帰ってきたぞよ！コタローは１人暮らし

まずもってこんな小さな少年の一人暮らしはありえないのでそこの常識を一旦はずして見ないと先に進めない。ツッコミどころはあるけれどいろいろ考えずにコタローの住む世界は別世界で、そこに住む住人たちとの温かい交流にほっこりしておけばいい。小学生になったコタローくんの朝のルーティン、動画みたいで楽しく見せてもらいました。朝の支度だけではなくて掃除までやっちゃうなんて主婦顔負けです。お洋服を用意するなら時間割も昨日のうちにやってしまいましょう。6時半に起きてあの分量は終わらない。やり直しです（笑）

学校でのコタローくんはごくごく普通の小学生でなんか安心しました。そりゃ男の子ならかっこいいと言われたいし頼られたいですもんね。悪ノリして食べさせられてるんじゃなくてかっこいいとこ見せたくて食べちゃってるところがまだまだ子供。それをちゃんと美月ちゃんや狩野さんが見ているってところも重要だよね。親がいなくてもちゃんと自分だけに目を配ってくれる大人がいるってことは幸せだよね。悪気がないうちに芽を摘むことができてよかったなー。

原作を尊重し誇張しつつも、丁寧な演出が素晴らしいと思いました。
２話以降も楽しみです。

母上誘惑男というすごいネーミングをされても微笑んでいる宇田さんが面白い。母上を誘惑し宇田さんが通報をしたから父上まで連れて行かれることになったと恨んでいるところから、本当は自分が助けを求めて通報してもらったんだと認めるところまですごく良かった。どちらも真実で勝手だけど宇田さんのせいにしないとやってられなかった気持ちもあったのだろう。でも宇田さんのおかげだった部分も認められて良かった。コタローくんがまた一歩成長したね。

そういえば嬉しそうな顔は見たことあるけど笑った顔は見たことなかったと気づきました。笑ったって誰も幸せにはできないなんて子供の頃から考えなくていいのにね。そうじゃなくて笑う門には福来るなんだけどなーと思うけれど、コタローくんには自分の感情にまで蓋をするような壮絶な過去があったのでしょう。幼少期の生育環境で後の性格にどれだけの影響があるか改めて考えてほしいところです。コタローくんのみんなを笑顔にしたいという気持ちは分かりました。でもみんなもコタローくんに幸せになってほしいから、そろそろにっこり笑顔も見せてくれるといいな。

いつもコタローくんのシンプルでストレートな思いに感動します。お誕生日については自分の意見というより、美月さんに気づかされたところもあると思うけどその意味をちゃんと理解して自分がされて嬉しかったことは次の人へとバトンを繋いでいく素直な気持ちが素敵です。佑くんに二つバースデーカードを用意した気持ちも素敵。この世に生まれた日と誰かに助けてもらった日。両方があったから今コタローたちとの縁がある。これで少しでも佑くんも誕生日を好きになってくれたら嬉しいな。

親はみんな子供が大好き！って思っている美月は相当な幸せ者だね。美月の言葉に反発してコタローにも心無い言葉を浴びせてしまった綾乃は大人げないかもしれないけどその気持ちは分からなくもない。世の中にはそんな親ばかりならなんで虐待のニュースが後を絶たないの？なんでコタローくんは1人で暮らさなきゃいけないの？幸せな環境で生まれ育ったから出る知らない悪意ってあると思う。それって思ったより悲しくて残酷なんだと分かってほしい。

私が狩野さんでもコタローくんにお母さんにいつか会えるって嘘をついたと思います。幼いコタローくんにお母さんがもういないというのはあまりにも酷で生きる希望すら無くしてしまいかねないからです。それがバレてしまったとしてもコタローくんはきっと理解してくれるでしょう。寂しい夜を乗り越えられるように寄り添ってくれた狩野さんのことを忘れないから。優しい嘘は時には必要です。コタローくんの笑顔を守りたかった嘘は罪にはならないと思います。

お父さんとの電話からサラッとお母さんが亡くなっていることを知ってしまいましたね。でも死んだことを黙っていた狩野さんを気づかうほどコタローくんは大きく成長していました。コタローくんは元々真っ直ぐないい子でしたが、血のつながりなんてない皆さんからのたくさんの愛情でもっともっといい子に育ちました。コタローくんを残して死ななければいけなかったお母さんは無念だったと思うけれど、きっと今のコタローくんの成長を喜んでいるでしょうね。

コタローくんが誰かを守れるほど強い者になりたいと思うのはまだ早い。まだまだ甘えたい盛りで守られて当然の年齢なのに、中身をこんなに大人にしてしまったのはお父さんの暴力のせい。そんなお父さんを許して、願いを聞き入れて一緒に暮らさなくてもいいんじゃない？そこまで大人にならなくてもいいよ。弱い奥さんや子供に手をあげた罰は一生背負ってほしい。簡単に許されてはいけないのよ。コタローくんは繋ぎかけた手を怖いと引っ込めた。お父さんには一生分からないこの恐怖、心の傷は簡単には治らないといういい表現でした。コタローくんと仲間たちの生活は続くみたいで嬉しいラストでした。