ラジエーションハウスII～放射線科の診断レポート～

長身でシュッとしていて白衣がよく似合っていました。杏と接する時の優しい眼差しや紳士的な態度も頼れる良き先輩という雰囲気があって良かったと思います。五十嵐が戻ってきた時に「正々堂々と勝負できる」と言っていましたが、不在の隙に付け入るという卑怯な手を使わないフェアで真面目なところも、良いとこのお坊ちゃんらしい育ちの良さが感じられて良かったです。

デスプリンスの影響？お口チャックとか、前シリーズよりちょっと三枚目寄りのキャラクターになって愛嬌が増している気がします。あんまりやり過ぎるとオドオドした五十嵐との対比が弱くなるから崩すなら今くらいに止めて欲しいなあ。美術館に誘う時や告白する時に、しっかり杏の目を見てはっきりした口調で話す姿から辻村の誠実さと真剣さが伝わってきたのが良かったです。

医者という職業に顔もスタイルも非の打ち所がない。なのに好きな人に振り向いてもらえないって残念なイケメンが世の中にはいるんだよね。なーんも悪くないのに印象に残らない。そのくせの無さが逆にいい味出してます。

杏に告白したことをちゃんと五十嵐に報告するし、こそこそ抜け駆けもしない、でも「一歩リードですね」とさらりと牽制するのも忘れない、正々堂々とした恋敵っぷりが見ていて気持ち良いですし応援したくなります。オカルト骨折の患者に感謝された時も「お礼なら軒下さんに」とちゃんと彼が発見したことをアピールしてあげるなど、仕事仲間に対してもフェアなところも格好良かったです。

五十嵐と杏が一緒に温泉に行ったと聞いてめちゃくちゃショックを受けている姿が面白かったです。前シリーズよりも3枚目っぽさが強めのキャラになっていて、ハイスペックなのにちょっと残念なところがあるというギャップが親近感がわくし人間味があってより魅力的に感じられます。軒下たちにイジられるシーンもショックで腑抜けっぽくなってる姿がちょっと気の毒だけどお茶目さもあって良かったと思います。

医療過誤を訴えられて大ピンチでしたが、ちょっと言いがかりのような訴えにも真摯に向き合って、自分に非があったと認める姿が辻村の誠実さを感じさせました。良いとこのお坊ちゃんだけど甘ったれたところがなくて責任感が強いところや、ライバルの五十嵐にきちんとお礼を言って自分の未熟さを認める姿も清々しくて格好良かったです。

辻村は主人公五十嵐の公式ライバル役ということになるのでしょうが、真面目で良い医者なのだろうというのは伝わってきます。でも、それだけです。彼が主役というべき回でも、もう少し演技の面で見せる方法があったように思います。五十嵐という個性的で実力も矜持もある男のライバルとしては、キャラ設定という以上に演技力の面で負けています。人間としての面か、医師としての面か、どちらかにでも辻村とはこういう奴だとわかるアクセントをつけたら、もっと良いのになと思います。それは辻村VS五十嵐というだけでなく、鈴木伸之VS窪田正孝という対決でもあるのではないでしょうか。

辻村の真面目で誠実な性格はよく出ていて役に合っていると思います。人当たりが良くて家柄にもルックスにも恵まれていてと、非の打ちどころのない役なので、個性豊かなレギュラー陣の中だと埋もれがちになるのが勿体ないですね。せっかくのバックハグも正一先生の格好良さで霞んでしまったし…。杏を巡って五十嵐とライバル関係だけど、五十嵐の反応がイマイチパッとしないから三角関係が際立たないし、かと言って医師としての見せ場もなく、何とも中途半端な扱いでちょっと気の毒になります。

あの場面で後ろからハグ。自分ならちょっとイヤかな。かなり信頼している関係でないと、心が不安定だからズルいと思う。今までが紳士的だったから、ちょっと違和感。まだそこまでの関係じゃない気がするし、軽く感じる。

杏が掲載された雑誌を何冊も買ったり、胸に抱いてスキップして去って行ったりと、嬉しくて仕方ない気持ちが全身から溢れていて何だか可愛らしく見えました。五十嵐の反応も同じような感じだったけど、大人の三角関係にしては爽やかで微笑ましさがあって、ドロドロしてないのが良いと思います。