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脚本・ストーリー 3.7 /5.0(73.4%) | 526位 /1128件中 |
キャスト 4.1 /5.0(82.2%) | 451位 /1128件中 |
演出 3.7 /5.0(73.4%) | 524位 /1127件中 |
音楽 3.2 /5.0(64.4%) | 700位 /1128件中 |
感動 3.3 /5.0(66.6%) | 394位 /1123件中 |
笑い 2.3 /5.0(46.6%) | 782位 /1123件中 |
スリル・興奮 3.6 /5.0(71.2%) | 343位 /1120件中 |
全体を通してとても面白かった。
阿川がボランティアとやったこと、あの責任の取り方、どちらも間違っているし、鴻田の言う通り許せないけど、理解できなくもない。どの世界でものめり込めば込むほど、必ず暗部とか陰とかに触れざるを得なくなる。きれいなだけの世界なんてあり得ないからね。
それとどうコミットしていくのか。それは阿川みたいな存在だけでなく、会社とかでも起こり得る。ブラック企業じゃなくたって、深く入り込んで偉くなればブラックなところはそれなりに出てくるもの。
阿川は足を踏み入れ、囚われた。でも鴻田ならと阿川も有木野も思ったに違いない。そう思わせるものが鴻田にはある。そこは奈緒さんの好演が光るし、あとは原作の良さかな。
阿川はどこか探しているようだね。その場所自体に意味があるのか、そこにいる誰がを探しているのか。
いずれにせよ、そのためにボランティアに近づいたのだろうか。誤訳の件はともかく、彼にはボランティアに近づく個人的理由があり、その問題が大きなポイントになりそうです。だからといって冤罪を生む意図的な誤訳が許されるわけじゃないけどね。
有木野は鴻田にすべてを話す決心をしました。これでどうあれ鴻田+阿川と、鴻田+有木野という二つのコンビが出来るわけで、それがどうせめぎ合い、双方に関わる鴻田がどう動くのかが焦点になりそうです。
阿川みたいなタイプを信用するのは怖いね。おそらく悪党というのではない。自分の正義で自分の思ったように動くタイプかな。ボランティアとの関りもずぶずぶというのではなく、織田を囮に使った捜査だったように思える。こういうおっさんは経験もあるし食えないし厄介だ。
有木野と織田がLGBTQのGなのかBなのかQなのかわからないけど、二人に特別な感情があったのは間違いないようだし、有木野の頑なさはそれが本気だったことを示している。鴻田の有木野に対する感情もよくわからないが、別にそこはどうでもよくて、人と人が結んだ偶然の関係性を解釈するのではなく、ただ手を離さないのが鴻田らしさのような気がする。
有木野と鴻田ってニアミスしていたんだね。
しかも有木野にとっては忘れられない事件のようだ。有木野は張との会話から想像していたけど、同性愛者で織田と愛し合っていたのかな。
織田はちょっと繊細すぎるみたいだし、誤訳事件のあおりで自死したわけだ。
その原因を作った阿川が国際捜査係に来るとなると、果たして有木野が冷静でいられるのかどうか。
上層部の意図はわからないけど、誤訳事件が尾を引いているようだし、その真相を知る阿川に、有木野と鴻田がどう関わっていくのかが山場になりそうです。
今、在留外国人は約340万人に達している。日本で一番人口が多い市は横浜市で約370万人だから、それに匹敵する数だ。
経済立国の日本がこの経済規模を維持するには、それだけ外国人がいても足りていないのが現実。
今更、仕事を奪われるだの言うのは意味がないし、数年で国に帰ると言っても日本人だって数年で転職する人が多い時代なのに、まったく理屈になっていない。
それを高圧的にわめき散らすのは、ただのマウンティングとパワハラだからね。外国人とのトラブルという以前の問題かな。
でもオーバーツーリズムの問題もそうだけど、単純に「日本に合わせろ」と言ったって解決しない。企業などに丸投げするのではなく、本気で政府が取り組まないとね。技能実習生もそうだけど、根本となるシステムがもう実体に合わなくなっている。
実際に中国は人身売買が激しいからね。人権意識の欠如は勿論だけど、いわゆる「一人っ子政策」のツケを払っている部分もある。
日本だと2023年には115件の人身取引が認知されている。あくまでも認知件数だからね。実体はこの何倍もあるのだろう。要するに他人事ではないってことだ。
たまたま鴻田とワンのふれあいから事件が解決したわけだけど、偶然とはいえ、孤立そせるのではなく交流があれば、こういう偶然が生まれ得るということだろう。理想論なのかもしれないけど、鴻田のように誰に対しても偏見なく、まっすぐ向き合う人がいないとダメだと思う。
有木野が刑事を辞めた時に何があったのかはわからないけど、少なくとも警察の依頼で通訳として仕事で来ているのに、なぜここにいるとつっかかり、感情的になる刑事がいるのはどうかと思う。社会人なら笑顔で普通に対応し、ほんの少し嫌味を混ぜるくらいが普通。激高するよりその方がリアリティが出る。
鴻田のスーパーの店員さん、よく似合っているし、本当に出来る感が漂っている。奈緒さん、経験があるのかな?いずれにせよ役者としての観察眼と再現力の高さを見せています。
誘拐事件はしょうもない父親に同情の余地はない。あの怪しい青年はチャイニーズマフィアかな?とにかく裏には外国人犯罪の深い闇がありそうです。
スラングに限らず、言語によって他言語には無い表現もある。通訳するには言葉だけでなく、歴史や文化、リアルタイムのその国を知らないといけないし、どんなに気を付けても限界がある。だからこそ刑事の側も訳しやすい表現を使う必要がある。有木野のミスといえばミスだけど、刑事の側の先入観とか、自分のスタイルを押し通そうとする硬直化の方にも大きな問題がある。
鴻田の単独捜査は確かにまずいけど、事件を大小で判断して、大にししかマンパワーを回さない側にも問題がある。少なくとも同じ時期に同じ少数言語を話す容疑者が重なれば、一応関係性がないか疑うべきだろう。
まあ刑事も通訳も人材不足なのかもしれないけど、現実もこうだと困るね。これだけインバウンドを打ち出しているのだから。
世界はどちらかというと排他的な雰囲気が強くなっているし、日本も政治や経済界はインバウンドを声高に主張するけど、オーバーツーリズムなどトラブルも増え、どちらかというと一般市民は外国人トラブルに顔をしかめている。でも東京にはすでに60万人を越える外国人がいると聞くと、スルーしていればいいって問題じゃないのは間違いないでしょうね。
有木野がどうして警察を辞めて通訳になったのかはわからないけど、結局のところ外国人相手でも日本人相手でも、もっと相手に踏み込むべきか踏み込まないべきかの見極めが一番難しいのだと思う。踏みこみがちな鴻田と、踏み込むべきでないと思っているであろう有木野が、どう変化していくのか楽しみです。