にじいろカルテ

奥さんを目の前で失った悲しい過去がわかりましたが、何かを背負って生きているという役どころが似合う気がします。アンナチュラルの中堂さんをどうしても思い出させてしまいますが。今回は畑仕事も似合っていて良い人オーラも醸し出していますが、やはりどこか、何かを抱えている感はありますよね。

浅黄朔は一見めちゃくちゃに見えるけど、根は優しい人だということが、井浦新の演技から分かった。紅野に対して、好意を持ってもらおうと、蒼山を使ってアピールしようとしているところが面白かった。紅野が秘密を打ち明けた時も、真っ先にいていいと言ったところにも、優しさがすごく表れていたと思う。

ドクターの役とは思えない、不思議なつかみどころのない役です。天真爛漫の中に、寂しさや孤独が感じられ、その明るさが逆に無理しているような、放っておけないオーラを醸し出しています。でも、愛に溢れたとても魅力的な役です。

朔先生の気取った優しさがとても好きです。底抜けに優しいのに、変にカッコつけるから押し付けがましくならなくて、それで真空先生も甘えることができるのかな。真空先生が、今まで住んできた部屋の中で一番好きだと言ってくれて、またまた照れ隠しで太陽くんにオレオレアピールしてましたね。やっぱり可愛いキャラで好きです。

朔先生自身も苦しいのに、太陽くんのこと思って無理して明るく過去を話すところ辛かった。みんなわかりやすい物語の中に相手を閉じ込めたがるのは本当だと思う。その中に閉じ込められるのが苦しくなるのも分かる気がした。亡くなった奥さんが笑って見守っていて、朔先生は奥さんとの幸せだった想い出と一緒に生きていたくてここに来たのかなと思った。あと、途中で挟まれるＣＭが朔先生のキャラのままでめっちゃ好きです！

美術を紹介する番組のMCをされている印象が強いことも影響していますが、すっとした、スマートな、それでいて少し神経質そうな印象が強かったですが、この「にじいろカルテ」では、かなりユニークなキャラクターということもあり、こんな演技もできるんだ、と新たな発見がらありました。
それでいて、人間味あふれる優しさがだせるのは、本人の幅の広さによるものだと思います。
奥深い役者さんで、また違った役柄をみたくなりました。

こんなにコメディーっぽい仕草や動作がうまい方だとは存じ上げず、次は何をやってくれるんだろうとドキドキしながら見ています。おきれいな顔なのに転んで泥んこだったり、笑ってしまいます。いつもかけているサングラス。そのうち理由とか出てくるのかなと思ってみています。たまに真面目な治療シーンなど、ギャップに参りました。

さすがの井浦新。朔先生はイメージにないくらい明るいというかむしろいい人！実は結婚してたのか！そしてすてきな奥さんだったのか！とってもいい人生だったのか！朔先生の語りでめちゃめちゃ伝わるものがあった。やっぱりアラタのお芝居は深いですね。

最終回では真空先生のことが好きなのかなと思うような場面が多かった気がしました。クールな朔先生でいてほしかったですが、おちゃめなところもかわいかったです。奥さんの幻影もあまり見えなくなったのは新しい恋に踏み出したからなのかなと思いました。

朔は、少し口が悪く、そっけいない態度ですが、真空を認めていることがよくわかります。病気の真空に、医師で患者なのは良いと受け止めたり、免疫力を高める朝食を作ったり、ちゃんと俺に怒られろと叱ったりしますが、言った後の少し照れた表情が素敵です。優しさがにじみ出ています。

ちょいちょい挟み込んでる小ネタがおかしくて、笑い担当な感じだったけど、照れ隠しで笑かす人周りにもいるなーと思いながら見ていました。普段あの軽い感じから、倒れた真空先生への真剣で悲痛な言葉。ふり幅がすごくて、かっこいいし頼れるし。ドラマの間に挟まれるCMでの朔先生もちょっとツボで大好きでした。

改めていろんな役をこなせる俳優さんだなぁと思います。比較的シリアスでちょっと危険な香りがするイメージでしたが、このドラマで、とてもコミカルで、人間味溢れる役柄で、とても親近感が沸きました。真空先生と太陽との掛け合いも、このキャラがあるからこそ、見てて楽しめるんだなぁと思います。