リカ～リバース～

家政婦・幸子に28歳と言った麗美。その一言で美貌を保つ努力をどれだけしているか想像出来ます。これまでサイコな役も見事にこなしてきた高岡早紀がどんな妻・母を見せてくれるのか。住んでいる豪邸、社会的ステータス、家族構成、それぞれの容姿、能力のすべてが理想の一家に思える雨宮家ですが、第1話ですでに麗美の異常さが出ていました。ハンサムで明るいけれど女性関係に問題がありそうな夫や、いい子に見える二卵性の双子たちの危うさも見え今後雨宮家に暗雲がかかることがが予想されます。福田麻由子演じる幸子はキーパーソンの予感です。

前作同様にゾクゾクする恐ろしさがありました。雨宮家は一見幸せそうではありますが、お屋敷の中にはなんともいえない雰囲気が漂っていました。中学生時代のリカはとてもかわいくていい子だったのが意外でした。でも宗像先生への告白の時はモンスター化する片鱗がありました。お母さんのことは好きではなかったはずなのに大人になってお母さんみたいになってしまうのは皮肉なものです。皆さんベテランの俳優さんの中で旦那さん役が純烈の方という意外な配役にびっくりしました。旦那さんがちゃんとお母さんのことを見ていれば悲劇は起こらなかったかもしれないのに、と考えてしまいます。

高岡早紀の妖艶さに圧倒！自称「28歳です」に、こんなに凍りつく空気を醸し出す人は他にいないですよね。その旦那は、双子の娘の片方だけを溺愛したり、家庭教師の女子大生に手を出したり、まさにクズ男！その双子の姉は奔放で、そのうち妹に返り討ちにされそうとか、住み込みの家政婦も何も知らないような顔をして、意外と企んでいそうなのも楽しみ。家庭教師の千尋は麗美に殺されてしまったのか。その恋人の宗像は麗美に報復するのか、逆に懐に入るのか、どう展開していくのかまだ予想もつかない！

高岡早紀さんがリカの母親役を演じると聞いて、恐怖心と期待でドキドキして視聴。HPなども見ていなかったけど旦那さん、リカの父親役はどんな人が演じるのかと思ったら、リカが選んだとは思えない髭もじゃの男性が出てきて少し驚いた。しかもどこかで見た顔。純烈の人っぽいなと思ったら本当にそうで、殺される一人になるならこのくらいの存在感の方がいいのか等、殺される前提で見てしまった(笑)
麗美役の高岡早紀さんはいつ見ても妖艶でミステリアスで演技も深いのでこれが3話分しか見れないのかと残念に思った。舌打ちとか"死ねばいいのに"という一つ一つの単語さえも大事に見ないと！
双子の娘たちは可愛いけど麗美が側にいると霞んでしまう地味さもあって、そういった細かいところまで計算しつくされているのかなと、脚本や演出に期待が持てました。

リカの、相手の気持ちにお構いなしに自分が好きならそれが全てとばかりに迫っていく病的な強引さは、母親の麗美からの遺伝みたいね。宗像先生も、あの母娘のヤバい様子は感じてるでしょうに、なんでいつまでも家庭教師を続けてるんだろう。高額な報酬にひかれているだけなら、相当浅はかな人という感じ。麗美は夫まで殺してしまったようだけど、娘が二人いるのに片方ばかり依怙贔屓するような父親だから、殺されてもあまり気の毒とは思えないかな。それに、リカが中高生にしては妙に大人びて見えるから、父親の偏愛が余計にいやらしい感じがする。

麗美さんの暴走がどんどん進んでいき、恐ろしかったです。千尋先生も旦那さんも麗美さんが殺したのでしょうか。そして梨花への異常な態度も明るみになっていき、ゾクゾクしました。もはや親子ではなく、女同士の争いになってしまっています。さらに宗像先生をめぐる愛憎劇がはじまってしまいうおー、と心のなかで叫ぶほどでした。幸子さんもいろいろあったのに戻ってきてしまったな、と思ってしまいました。また巻き込まれる予感です。

両親が捜索願を出したからっていい大人が数日帰ってこないくらいで刑事って動かないのでは？
死体が出てない、殺されたのか失踪しただけなのかもわからないのに勤めていた家に事情を聞きに来たわけだから誰かを疑っているのかなと思ったのに、麗美の話を聞いただけで事件性は低いと考えた刑事には唖然。
そんな状況を梨花が笑って見ていたから少し疑っていたけど今度は宗像から信用できそうな別の犯人説が出てきて、これを未来のリカが仕組んだのかといろいろ考えてしまった。
武士は想定通り早々と死んだけどまさか自殺とは…。悲鳴が聞こえていたし自殺ではないんだろうけど、幸子に怒りを向けていた麗美ではないとすると梨花は麗美が見た現場を見てないし、可愛がられてないあの子かセクハラに加えて殺されそうになった人のどっちかだよね。
宗像を3人で取り合うという状況で終わったけど、リカは梨花なのか…。麗美ってことはないよね？とか幸子が最後に良いとこ取り？と、終わり方を想像するのが楽しくてたまらないです！

宗像先生を追いかける麗美さんはもちろん、ふたりの娘も追随するところが恐怖でした。本当に恐ろしい親子ですね。そして宗像先生まで放火で殺してしまうとはぞっとしました。麗美さんが今まで殺していたのかと思わされていましたが、なんと結花だったとは…。梨花の狂気じみたところも異様でしたがおとなしい結花のほうがなんだか怪しさを醸し出していたのが気になっていたので、ラストの殺人シーンを見て納得してしまいました。あれだけ人が死んでいて捕まらないのがおかしいですが…。

映画化されるにあたっての番宣的ドラマかと思って観たら、これがきちんと「リカ」の誕生秘話的なお話になっていて期待以上でした。ありえないような「リカ」という人間ですが、面白い。バカバカしいほどのリカで今回も笑ってしまいました。スリル？サスペンス？ミステリー？コメディ？どれにも当てはまらないようで、どれにも当てはまるような。もう一度最初のシリーズを見直してから映画に入りたいです。

登場人物の中では一番おとなしくて気弱そうにみえた結花が、連続殺人犯だったというのは予想範囲内。この手のストーリーでは、一番影が薄い人物が、一番極悪だったりするのはよくあるパターンだから、結花が犯人というのもありふれた感じ。でも、母親の麗美は梨花が犯人だと思っていて、梨花をかばっていたというのは、少々以外な感じかな。
タクシーで逃げる宗像先生を、母娘３人で走ってしつこく追いかけるシーンは、もうただの漫画。宗像先生の家を突然訪ねた麗美が、いつもの素敵なワンピースに日傘というエレガントなスタイルなのに、なんであんなペタンコ靴を履いてるのかと思ってたら、もともと走って追いかけることを想定してたってことね。

想像通り結花が犯人だったのはやっぱり…と感じたけど、結花の口から真相を聞いて麗美があっさり結花の手にかかったシーンはなぜか良い母親のようで唖然としてしまいました。疲れ果てているようには見えなかったけど1話で魅せていた妖艶さはなく、宗像への想いを3人が抱いていたことやそれに宗像がまったく応える気がないこと、埋められていた遺体、お金がそろそろ尽きそうだったなら精神的にかなりきていたとしてもしっくりくるなと…。梨花も隣にいるのが当たり前になっていた大人しい子を警戒していなかっただろうし。
幸子に手をかける姿にリカの誕生を感じ、背筋がゾッとしたけど少し楽しくなっている自分もいて、映画へと続く作品はあまり好きではないけれど観たい欲求が高まるラストだったと思います。

最終話はとにかく衝撃的な内容だった。
純愛モンスターであるリカの母親麗美が絶対連続殺人犯だと思っていたので娘の結花が犯人だと分かった時には思わず騙された！と悔しくなった。巧みなミスリードと伏線が各話に散りばめられていて、ホラードラマだけではなくミステリー要素もあり二度楽しめた。

あの家族の異様な雰囲気が良く演出されててよかったですね。終始何か不穏な感じで。そしてレミはいつも綺麗でしたね。
あと、ユカがとてもいい雰囲気を出していた。どこかミステリアスで、控えめだけどいつも何か訴えていそうな目をしていた。そして可愛い！
展開は少し予想していたものだったが、面白かった。リカの起源が分かってスッキリした。3話完結というスピーディーなところも良かったと思う。もう少し色々伏線張って、回収して、みたいなのも欲しかった気もしますが！