シジュウカラ

思春期の息子の気分を上げるために冗談めかして話すところとか、旦那の誘いを上手に断るところとか上手だなーと思いました。家庭をうまく回すための術が全て身についているベテラン主婦、だけど時折守ってあげたくなるような女っぽさもあって魅力的です。

メンタルが不安定な女性を演じさせたら、この人の右にる者はいないって感じ。今回はまともなのかと思ってたら、やっぱりエキセントリックで危うい部分のある人のよう。どんなふうに忍が崩れていくのか、いかないのか、そういう点も楽しみ。

コンビニの前で千秋に会って嬉しそうな顔してたのに、すぐ若い女の子が千秋にベタベタし始めたらスッと顔色が変わった。夢から醒めたって顔がリアルだった。同年代としてずるいところも軽いところもとことんリアルで時々見ていて辛くなる。

とても5才歳を取ったようには見えないけれど、新人のように自信なさげだった漫画家はもういなくて女王なんて呼ばれてちょっと横柄になっていたりする。旦那との関係も逆転してあざとく男を誘うようになる。描かれていない5年、どんなふうに過ごしてきたかすぐに分かった。女の怖さ見せてもらっています。

元カレと再会してひっかけてまた関係を持った。持ったは持ったけど自分の中の感情がそこまでじゃなかったんだろう。それを言葉に出さず顔と仕草だけに出すのがすごい。自分じゃわからないレベルで、それでいて見てるこっちには岡野じゃ満たされないんだなと思わせるところがすごい。

岡野に忍と千秋の関係を恋愛じゃなく母性を求めた千秋とそれを与えた忍の関係と言われてしまって、信じたくはないけどそうも見えることに反論できない忍がリアルだった。あれは100パーセント恋だったのか、千秋を守りたい母性だったのか揺れていたのがリアルだなと思った。

演出の問題かもしれないけど、忍の持っている母性が強すぎてゆうただったりみひろだったりに過度の愛情をかけるから千秋との仲まで母性なんじゃないの？と思ってしまう。18歳差の恋愛も話題性のひとつだったと思うけど最後まで恋には見えなかった。