その着せ替え人形は恋をする

長身イケメンなのにナヨナヨした大人しいキャラが似合う。多分元から優しい人なんだろうなと思います。文化祭本番のメイクの前に逃げ出したくなっちゃうところはほんとに苦しそうで頑張れ！と応援したくなりました。

コスプレの衣装作りになるととても早口になるのはアイディアが溢れてきて止まらないからなのかなと思います。いろんな専門的な知識を早口でしゃべる様子はオタクっぽくもありドラマの世界観に合っていると思います。

アニメの出来が良すぎるからね。特に五条はもっと武骨というか、古い職人気質みたいなものを感じさせるキャラだし、ぼっちだけどオタク系っていう感じではない。でも野村さんの演技は職人気質の気風が感じられないし、しゃべりかたも活舌の問題か、ちょっと粘着質な部分があり、なんだかただの気弱なオタク系という印象が強い。

やはり五条の芯の部分は頭師らしい職人気質であって、最初は「ビスクドール」のような海夢の中に、自分が求める雛人形の頭のイメージが漠然と重なったから、海夢に惹かれたのだと思う。やがて彼女の人形ではない人間の部分を知っていくことで、彼自身も成長していく。

そこがしっかり表現できていないと、キャラの魅力が半減以下になると思う。

肝心なことを確認しないまま自分だけが色々と背負っちゃってなんかバカバカしいけど、それを大まじめに演じているから五条くんはそういう人なんだと分かってくる。倒れそうになるほど持ちきれないことを抱えて孤軍奮闘している姿に応援したくなった。

身長高くてイケメンなのに背を屈めるようにトボトボ歩く姿はなんとも頼りない。学校では気配を消すかのように動いているのにお雛様には目をキラキラさせているのもオタクっぽい。落としてしまったお雛様を本気で心配しているところが面白い。