家政夫のミタゾノ (2022)

ミタゾノさんのいつもいつも瞬時にその場の状況を把握する能力と、鋭い洞察力に驚かされます。韓国で流行ったイカゲームをもじっているのかもしれないけれど、私は一切知らないのでそこは深く考えることなく見てみました。モトコは総帥の娘だったのか？どういう経緯で社長の娘が同じ会社の社員の娘になったのかは分かる場面が無く、よく分からなかった。モトコには血のつながり以上のものがあるとか、そういう難しいことは無理そうなので本当のことは知らなくていいかもね。これで本仮屋家が幸せならそれでいいよね。

最終回だというのに、ミタゾノさんの影がいつもより薄めだったような。総帥役の萬田久子さんの圧倒的な存在感のせいかな？　そして、素子は結局やっぱり、あの総帥の実の娘だったってことなんでしょうか？
今回紹介していた、掃除機の吸い込み口にストッキングを被せて吸い取る方法って、確か以前にもやってましたね。ミタゾノさんはストッキングを使った家事ワザが好きみたいだけど、ただ、彼女がいつもユニフォームみたいに着用してるものは、あの分厚さじゃストッキングじゃなくてタイツだわね。

子は親を見て育つ。子供を4人も作りながら推しカツをやりたくて家を飛び出した母親と外面がよくて子供を支配する父親。そんな2人の間では精神的に大人になるしかないんだよね。兄妹を守らなきゃと長女のプレッシャーったら半端じゃなかったと思うよ。その長女を思うからこそ目の前では母親に甘えなかった弟や妹、健気だったよね。そのお母さんを監禁と見せかけてそばにいてほしかったから閉じ込めていたなんて泣けるよ。その両親が案外ドライでムカついた。

桜たちは、父親の前では良い子ちゃんだけど裏では陰険なイタズラばかりしてるヒネくれた悪ガキかと思ったら、それなりに納得できる理由もあって、彼女たちの心情は理解できなくもないかな。何よりあの身勝手な母親に呆れたけど、それでも子供はお母さんが大好きで、なんとかして一緒に居たいというのが切ない感じ。
ミタゾノさんが子供たちにイジメられてる風を装って、怯えて悶えてる姿には本気で笑ったわ。子供が相手でも容赦なくブラックな仕掛けを次々繰り出すのも愉快。

ピースフルねぇー。若者は戦いたくないといい老人は戦いたいという。世代の違いもあるのかなー、「昔は子供が多かったからなんでも競争だった」って母が言ってたっけ。
ただ親切の押し売りはよくないね。よくデイサービスでお年寄り集めて保育園みたいに童謡歌ったり折り紙おったりするみたいだけど、それって誰のためなんだろうね。手先を衰えさせないために折り紙よりもスロットの方がいいかもしれない。カラオケで好きな歌を歌った方がもっとイキイキするかもしれない。親切にすることが時に独りよがりだと気付かされた。面白かった。

こういうのを瓢箪から駒って言うのかな。運命の人っていうのは人生の伴侶だけに使う言葉じゃないのかもしれない。彼にとっては彼女と家族になろうという一大事に頼んだあのレンタル母さんこそ出会うべき出会いだったのだろう。彼女にも友達にも裏切られる中で最初は仕事だと割り切っていたレンタル母さんがほんとのお母さんのように彼を守り出したよね。不思議だけどお金も家もなくなった彼は不幸せそうには見えなかった。レンタル母さんはどこまでいってもほんとのお母さんにはなれないけれど素敵な絆にほっこりした。
それから最後に出演した竜兵さん、もう見れないなんて‥残念です。

子供ってびっくりするほど親のことをよく見ていて気持ちを察しているもんなんだよね。今回の親子も子供を助けているようでほんとは親が助けられてたってところだよね。真実は見る方によって変わる。壊れていたのは子供じゃなくて親だったなんて想像もしてなかったからゾッとした。子供は親の所有物ではない、適当な時期に適当な距離感を持って接していかなきゃいけないなと思った。そこまでの真実を明かすのに何回も時を戻す必要があったかと言えばそこは別だけど面白かった。

ついに時間まで過去に戻してしまったりと、もう何でもありな状態だけど、このドラマとミタゾノさんなら何故かシラけることなく許せる気がする。毎回必ずクスリと笑わせてくれるシーンがあって、今回はエンディングのパスタを思いっきりススってるミタゾノさんの姿に失笑。
ところで、10歳から引きこもり始めた息子は24年間一度も二階から階下に降りてきたことがないって言ってたけど、その割には髪もさほど伸びてなくてそれなりに整っていて、いったいどこでカットしてたのか妙に気になるわ。

娘の結婚相手に会う父親の複雑な心境がとてもリアルで、自分の時もそうだったなと、かなり親近感がわきました。とはいえ、お互いに重大な秘密を隠したまま結婚しようとしていたのは、ちょっと怖いと思いました。だからこそ、全てがクリアになった上で打ち解けられたラストは、心から良かったと思えました。そして、木田家の秘密をピクトグラムで暴露するとか、マリトッツォ恐喝とか、優勝トロフィーをかじるとか、ちょいちょい時事ネタのブラックジョークを挟むところが、いかにもミタゾノワールドで、思わず笑ってしまいました。

ストーリーは特に目新しくもなく。でも、綾香の婚約者の翔の設定、経歴やら見た目やら、「綾香さんを愛してます」と突然皆に宣言するとか、現実世界でちょっと前にワイドショーで話題になってた人物をほうふつさせるようで、ちょっと面白かったかも。
ミタゾノさんはこれまでのシリーズよりも、ぐっと目力が強くなって、ブラック度も増してる感じ。