも面白くてつい見てしまいます。

本物の雨宮自身より中野君が成りすました雨宮のほうが、よっぽど人としての出来が良くて魅力的なのは、望緒にとっては皮肉な感じかな。
望緒っていつも自分の正義を振りかざしてるというか、正しくありたい人のようだけど、偽物でも今の息子とのほうが一緒にいて幸せだって雨宮君のお母さんも言ってるんだから、何でもかんでも真実が正解じゃないってことを理解したほうがいいかも。
でも、本物の雨宮もちゃんと生きてるのね。かなり長期間たってるはずだし見た目もボロボロだけど、どうやって生きながらえてきたんだろ。

絶対に人として思ってはいけない感情だとは思うけど、監禁されていた雨宮を見てどうして殺しておかなかったんだ！！って思ってしまった。何年も監禁されているはずなのに全く生気も衰えずむしろ目がギンギンすぎて野獣。野に放ってはいけないやつだよね。偽雨宮くんとお母さんとの凸と凹が合ってやっとしたかった親子ごっこみたいなのができているのが切ない。どうして初めからこういう組み合わせができなかったもんか。もう中野くんとして生きられない偽雨宮くん、どうか生き残ってみおと幸せな未来を手に入れて欲しい。

中野くんには生きて罪を償って、望緒と子どもと新たな人生を歩んで欲しかったな。ずっと過去と雨宮に囚われ続けて、最後は殺されるなんて救いがなさすぎて切ないです。野瀬も元刑事で指名手配もされてるのに、誰にも気付かれずに警察官の中に紛れ込めるなんて警察が無能過ぎるし展開も雑。あと望緒が自分の娘に「みゆき」って名前をつけるのは感動的な演出を狙ってるんだろうけど、個人的にはちょっと怖いなって思ってしまいました。いくら愛した人で娘の父親だからって、放火殺人犯で不倫相手の旦那に刺殺された人の名前をつけるなんて、望緒の感覚がちょっとズレてるというか、違和感を感じてしまいました。

中野君にはちゃんと罪を償わせてあげて、望緒と幸せになって欲しかったなあ。子供ができたことを知って、本人も将来の幸せに希望を抱きはじめたタイミングで、よりによってあのクレイジーな正に殺されてしまうなんてホント気の毒すぎ。
それで結局、望緒と生まれた子供の面倒は、稜がみてるってことなのかな？　稜は望緒がとにかく好きで大切だったんだし、これはこれでハッピーエンドなのかもね。
それにしても、本物の雨宮君ってどうしてあんなに極悪に育ったんだろ。そこのところをもうちょっと描いて欲しかった気もする。

あぁ、中野くんの人生になんの光も当たらないまま終わってしまった‥。自分も幸せになってもいいかもしれないと思っていた矢先に殺されるって救いようがなくて切ない。中野くんのやってしまった罪は許されるものばかりはないけれど、じゃあどう生きたら良かったのか。やるせない気持ちでいっぱい。野に放たれてしまった雨宮を正が殺すって結末がよかったのに。そして瞬時に監禁されてボロボロのはずの雨宮が中野くんの風貌にそっくりになった違和感。そこだけがもったいなかったな。