※まだ評価はありません。
脚本・ストーリー 4.0 /5.0(80%) | 296位 /1087件中 |
キャスト 4.0 /5.0(80%) | 489位 /1087件中 |
演出 3.9 /5.0(77.6%) | 365位 /1086件中 |
音楽 4.0 /5.0(80%) | 189位 /1087件中 |
感動 2.2 /5.0(44%) | 930位 /1082件中 |
笑い 3.0 /5.0(60%) | 438位 /1082件中 |
スリル・興奮 3.0 /5.0(60.8%) | 629位 /1079件中 |
脚本・ストーリー 4.0 /5.0(80%) | 296位 /1087件中 |
キャスト 4.0 /5.0(80%) | 489位 /1087件中 |
演出 3.9 /5.0(77.6%) | 365位 /1086件中 |
音楽 4.0 /5.0(80%) | 189位 /1087件中 |
感動 2.2 /5.0(44%) | 930位 /1082件中 |
笑い 3.0 /5.0(60%) | 438位 /1082件中 |
スリル・興奮 3.0 /5.0(60.8%) | 629位 /1079件中 |
ギャンブル好きの弟テッドの尻拭いにウンザリしていたグレアム。
マフィアと繋がっているロマーノに大損させてしまったことで「殺される」と震え上がるテッドを助けてやるフリをしながら殺害するのは、血の繋がった兄弟だからこそ余計残酷に感じました。
しかもそれをロマーノがやったと警察に信じ込ませる為にまんまとおびきだして殺してしまう。ここまではとてもスムーズでグレアムの計画通りだったのに、ロマーノまで殺してしまった事で彼の運命は警察行きかマフィアに殺されるかの二者択一になってしまったのが皮肉ですね。
ロマーノとレストランの共同経営者で大物マフィアのビンチェンゾ・フォテーリはグレアムがテッドとロマーノを殺害したと確信出来るほど賢かったし、親友ロマーノを殺したグレアムを警察が逮捕しないなら部下に殺させると言うほど情が厚い。
自由になりたくてギャンブル狂の弟を殺し、罪をきせる為にロマーノを殺したのに、フォテーリの登場でグレアム逃げ場がない。
マフィアの威圧感に削がれていくグレアムの虚勢。
グレアムの怯え方や慌てぶり、自身の命が秤にかけられた時の必死さは見ていて気味が良かったけれど、反面少し気の毒でした。
コロンボは思わぬ協力者のお陰で、いつもより捜査がすごく楽だったんじゃないかと思います。
フォテーリはコロンボに好感を持っていたようだけれど、コロンボは相手がマフィアだからでしょうね、捜査終了後は食事の誘いも「私にゃカミさんの豆のスープが合ってる」とキッチリ一線引いていて格好良かったです。
大家さんの冷静さに驚きました。
簡単に空き巣に入れるし、アパート自体もかなりボロいので治安の悪い地域なんだろうなとは思っていました。
けれどアパートの廊下に置いてある電話で話し中に銃声が聴こえて、まるで「雨が降ってきたから洗濯物取り込まなきゃ」くらいのトーンで「銃声がしたから(電話)切るわ」と言っていて、「慣れてる!」と感心してしまいました。
アパートの住人と泥棒が相討ちとなった現場に通されても、しれっとしていて「今月入って強盗三件目だよ、なんとかして」とコロンボたち警官に苦言。すごいなぁ。治安の悪い所に住んでいると日常茶飯事になっちゃうんですね。一体大家さんは今までどんな修羅場を潜り抜けてきたのでしょう。
今回コロンボは潜入調査で、ならず者、保険調査員 、マフィアを演じていて役に応じて服装や言葉使いを変えて相手を信用させていたので新鮮でした。しかもちょっとアクション映画の様な「刑事コロンボ」では珍しい貴重なシーンを見ることが出来て良かったです。
コロンボが覆面男に襲われて怪我をして、それでも捜査を優先しようとするコロンボをブラウン刑事が心配して怒るシーンも良かったです。コロンボはいつも単独で決まったコンビはいないけれど、要所要所で仲間を頼ったり助けられたりしていていいですね。
そしてブラウン刑事の私物のパンツ(スボン)のハデハデしさ。なぜあれをコロンボに貸したのでしょう。チョイス謎。新手の嫌がらせか、病院でジッとしていないからちょっと意地悪したのか。
フィールディングの養女ビッキに対する執着心が異常で気持ちが悪かったです。別れた後も忘れられずにいた恋人の消息を調べあげていた事から、ビッキの母親への執着も強かったのが分かります。愛する人が病気と知り、ビッキを自分の娘として育てると約束したというのは美談ではあります。
けれど、25歳になった養女に自分の目の届く範囲内での自由しか与えないのはおかしい。根回しして娘が小説家(自立)の道を諦めるように仕向けるなんて最低です。
親だと言うなら才能を認めて応援してあげるべきでしょう。
ビッキの職場の友人ジェリーがその状態を危ぶんで、彼女の自立を促そうとしたのはとても理解出来ます。
ジェリーはビッキの小説家としての才能を見出し無償で力になってあげたいとする態度は誠実で立派だったので、その為に殺される羽目になってしまったのがとても残念でした。
ビッキは賢いし仕事も出来るし自分の意見も言える人なのに、養父への遠慮があるのか、なかなか自由意思で行動しようとしないのが歯がゆかったですね。
でもフィールディングがラジオを盛り上げる為に上院議員の名誉と潔白を汚すやり口を目の当たりにして、呪縛が解けたのでしょうね。ビッキが小説家として一人立ちする決意を固め、両手に荷物を下げてフィールディングの制止を振り切るシーンが良かったです。ジェリーも喜んでくれた筈。
なんだかコロンボのトレンチコートの下の胸元がやたら開いてると思ったら、ワイシャツじゃなくパジャマ。夜中に呼び出されたから寝ぼけちゃったんですね。寝ぼけあるある。
いつものコロンボだったらあまり気にしなさそうですが、ローレンを人目みてコッソリとコートの第一ボタンを留めてパジャマが見えないように。ローレン、美人ですものね。
ローレンはコロンボに好意を抱きつつも、誘惑するのは自分たちにニック殺害の疑いをかけられないようにする為。コロンボも魅力的な彼女に好感を持ちながらも、刑事としての本分を忘れずに職務にあたっていて、流石です。
ニックの話す事が下劣で男尊女卑で、不快でした。しかもリサに暴力を振るうような男だし、バーニーの言う通りゲス野郎です。ローレンとリサに同情しても、ニックにはちっとも同情出来ません。こんな女性を食い物にする男はローレンたちが手をくださなかったとしても、いつか誰かに殺されていたのでは?と感じました。それくらい酷い最低な男です。
娘を想ってローレンが独りで罪を背負ったのが切なかったです。コロンボも辛かったと思いますが、リサの事を見逃してあげたのは決して職務怠慢ではなく、人情ですよね。法的にはいけないのでしょうが、良いと思います。なんだったらローレンの事も見逃してあげたい。許されない事ですが。それくらいニックがゲス野郎ということです。
コロンボが事件解決後、ローレンのくれたネクタイを行きつけの店のマスター、バーニーにあげちゃうシーンが印象的。ローレンが知ったらショックかもしれないけれど、やっぱりコロンボは愛妻家ですから。刑事としての矜持とカミさん愛のあるコロンボが素敵なので。
フレッドが元アメリカ大統領のトランプさんに似ていました。身長はトランプさんほどではないけれど、髪や目元が似てる感じがしました。
フレッドも妻のドロレスも甥のハロルドも、人として好きになれないタイプ。ギャンブルで借金作って返済の為に金持ちの叔父を殺害しようと目論むハロルドも最低なのですが、ドロレスが特に嫌というか気持ちが悪い。自分の甥と不倫して他の若い男性にも色目を使う始末。
始終お酒を飲んでいるし、若い男性とお酒が好きで野心家、という印象です。
ドロレスはフレッドにもハロルドにもいいように利用されてきたと言っていたけれど、具体的にどんな経緯があったのか説明がなく、同情や感情移入が出来ませんでした。夫を殺害しようと思った理由がもう少し掘り下げられていたら彼女に対するイメージが違ったかもしれないけれど、最初はハロルドがフレッドを殺害する筈だったのが、図らずもドロレスが先に決行してしまった展開なのでそこまで盛り込めなかったのかな。
ロールスロイスのスターターにどうやって爆弾を仕掛けるのか検証する為に、高級車を販売している店まで行ったコロンボがペンチを握って車の下に入り込むシーンが可笑しかったです。販売員の上品なおじ様が高級車に傷を付けられやしないかヒヤヒヤ見守り、最終的にコロンボの奇行に集まってきたギャラリーに拍手され、おずおずと小さく手を振るのがカワイイ。
宝くじで三千万ドルを当てたフレディ。日本では高額当選者が換金してくれる銀行に行くと、当選した事は人に言わない方がいいと忠告されるらしいけれど、アメリカではTVで堂々と顔も名前も出してしまうのですね。危なくないのでしょうか。
破産申告を受けたフレディの叔父レオンは、三千万ドルを当てた甥っ子を上手く言いくるめ当たりクジを手にいれてしまう。もうこの時点でフレディ殺害計画を頭の中で組み立てていたのでしょう。両親が事故で亡くなってから後ろ楯になって、なにかと面倒を見てくれたレオンを心から信頼しているフレディは、なんだか純粋な少年のようで、可哀想でした。実は叔父レオンと妻ナンシーがダブル不倫していたと知った時は、余計フレディが不憫だったしレオンとナンシーの品位を疑いました。
犯行の一部始終を目撃し、怯えていたチンパンジーのジョーイを抱っこして優しくあやすコロンボ。いい。「好」という漢字は女性が子供を抱っこしている姿は好ましい、というのが成り立ちだと言うけれど、コロンボのようなおじさんがチンパンジー抱っこしている姿も好ましい。すこぶる好ましいです。
このチンパンジーのジョーイと、フレディの写真のお陰でレオンの犯行を立証出来たのも良かったと思います。フレディの無念も少しは晴れる筈。
最後のレオンとナンシーの足の引っ張り合い?が醜い。あんなイチャこいていたのにナンシーはレオンひとりに罪をなすりつけようとし、レオンはそうはさせじとナンシーを巻添えにしようとするのだから醜悪。実行犯はレオンだけれどナンシーは共謀罪となれば、フレディが当てた三千万ドルは国庫に入るのでしょうか。本人にはその方が良いでしょう。宝くじの換金が日本のやり方だったらこんな事件にならなかったような気がします。
内縁の妻マーシィの浮気を知り、家から追い出したクライトン。浮気をしたのは自分なのに離婚の慰謝料を請求する厚かましさに嫌悪感を抱きました。
別にマーシィに脅されたって負け知らずの刑事弁護士なのだから、離婚調停で争ったら?と思いましたが、浮気相手のネディに疑いが向くように計画して殺害。けれど今度は自分のアリバイをつくるのに利用した相手から脅迫されてしまうクライトン。うーん?有能な刑事弁護士にしては色々と詰めが甘いような。逆にトリッシュは抜け目がないです。公私ともにパートナーになることを条件に出し、クライトンが自分を口封じ出来ないように先手を打っておく周到さ。
邪魔な女を始末できたと思ったら、また別の女に手綱を握られて、少しクライトンが気の毒に思えました。女運がないというか、悪女を引き寄せる星の下に生まれついたのか。
そして意外と車の運転が荒いクライトン。他の車とぶつかりそうでぶつからない。車の運転が危なっかしいけれどスピードを出すタイプではないコロンボが、助手席でヒヤヒヤしているのが可笑しかったです。
スピード違反の写真を検証するために、写真のクライトンと同じようなハンチング帽と革手袋の格好をしたコロンボが新鮮でした。
影が決め手なんですね。写真を見比べても気付きませんでした。シャンパンのボトルもそうですが、普通だったら見過ごされてしまいそうな細かい違いによく気付く所がいつもながら凄いと思います。
コロンボはあまり車の運転が上手くありません。だからコロンボが車を運転しているシーンでは、しょっちゅうハラハラさせられてしまうのですが、今回は特にひどかった。
ウェイドのベンツと正面衝突。車を左右で交差させて駐車させるのに3回ほどやり直した後にコロンボがぶつけてしまったから、ウェイドブチギレるのでは?と思いましたが、大人の対応。エライ。立場上、そうした方が得策と考えただけかもしれないけれど、車をぶつけられた直後顔を覆ってイライラを抑えているみたいだったのでやっぱり偉いと思います。ウェイドの車はベンツで色も特注らしいというのにコロンボは全然慌てていなくて、修理代を経費で落とせるからと請求されずに済み、見ているコッチの方がホッとしました。
ゴールデンレトリーバーのシバがお手柄でした。飼い主バドの敵を無邪気にとってしまった。
それにしても、バドはニュースキャスターの仕事を持っていて凄い豪邸で暮らしているのに、なぜ「犯罪警報」の司会者の座まで欲しがったのでしょう。人の秘密を脅しの材料にしてまで。自分が司会をやる筈だったのに面白くないと思っても、番組がちゃんと視聴者に受け入れられて人気になっているなら良しとするべきではないでしょうか?ウェイドを擁護したい訳ではないけれど、バドは欲張りですね。
傲慢で大人を見くびっているジャスティンとクープが憎たらしい。
生意気小僧がそのままデカくなったような感じで、自分たちの不正がバレたことでラスク教授を計画的に殺害してしまうけれど、罪悪感とか全くなさそうで、一体この人たちの情緒はどうなっているのだろうと思いました。
特にジャスティンは「なんとしてでも弁護士になってもらう」と言う父親を「ほとんど病気だよ」と評しながらも、親が用意したエリートコースから外れるのを恐れているのがよく分かりません。彼らの存在意義はエリートコースのみなのか。
ジャスティンとクープも憎たらしいけれど、ジャスティンの父親もなかなか憎たらしかったですね。刑事弁護士だからか、とにかく上から目線で口出しするする。自分の息子に良いように利用されているとも知らずに。
コロンボが有能な刑事だと見抜けずに、陰でバカにして上手く誘導出来ていると思い込んでいる彼らの姿を観ながら今に吠え面かくといいと思っていました。
トリックをまんまと見破られたシーンは痛快です。
最後にコロンボがジャスティンたちに「なぜやったのか?」と尋ねたのは芝居かかってました。他の学生たちが見ている事を意識したのでしょうか。
ゲスト講師にやって来たコロンボの話を熱心に聴いていたメモ魔のサックスくんは、良いキャラでした。将来警察関係の仕事に就きたいのか、単に勉学に熱心なのか分からないけれど、いいエキスパートになれそうな人だと思いました。
ウェインがとにかくモテるモテる。
若い女性から熟女まで、行く先々で女性から親切にされたり愛想良く振る舞われ、女好きの遊び人だから本人もさぞかし楽しいだろうと思います。
不誠実で胡散臭いウェインのあまりのモテッぷりに、男を見る目のない女ばっかりだと辟易していたらジェス登場。
突然妹を殺された怒りと悲しみで情緒不安定になっているのか、元々怒りっぽい性格なのか、ずっとピリピリしていて、彼女の秘書は仕事しづらいだろうなと思いました。
ジェスは妹のテレサに言い寄るウェインに不信感を強く持っていて毛嫌いしているようだったので、人を外見だけで判断しないしっかりした女性だと思ってホッとしました。
なのに、実はジェスもウェインに惚れていたとは・・・。テレサの他にも関係している女性がいることを知っているのになんでウェインなんか。
しかもそれを言い当てたのがウェイン本人だから最悪です。
あれだけモテるからセンサーのように自分に恋愛感情を持っている相手を見逃さないのでしょうか。
でもパンティの後ろ前は見逃しちゃった訳ですね。
心臓病を抱えているリディア。
最初の夫と新婚初夜の最中、夫が心筋梗塞を起こしてしまったので、自分の心臓病の薬を飲ませてしまったという過去を訊いて、彼女の父親の過保護ぶりが納得出来ました。
娘の夫がギャンブルで借金をつくる度に尻拭いをするのはおかしいと思いましたが、リディアが心臓病であり最初の夫の過失致死で精神を病んだ事があるなら、なるべくストレスを与えないようにしないといけない、と考えたのでしょう。
「心筋梗塞の人に心臓病の薬はあげちゃダメでしょ」と最初は思いましたが、目の前で突然夫が胸を押さえて苦しみだしたら、パニックで自分の心臓病の薬あげちゃうこともあるかもしれませんよね。医学に詳しくない人には心筋梗塞と心臓病の症状の違いなんて分からないでしょうし。
その不幸な事故を知っていて利用した現在の夫、ウェズリー。散々ギャンブルで借金をつくり、それを挽回するために投資に手を出して更に借金、その度に義父に泣き付くどうしようもないボンクラ。ボンクラなのに悪知恵は働くから最悪ですね。
申し訳ないけれどリディアは生まれた家は裕福で良かったけれど、結婚運がとてつもなく悪いなぁと思いました。最初の夫は新婚初夜の最中に亡くなり、二番目の夫ウェズリーは歯科医の仕事よりギャンブルに熱心で妻は放ったらかし。三番目に結婚したかもしれない若きスターのアダムは殺されてしまうし。
どうか今度こそ幸せな結婚をしてほしいです。
犯人がビビアンで良かったと思いました。本人は上手くやっているつもりなのだろうけれど粗が目立つ。歯医者のフリしてコロンボのスケジュールを確認しようとしたり、やたらコロンボ夫人に会いたがったり。
最初からコロンボがビビアンを全く信用していなかったから大事に至りませんでしたが、ビビアンがもっと用意周到で悪知恵の働く人だったら危なかったかも。
今回のコロンボはちょっと災難でしたね。10年前に傷害致死で逮捕したピートが刑務所でなくなって、妻のビビアンに逆恨みされるわ、行きつけの店で絶品のチリを頼んだら料理人が別の人に変わってヒドイ味だわ、口直しに食べたアイスキャンディーが歯にしみるわ。オマケにビビアンから平手打ちまでくらって。
それでも見た目は穏やかなんですよね。コロンボは「あなたが私とカミさんを狙った事で気分を害している」とビビアンに言っていたけれど、自供が録れた後でもちっとも怒気を感じないし、それどころか紳士的対応。大人だなぁと感心してしまいます。口癖は「うちのカミさんがね」で、いつも口ぶりで愛妻家であることが察せられるほどなのですが、特にこれはコロンボがどれだけカミさんを大事に想っているか伝わってくる作品で好きです。
結局写真でさえもカミさんを登場させないニクい演出も良いです。
いつも事件現場での観察眼が特に鋭いコロンボ。
けれど今回は眼だけでなく鼻も警察犬のように鋭かったです。
鼻をヒクヒクさせて被害者のフランクの机にあるチーズをレジアノ、というイタリア産で一口サイズでも10ドルくらいするものと断定。
「脇に避けといてよ、貰ってくから」とコロンボは言っていましたが良いのでしょうか?
チーズ美味しいから気持ちは分かりますけど、ご遺体の側にあったモノだし奥様もハワイから帰ってくるし、不謹慎な気もするけど廃棄するのも勿体ないし・・・いいんでしょう。良しとしましょう。事件解決料だと思えばフランクも許してくれると思います。
敏腕刑事弁護士のオスカーは、几帳面で冷静沈着でした。フランクを殺害する事を決めてから必要なものを準備して行って事務所に帰ってくるまで無駄も躊躇も一切なし。しかもずっと冷静。刑事弁護士だから色々と知識がある事も有利なのでしょうが、まるでプロの殺し屋のような落ち着きと無駄の無さ。
そのせいでしょうか。オスカーが犯行後、事務所の洗面所で身なりを整え鏡でチェックした時の表情がまるでハシビロコウのように見えました。
事務所に充満した葉巻の匂いを見事に消した良い香りの消臭スプレーを、カミさんのために購入したいので商品名を教えてほしいと言うコロンボに、簡単には入手出来ないからと私物の買い置きをプレゼントしてくれたオスカーの秘書ルイーズが気前いいなぁと思いました。
簡単に手に入らないという事はそこら辺のドラッグストアで購入できる消臭スプレーよりもお高いのでは・・・?最初に勘違いして怒っちゃったから罪滅ぼしの気持ちもあったのかもしれないけれど親切な人です。
下院議員ポールと市長のサインもカミさんの為にゲット出来たし、今回のコロンボは色々とツイていたと思います。
ブラントリー。正直、気持ち悪いなと思いました。
自分でつくった夢の城に若いモデル達をはべらせてベタベタ触るわ人前でティーナとイチャイチャするわ、しかもとても横柄な態度で不愉快な男ですね。コロンボシリーズの犯人の中でもベスト上位に入りそうなくらい嫌いなタイプです。
ただ、シャトーの敷地内にトナカイやアルパカ、ラマ、ロバまでいたのは最高だと思いました。
さて、ブラントリーの長年の恋人で仕事のパートナーでもあるダイアンも、雑誌の売上げ部数を上げる為にブラントリーと失踪を自作自演し殺人事件をコロンボに疑わせるなんて最低。雑誌を売りたいのならを良いものを作ったらいいのに、そこまでブラントリーみたいな男に尽くして何になるの?と思いました。
けれど、ダイアンはブラントリーを見限り雑誌社をマシューズに高値で買い取らせる事まで計画していたので、そのしたたかさに「この人だったらもっと仕事で成功出来るかも」と思い直しました。
マシューズも彼女の能力をかって気に入っているから、真っ先に失踪届けを出したりしてくれたのかもしれません。
マシューズは「シガーを吸う者は思考力が優れている」と言っていましたが、あれは単なる偏見なのかジョークだったのか。
高価なシガーを遠慮するコロンボの両手に気前良くいっぱい乗せて、しっかり捜査してくれるように頼むシーンが良い。ヘリを飛ばしてコロンボを自分のいるところまで連れてこさせるという大胆でフットワークの軽い感じといい、まさに大物。
登場シーンが少ないのにユニークで面白かったり魅力的なキャラクターを出すのが本当に上手だと思います。
コロンボたち刑事と市長が、連日押し掛けては失踪事件について質問責めにする記者たちを撒くために男子トイレに籠って今後について相談している姿がなんだか可笑しい。本人たちは真面目に話し合っているつもりなんだろうけれど、なんか少年っぽいやりとりに見えて仕方ない。
一旦は騙されて汚名を着せられた警察が、最後には嘘が真となりダイアンの遺体発見で汚名をそそぐ事が出来た事は良かったのか・・・ちょっとスッキリしません。
バーシーニはバーに来るお客にも顔が知られているくらい有名な画家のようだけれど、「女狐の絵を完成させる」というモノの言い方からモデルを尊重しない人なのだと感じました。いえ、モデルに限らず他者を尊重しない人なのでしょうね。
元妻ルイーズの家の隣に後妻のバネッサとモデルのジュリーの3人で暮らし、ルイーズに夕食を作らせ4人で食卓を囲むという複雑な状況。まるで一夫多妻制。嫁と姑だって上手くいかない事があるのに一夫多妻でつつがなく済むか疑問に思うけれど、勿論それで当人たちが幸せであるなら外野がとやかく言うことではありません。
が、バネッサとジュリーは犬猿の仲。まぁやっとモデルから妻に昇格したのに若いモデルが居着いていたら、いつ自分の地位を取られるか不安なのでしょうね。
バーシーニはとにかく我が儘で身勝手。男には女が3人は必要だとのたまうから呆れます。それでバネッサとジュリーが揉めれば癇癪を起こすのだから。誰が原因で揉めていると思っているのでしょう。
最初バーシーニがルイーズの家の隣に引っ越して来たのは元妻に固執しているから、と思っていたけれど、過去に悪徳画商のハリーを殺した事を洩らされたら破滅するからでした。でもそれなら何故離婚に応じたのでしょう。裁判で争う事になったら色々とマズイと思ったのでしょうか。
ルイーズの口を塞ぐ為に油絵の具で汚れた布を使ったのも酷いと思いました。ご自慢のバーシーニ・レッドが証拠になったのはざまあみろです。
でも完成したコロンボの肖像画は良かったです。
ジェニーは「将軍も大佐も誰にも傷付けさせない」と言っていましたが、ブレイリー大佐と浮気しているのは自分なのに、よくもベッドでそんなことぬけぬけと言えるなぁと思いました。けれど捜査する中でコロンボに不倫がバレてしまい、自ら夫に打ち明けている姿を見て将軍に対する愛情は本当と分かって、ちょっとホッとしました。「君は健康で若いのだからそういう欲求を持つのは自然な事」とショックを受けながらも穏やかに理解を示し、若い妻を決して責めないパジェット将軍。・・・優しい!理性的かつ男前!なかなかあんな風には言えないと思います。
卑劣で強欲なブレイリー大佐とは大違い。将軍に、不正な武器を輸出し私腹を肥やしている事が露見して、ジェニーとの睦言をこと細かく世間に暴露するとほのめかし将軍に告発を断念させるやり口が最悪でした。コロンボが別室に控えていたのには驚いたけれど、ブレイリーと将軍のやりとりを一部始終聴いていたのでしょうね、態度には出さないけれどブレイリーに対して静かに怒っているコロンボにはもっと驚きました。
そういえばコロンボがキーガン軍曹の遺体を確認した時に、死んでいる筈の軍曹の瞼がピクッと動いちゃってるのを2回目撃してしまいました。大抵殺害される役の方はしっかり遺体に徹しているモノで、いつも感心してしまうのですが、キーガン軍曹は何か調子が悪かったのでしょうか。
最後のシーンにミニチュアの兵隊と混じって、コロンボのミニチュアが笑顔で立っていて可愛かったです。
デービッドがただ浮気をしたたげならジョーンは計画殺人なんてしなかったと思います。
ジョーンがこっそり立ち聞きしているとも知らずに彼女のことを「腐ったプディング」と言って浮気相手のシンディと嘲笑ったのがいけませんでした。あれは酷い。誰だってあんな事を言われたら実行するかはともかく、殺意を抱くのではないでしょうか。
ジョーンはサイモンにゲームと仕掛けて娼婦に変装するのですが、これが見事な変身ぶりでした。まるで別人。娼婦「リサ」のままミュージックセンターのパーティーに戻った彼女に、ひとりの男性が声を掛けてきて、変装を解く為に女子トイレに向かったリサを口説こうとトイレ待ちしているのが気持ち悪かったです。
ジョーンに戻ってトイレから出てきた事には当然気付きませんでしたけれど、その後いくら待ってもリサが出てこないものだから従業員に頼んでトイレの中をチェックしてもらったと言うのだから呆れました。
トイレで倒れている可能性を考えたのかもしれないけれど、赤の他人の男にトイレ待ちされるなんて気持ちが悪すぎるし、粘着質なナンパはもはや犯罪。どんなイケメンであったとしても、こんなのあり得ません。
ドクターネフとドクターウォルターがふたりとも白衣にメガネで、個性的な性格だったので見分けがつかないというか、兄弟みたいでした。捜査の為にジョーンのオフィスに来たコロンボが、立て続けに彼らとアシスタントのシンディに相談を受けて、ちょっと戸惑いながらもちゃんと答えてあげているのが、誠実で優しいなと思いました。その答えもシンプルで有りながらも的確で感心しました。なかでもシンディがデービッドに迫られて関係していた事をジョーンに打ち明けるべきか、という問いに「時には優しさの方が真実よりも価値がある」と返したのが、まるで偉人の名言のようでした。
デービッドの訃報が職場に入っている時から思っていたけれど、シンディにとってデービッドとの関係は単なる遊びだったんですね。驚いてはいるけれど全然ショックを受けている感じではなかったから。
うーん、迫ったのはデービッドなのですが、デービッドとジョーンが付き合っているのは周知だったわけ
で、シンディが拒否していたらこの事件は起きなかったかも。そう考えると複雑です。
オフィスの掃除係のロシア人のおば様。彼女もかなり個性的というかインパクトがありますね。愛想良くてしっかりした働き者で気が強そう。
コロンボの事を「可愛い」と言っていましたが、あなたも充分可愛いです。
随分年の離れた幼なじみと思っていたら、レニーはアレックスと同じ年だったのでちょっと驚きました。
アレックスが少年のようなルックスだから、余計レニーがおじさんぽく見えてしまう。
10年前に事故で亡くなった妹が、実は幼なじみふたりに見殺しにされたと知ったレニーのショックは相当なものだったでしょうね。
バディは「自分が死んだ後に見てほしい」と証拠のフィルムをレニーに託すけれど、卑怯だと思いました。
病気で余命僅かとなって、過去の過ちを懺悔したくなったのなら、生きている内に告白したでしょう。それを自分が死んだ後に見てほしいなんて、自分は責められたくないし、警察にも捕まりたくない、でも秘密を抱えたまま死ぬのも恐い、と考えたとしか思えません。
レニーにフィルムを見せられたアレックスは、合成だと誤魔化そうとします。バディが映画監督、若き巨匠として成功している自分を妬んで陥れようとしていると言っていましたが、あれは半分は当たっていたように思います。
自分はまだ若いのに病気で死ぬから、これが過去の過ちの罰だけれど、アレックスにも当然罰は与えられるべきだし、自分よりも苦しんでほしいと願っていたのではないかと勘ぐってしまいます。
それにしてもアレックスが即席で仕組んだ殺害方法は残酷でした。
高圧電流だけでも殺害出来るのでは?と思いましたが、確実に殺せるようにするためか、予め散水車で地面を濡らしておいた周到さ、罪悪感のなさが不気味です。
秘書のローズがアレックスがレニーを殺害した事に勘づいて、有給を取って世界一週旅行をしたい、と強請をかけてきた時は、正直またこのパターン?と思いました。ローズの事はなんとなく気に入っていただけに残念な気持ちにもなったのですが、実はコロンボが仕組んだ罠に協力していたと知って痛快でした。コロンボのこういうクレバーなところ大好きです。
女優のジャーニガンもアレックスに嵌められていたことを知って相当怒っていたので、逮捕に一役買ってスッキリ出来たみたいで良かったです。
エリオットがクレイジーで恐い!
銃で殺す事も出来たのに、事故に見せかける為に計画を変更してギロチンを利用した残虐さ。余程ウガンダ刑務所での日々が過酷だったのか、マジックの師匠であるマックスへの憎悪が凄く、コロンボの登場でホッとしました。
エリオットは超能力者と偽って、マックス直伝の読心術を活用してアネアン研究所の職員や、軍事利用を狙う陸軍士官たちを騙すけれど、超能力なんてないのに、そういう能力があるフリをするなんて自分でバカバカしくならないのでしょうか。
マジシャンとして生きる選択肢はなかったのかな、と疑問に思いました。
政府機関に依頼され超能力者と偽っていた人たちのトリックを全て見破ってきたマックスが、遠距離の透視テストの内容をエリオットに明かしていたのは、自分だけ刑務所から逃げ出した事の贖罪だったのに、それでも水に流すことが出来なかったエリオット。
そんな彼がマックスの葬儀で一粒の涙を流したのは何故なのか、気になりましたが、きっとエリオット自身にも説明する事は難しいでしょうね。
それにしてもマックスのマジシャン仲間の葬儀でのパフォーマンスが良かったです。故人の人となりを感じられます。
コロンボは自分がギロチンの囮になる事でエリオットの殺人を証明しましたが、マックスのギロチン遺体を見た後で、よくあんな事出来るなぁと思いました。万が一、エリオットにカラーの仕掛けに気付かれていたらマックスの二の舞なのに。
テロリストや過激派と聞くと無教養で粗暴な人間をイメージしてしまうけれど、デブリンはそれとは全く正反対なキャラクターでした。
陽気でギターを弾き語り、ピアノ演奏や話術で人を楽しませる、詩人で自叙伝作家でエンターテイナー。
わずか14歳でダイナマイトの運び屋としてテロに参加し監獄に入れられ脱獄してイギリスから渡米したというのだから、まさに波乱万丈の人生ですね。
デブリンは北アイルランド援護協会に所属しているけれど、実は理事のオコンネルたち共々アイルランド過激派。自分たちは内戦のないアメリカで優雅に生活しているのに、故国にいる同胞たちに武器を送って殺し合いをさせる、というのがよく分かりません。自分たちの故国を救いたい、という気持ちは本当だと感じられましたが、何故それが武器の調達になってしまうのでしょう。
武器の仲売人であるポーリーから5万ドルの上乗せを要求され、難民救済の募金と偽りお金を集める時に、デブリンは「殺し合いでは人は救えない」と演説していたのに。息をするように嘘をついて人心を掌握するデブリンの手際は見事です。
裏切ったポーリーを殺害してしまったことで船の出航日が迫っているのに武器が揃わない、船の出向を遅らせる事も出来ず焦るデブリンが気の毒に思えてしまうのは、彼が悪い人間に見えないからです。詩人としてラジオに出演するほどアメリカで成功しているのだからテロに関わらずに生きていくことだって望めば出来る筈なのに信念が揺るがないのは、やはり故国への愛だと思いました。けれどコロンボの言う通り、難民救済の募金と謳っておきながら逆に難民を増やす事に使ってしまったのだから見逃せませんよね。
「正義」とか「愛」って結構恐ろしいものですね。
チャーリーが可哀想。もしも来世というものがあったら、彼は絶対犬嫌いになるだろうと思いました。
人懐こくて無害でしかなかったドーベルマン2頭が、突然豹変して襲いかかってきたらかなり怖いし素手で抵抗するのも難しそうですよね。
犬たちも信頼している人間に殺人の道具にされて可哀想。
メイスンは心理学者だけれど自分の心をコントロールすることは考えなかったのでしょうか?妻と友人が自分を裏切って不倫をしていたら許せないと思うのは当然ですが、どんなに腹が立っても普通は殺害しようとまではしません。けれどメイスンは妻を事故に見せかけて殺した後、今度は自分の飼い犬であるローレルとハーディを攻撃訓練してまでチャーリーを殺す計画を実行します。
心理学者として成功して富と名声を得たにも関わらず、不倫の裏切りにここまでするのは理解しがたい。
というか、メイスンに共感出来る部分はほとんどないんですけどね。
犬を殺人の道具にすることも、自分の好きな映画の主人公の最後のセリフ「バラの蕾」を攻撃の合図にしたことも。
後半でコロンボがわざとメイスンを挑発していたのは「バラの蕾」と言わせる為でしたが、攻撃の合図だった言葉をコーコランの訓練でキスをする合図に換えたのはお見事でした。コロンボのおかげでローレルとハーディが処分を免れて良かったです。
コロンボがわき見運転で事故を誘発し、首を痛めてしまいます。自損で済んで良かったけれど気を付けてほしいですね。コロンボはしょっちゅう運転中に違うことに気をとられ、シートベルトもしないのでハラハラします。警察に属しているのだから模範としてもちゃんとしてくれるといいのですが。
接骨医がアラビアの宮殿で主に仕える屈強な守衛のようでビックリしました。
首が治らないのは眠る時に窓を開けっ放しにして夜風で冷えるからだというカミさんの助言を受け、窓を閉めて寝たら治ったと同僚に話すコロンボ。それはプラシーボ効果のようなものでは?と思いましたが、まぁ治ってなによりです。
それにしても今回はまさに秒読みの殺人。残り50秒で警備員がグラビア雑誌を立ち読みし始めてケイが足止めをくらうシーンには、思わずヤキモキしてしまいました。
マークを亡き者にすれば支社長のイスが手に入ると思っていたケイが、独断で番組を差し替えた事で重役の不興を買ってしまいクビを通告されてしまうとは皮肉です。
マークが言っていたように、ケイには本当に支社長を務めるほどの才覚はなかったのでしょうか?それとも重役たちの女性差別意識のためなのかは分かりませんが、ケイの上を目指す執着心の強さには凄みがあります。
コロンボに証拠を見せられ観念したけれど、それでも負けん気の強さをみせたケイが少し痛々しく感じました。でもそれが彼女のプライド。一貫して貫いていて清々しくもあります。
警察から連絡を受けてビットリオの店にやって来た料理評論家のポールが、コロンボたち警察が自分の方を見ながら何か囁きあっている様子を見て用心深いトカゲのような表情と仕草をしていて、おかしみを感じました。
被害者がレストランの店主なので、関係者を訪問すると美味しそうな料理がチョイチョイ登場。お腹空いている時に見ちゃダメですね。度々ご相伴にあずかるコロンボが羨ましい。
ビットリオのイタリア料理店の厨房が広くてキレイでした。銅の鍋もピカピカで大きな食器棚も高級感があります。あんな環境で料理をするのは楽しそうですね。
シェフのアルバートや甥で給仕係のマリオの悲嘆ぶりを見ていると、ビットリオが皆に好かれていたことがうかがえます。
母親がお産で入院している時は父親が料理していた、と言って父親直伝の料理を披露するコロンボ。そこで「オフクロは毎年お産していた」と言っていて、一体何人兄弟なのだろうと思いました。
ポールはコロンボを殺害しようとワインに毒を入れたけれど、それを前もって見破られていた上に証拠として押収されてしまった事に腹を立て、悔し紛れに「アンタみたいな奴は全く気に入らないね」と言います。憎たらしいですねぇ。
でもコロンボは「それは私も同感です。あなた料理の才能は素晴らしいが、それ以外はてんでダメですなぁ」と返していて、穏やかな表情と声音でなかなかキツい事を言うな、とちょっと驚きました。
そういえばポールの自宅でお寿司や刺身が出されていましたが、盛り付けがイマイチ美味しそうに見えなかったのが残念でした。あれは果たして日本人の料理人が盛り付けたのでしょうか。
小説では昔からありましたが、倒叙形式のミステリードラマの走りです。この形式のドラマ化が難しいのは心理描写、心理攻防が主体になるからですが、うまく映像化しています。その手法の主だったものがコロンボのとぼけたキャラクターです。雑談したり、よけいな動きをしたり捜査とは関係ないと思われる意味不明な言動、行動することで視聴者に心理面を考えさせる、理解させる天界になってます、伏線が非常に多く、見逃せないし、伏線と気づいてあたったときはとても気持ちいいです。見ごたえがあるドラマです。
推理作家のアビゲイルがとっても小柄で華奢でした。こんな人にエドモンドの様な若くて健康そうな男性を殺害出来るなんて普通は考えにくいですよね。
でもコロンボは勿論、アビゲイルの秘書ベロニカもエドモンドの車の鍵を見付けた事から真相を見破ってしまったし、弁護士のマーチンも薄々感ずいている様な言い方をしていたので、優秀な人を雇っているのが仇になっちゃってる、と思いました。
そして最初はベロニカもマーチンも有能で親切で良識のある人、という印象だったので、アビゲイルがエドモンドを殺害した事を知っていて、素知らぬフリをしていたので、怖いと感じました。
そもそもアビゲイルがエドモンドを殺す計画を立てたのは、姪のフィリスをヨット事故に見せかけて殺された敵討ちですし、彼女の計画通り極東の船旅に発って欲しい気持ちになってしまいました。
と、いうのもアビゲイルはなかなか魅力的なキャラクターなんですよね。
年齢は70歳以上で身長は多分140センチ代くらい、メイクもネイルもバッチリ、体型にあった膝丈ワンピースをキッチリ着こなしていて、推理小説を書いているだけあって賢いし朗らかで、しかもバイタリティーがあって素敵です。姪が5歳の頃から育てていたのだから、もう自分の娘同然に愛していたのでしょう。完全犯罪を応援したくなっちゃいます。でもコロンボは線引きをしっかりしていましたね。プロですね。
アビゲイルの講演会で壇上に引っ張り出されたコロンボが、「自分の仕事が好きで、人間が好き。犯人に対しても好感を持ったり尊敬することもある。」と言っていて、なるほど、と思いました。
いつもコロンボは容疑者にしつこくまとわりついては邪険にされる事も少なくありませんが、それに対し気を悪くしたり怒ったりはしないのがスゴいな、と思っていました。人間が好きだから、なのですね。
殺人課の刑事なんて人の暗部ばかり見る羽目になって人間不信になりそうですが、そういう気持ちが損なわれないのは天使みたいに思えます。
バーティーとブラントは高校大学職場まで一緒だったけれど、バーティーはいつも自分をからかってくるブラントに不満を溜め込んでいましたが、それならさっさと友人関係を解消したら良かったのでは?と思いました。むしろ自分にわざと嫌なことをしてくる相手となぜ会計事務所を開業する気になったのでしょう。
ブラントの能力を認めていたからでしょうか?
ブラントはシグマ協会という知能指数の高い人達の集まりに入っていて、最初はもっと自信があって余裕のある人、という印象でしたが、実は真逆のタイプなのかもしれないと思いました。
浪費家の妻の為に横領したと言っていましたが、それは相手が欲しがるものを買い与えなければ相手との関係を繋ぎ止められないという考えがあるからじゃないかと感じました。
バーティーをずっとからかっていたのも、それで自分が優位であると安心したかったからのような気がしました。
「生まれながらの天才」と言われながらも、人は賢い人間を嫌うからずっと苦しかったというブラントの言葉が印象的でした。
知能指数が高いなんて羨ましい気がするけれど、天賦の才で苦悩することもあるのですね。
でもブラントは「退屈でエキセントリックな人達」と自分以外のシグマ協会の会員を見下した発言をしていたので、やっぱり自惚れている部分もあるんだなと思いました。
「公か私かどちらかを選べ」となったら公を選択してきたルース。姪のジェイニーくらいの年には弟のエドワードと共に家業を引き継いでいたという彼女が、一体今までどれほど家族のために家のために我慢してきたのかと思うと切なくなりました。
ルースの姉は自分の事を今でも美人で男性にモテる様に言いますが、それなら何故わざわざ妹の婚約者を略奪したのでしょう。お腹に子供まで宿して。恋愛は自由だとか理屈ではないとは言うけれど、酷い裏切りだと思います。
ルースが自身を美人ではない、可愛げがないと評していたのは、過去にそういう経緯があって卑屈な考えを持つようになってしまったのかもしれません。
「叔母さんが母親だったら良かったのに」と言うジェイニーの言葉をルースは信じていませんでした。
私も恋人の弟を美術館のガードマンに雇った事でゴマをすってるのだと思いました。
けれど、自分の父親は心臓発作ではなくルースに殺されたというコロンボの推測を聞いて怒ったり、ルースへの信頼感が全く揺るがない様子を見ると、あの言葉は本当だったのだと感じました。
ルースも姉とは性格が真逆だけれど、シェーファー兄弟も真逆です。兄は医者でジェイニーのような若い恋人(不倫)がいるけれど、弟は前科者で仕事が長続きしない。せっかくガードマンになれたのに美術館でタバコ吸って吸殻を平気でポイ捨てするし有り得ない!と思っていたら、コロンボも館内で葉巻吸ってました。アメリカでは普通なのでしょうか・・・。美術館といっても展示品は絵ではなく貴金属だから?でもやはり館内では遠慮してほしい・・・。
ウォード演じる「刑事ルーサン」の格好を見て、まず「こんな刑事ヤダ」と思ってしまいました。
柄シャツに白いスーツに身を包み、白いハットまで被った、やたらカッコつけたキザったらしい刑事。人気ドラマの主人公らしいけれど、もし私が何かの事件に遭遇して担当刑事の出で立ちがこんなだったら、人を見た目で判断してはいけないと思いつつ、この人で大丈夫なのだろうかと不安で仕方ないと思います。
ウォード自身も役柄に合ったカッコつけた性格ですね。
空弾についた指紋を拭き取らなかったことをコロンボに指摘されてウォードは「僕はいつも何か忘れる」と言っていましたが、それで完全犯罪を試みるのはどうなのだろうと思いました。クレアにゆすられていたからそうするしかないという思考になってしまったのでしょうか。
ウォードはクレアを殺したことは後悔していないと言っていました。日本の刑事ドラマだったらお決まり文句で諭したりお説教したりしそうですが、コロンボはそういう余計な事は言わないんですよね。言っても仕方ないと思っているのか、それは自分の仕事ではないと思っているのか分かりませんが、いいと思います。
人の弱味を握ってお金をゆすり取る事と、ゆすりに耐えかねて相手を殺す事。法律で考えれば殺人が何よりも重い罪ですが、背景を掘り下げると分からなくなりますから。
食堂店のオーナーのトニーが強盗に扮したウォードの特徴を話していて、身長は「あなたくらい」とコロンボに言ったら、コロンボは「中背ですね。」んん?中背?
トニーもちょっと引っ掛かったみたいで「そうですね。中背・・・いや、ちょっと低め」と言い直していました。コロンボ本人は中背の範疇だと思っていたのですね。ポジティブ。
会社の創立記念日でお酒を飲んで皆やたらハイテンション。20代の若い人たちだったら仕方ないと思えるけれど、結構ないい年の方々だとちょっといただけない。
提督が辟易するのも分かります。
根っからの船乗りで船を愛している提督と、利益主義の婿チャーリーが反発し合うのも無理ありません。
昔はセーリングを好きな人が船を買っていたのに、今ではお金持ちのステータスに成り下がってしまったと提督は言っていましたが、なんだかそれがとても切なかったです。提督にしてみれば自分の大切にしているものを汚されている感じだったのでしょうね。
「刑事コロンボ」はいつも犯人を視聴者に明かしてから真相を突き止めるのがお決まりですが、今回は犯人は最後まで観ないと分からないようになっていました。推理モノではこれが普通ですが「刑事コロンボ」では新鮮ですね。
遺体を海に遺棄したチャーリーが一番疑わしかったけれど、後半で真犯人に殺害されてしまいます。
チャーリーは提督の遺体の側に落ちていたブローチを見つけて、妻のジョアナを犯人と思い込み隠蔽工作をしたのですが、愛情ではなくと財産分与を受けられない事態を防ぐ為だったのが残念。ジョアナがアルコール依存性なのは夫婦関係のせいでしょうか?父親も夫も殺害されて、ますますアルコールに依存してしまわないか心配です。
造船の設計エンジニアのリサが提督と婚約していたのは意外でした。しかも遺産相続から自分を外してくれなければ結婚には応じないとは、格好いいですね。ちゃんと「財産目当ての結婚ではない」という証を自ら立てているのですから、これぞ純愛。けれどそれで遺言を書き換えたことが殺人の動機になってしまうとは皮肉です。
思いやりがあって人の良さそうなスワニーが、リサが提督の若い婚約者と知って笑いだしたのが嫌でした。
そりゃあ誰だって年の差のあるカップルや夫婦を見たら色々と勘繰りますけど、あれは遺言の内容が変わった理由がリサに遺す為だと思ったからですよね。
やっぱり遺産相続は厄介ですね。
コロンボが登場した瞬間、いつもと違うと思ったらコートが違っていました。いつものクチャクチャのトレンチコートではなくカッチリとしたダークブラウンの品の良いコートです。カミさんからの誕生日プレゼントらしい。なかなか似合っています。コートがピシッとしていると雰囲気も変わりますね。
ただコロンボ本人は気に入っていないようで、「窮屈で頭が回らない」と脱いでしまいます。コロンボはひとたび事件の捜査に入ると他の事が疎かになりがち。新品のコートも脱いでそこら辺にほったらかしてしまったようで、署内の遺失物に届いていたのをウィルソン刑事が持って来てくれたのに「見たくないんだよ」と衝撃発言。ちょっと!カミさんがプレゼントしてくれたのにそれはないでしょ、と思っていたら窓全開の車を停めてコートをシートに戻した時に、同伴の犬に「誰かが盗んでも知らん顔しとくんだよ」と声をかけていて、そんなにそのコートが嫌なのかとショックでした。カミさんが可哀想ですよ。でも結局カミさんがコートを取り替えに行ってくれている、と言っていつものクチャクチャトレンチ着てました。カミさん偉いなぁ。そんなに気に入らないなら自分で見繕って来い!って思っちゃいます。
ジェロームが暖炉をたいている部屋で海老を食べながらワインを飲んでいるシーンで顔に汗をかいているのが気になりました。暑いなら暖炉の火を消すか、ジャケットを脱いだらいいのに。
銭の亡者で用心深く他人を信用しないジェロームは、売上の計算をする時はドアに鍵をかける上、ドアの鍵は最新式。でもマジシャンであるサンティーニは訳もなく錠を破ってしまいます。コロンボは被害者が倒れていた位置と身体の向きで、内部犯で鍵開け技術のあるサンティーニが犯人であると早々に目星をつけて、マジックショーで持ち込んだ手錠でサンティーニに勝負を挑みます。ここのシーンが印象的でした。サンティーニは観客の前で手錠を見事に外してマジシャンとしての面目は保ちましたが、コロンボの確信を揺るぎないものにしてしまったからです。
マジック用品を売っている店主さんもマジシャンのはしくれなのか、独特な語り口でした。どこか人を幻惑するような感じですね。マジックの種明かしでちゃっかりコロンボから17ドル巻き上げているしたたかさ。刑事コロンボには時々個性的で面白い脇役が出演しているのですが、面白いのに一回コッキリの出番なのが残念な所です。
カミさんとの旅行でメキシコに来たコロンボ。愛車で渋滞の列をトロトロ運転している最中にウトウト居眠りをして、前の車にぶつかってしまいます。大家族のメキシコ人の父親が、事故を起こしたのが外国人と見てとるや、首が折れたフリをするからヒドイ。奥さんまでグルになって責め立てるし。慰謝料をふんだくろうという魂胆丸見えです。外国からの旅行者はお金を持っていると考えてタカりのような真似をするのは、どこの国でも有りがちかも知れないけれど。
丁度コロンボの事を知っている現地の警察官が通りかかって良かったです。英語も通じるし。しかもサンチャス警部は新聞に載ったという、コロンボが解決した豪華客船の事件の話を聞きたいと食事に誘ってくれたり、レッカー移動されてしまったコロンボの車を早く返してもらえるよう手配してくれたりと、友好的で親切な人です。けれどその為にモントーヤ牧場で起きた事件に巻き込まれる訳ですが。
モントーヤ牧場の主ルイスは、長年良く勤めてくれたエクトールに毒針で身体の自由を奪った上で、闘牛のマリネロをけしかけて襲わせ殺害。
やり方が残酷過ぎると思いました。
闘牛士だったクセに闘牛を殺人の道具に使ったのも許せない。
最初サンチャス警部はルイスが殺したのではないかというコロンボの話を信用しませんでした。
というのもルイスはマタドールとして伝説的な英雄であり、闘牛士というのはただ強いだけではなく精神性をも兼ね備えた存在だからだそう。なんだか大相撲の横綱みたいだなぁと思いました。
「仕事の虫」の事をメキシコでは「マヌケ」というのは本当なのかジョークだったのか。でもコロンボがいなかったら痛ましい事故で済んでしまった事件でしたからね。
エクトールの息子で闘牛士見習いのクーロが、闘牛の突きを食らった時に助けたのはルイスという事になっていたけれど、本当はエクトールで、ルイスはすくんで動けなかった。それをエクトールに見られてしまった事が動機だと見抜いたコロンボが凄いと思いました。まさかそれが殺人の動機になるとは。ルイスが自分の過去の栄光にすがっているのは分かったけれど、闘牛を前にして立ちすくんでしまった事を、エクトールは人に吹聴したりバカにしたりするタイプではないのに、どうしてルイスが殺意を抱いたのか到底理解出来ませんでした。ルイスがマタドールとしてのプライドが傷付いたことを恥じて自殺を選択したのならまだ分かるのですが。
クーロの協力でルイスを闘牛場に誘い出し、闘牛と1対1で対面させた事で全てを白日の下に晒したシーンが少し分かりにくかったですね。屈辱に耐えるような観念したようなルイスが黙ってパトカーに乗り込んだ後にコロンボが補足してくれなかったら訳が分からなかったと思います。
ヘンダソンは、秘密の会合は秘密の場所で行うより賑やかな場所がいいと言っていましたが、遊園地にオジサンふたりだけでいると目立つ!
例えばTDLとかUSJをオジサンふたりで歩いていたら、絶対JKとかにあのオジサンふたりで来てる?あり得なくない?とか後ろ指さされるパターン!
周囲に溶け込む為なのか流れるような自然さで射的に参加して、ふたりとも一発で景品ゲットは流石CIA。ブレナーが射的で取った全長1メートルほどのパンダのヌイグルミを小脇に抱えているものだから、余計目立っていたけれど、ブレナーに声をかけられた女の子は大きなヌイグルミを貰えてラッキーでしたね。
聴き込みに来たのにバーの踊り子に見とれるコロンボ。部下のクレイマーの呆れ顔もごもっともです。仕事して!元警官のバーテンがメルビルがブレナーのことを追って店を出たのを見ていたのは昔とった杵柄でしょうか。
ブレナーがCIAだからコロンボに監視が付いたり、自宅に盗聴器が仕掛けられたりするのですが、全然気を悪くしたように見えません。
盗聴器は知らなかったみたいですが尾行されているのはすぐ気付いていたみたいで、笑顔で「このオールドカーが目当てじゃないでしょうしね」とブレナーに返すのがスゴい。神経が太いのか豪胆なのか・・・。
豪邸に住んでいて、立派な経歴と功績を持っていながら「退屈な人生」とブレナーが言ったのが実感がこもっている響きで気になりました。
有能でなんでも持っているから逆につまらなく感じるのでしょうか。贅沢って言われてしまいそう。
「故国の為に」とか「英雄になれる」とか、テロリストの勧誘みたいな言葉に惑わされる人が、よく分かりません。そんなの相手が自分を都合のいい手駒に使おうとしているってバレバレの言葉なのに。純粋というか世間知らずというか。
ハビブは真面目でちょっと気弱そうな青年だったのに、なぜハッサン総領事代理のアラファ警備隊長殺害計画に乗ってしまったのか。アラファ警備隊長は有能そうな人だったし、同じくスアリ総領事館に勤めるビーナも良い人と言っていたのに、どんな甘言でハッサンの方を信用出来ると考えたのか気になりました。
ハッサンは自分では用意周到に計画したつもりなのに、早々にコロンボが天井の漆喰が落ちたことで、爆発する前に金庫が開けられていたことを見破ったことに内心では焦っているようなのが小気味良かったです。
スアリの国王陛下は、まだ若く即位したばかりらしいけれど落ち着いていて気さくでとても聡明そうでした。コロンボと少し会話しただけでハッサンにコロンボのことを「私は気に入ったよ」と言っていたので、人を見る目もお持ちなのですね。
領事館の前でプラカードを持ってデモをしていた学生たちの1人が、国王は進歩的な人だと評価して保守的な臣下たちを非難していましたが、あの人が国王ならスアリの将来は明るいのではないでしょうか。
外交官特権を理由に、どうせ裁かれないと高をくくって自供をほのめかしコロンボを嘲笑っていたハッサンでしたが、帰った筈の国王が領事館の自分の部屋に入ってきて度肝を抜かすのが爽快!
スアリの裁きを受ければ首をはねられるとあって、自ら進んで自供を認めロサンゼルス市警に連行されることを望むハッサンの必死さが滑稽でした。同胞を2人殺害して国王の座を狙うほどの野心を持っていたのだから、甘んじて厳しいスアリの裁きを受けて欲しかったですね。
ハッサンは権力にこだわっていただけで、国のことを想っていた訳ではなかったということでしょうか。
それにしても一国の王とタッグを組んで殺人犯の自供を取るなんて、大胆なことを考えますよね。ハッサンには外交官特権があったからコロンボとしてはこの切り札しかなかったのかもしれません。
最後が一番良かったです。スッキリしました。
二人の男性に愛された女性グレースは、とても幸せだったと思います。
グレースがスターとして返り咲くことに執着していたのは、絶頂期にネッドの運転する車で事故に遭ってから、ネッドを介してではないと仕事が来なくなってしまった事も一因なのかも知れません。
ネッドはダンサーであるグレースに怪我をさせてしまった負い目もあるけれど、本人の言う通り彼女を愛しているからこそ、自分が罪を被って夢を見させたまま逝かせてあげることを選んだのでしょう。
元医者で夫のヘンリーは、ブロードウェイミュージカルの出資はしないと拒否すると、グレースに「強情で意地悪で役立たずな老人」と侮辱されますが、年齢的にカムバックすることは無理だと言い、愛情だけで結婚を決めたとは思っていないけれど不幸な結婚生活ではなかった筈だ、と穏やかに諭すシーンが切なかったです。彼女の結婚理由に打算があったことも知っていて尚、妻に誠実な姿はとても素敵だし立派だと思います。グレースが頭に動脈瘤が出来ていて余命僅か、記憶が曖昧になることを理解していたといっても度量が大きくなくては、ああいう対応はなかなか出来ないと思います。
ショーに反対する本当の理由は病気の為ですが、本人にそれを秘密にしていたヘンリーは、グレースが病気ではなかったらショーに出資してあげたのか?
グレースは病気ではなかったら出資を拒んだ夫を殺害しようとは考えなかったか?
色々考えてしまいます。
グレースは二人の男性に大事にされていたのに、彼女自身は自分の夢を何よりも愛しているですよね。
仕方ないことなのですが、贅沢というか・・・やはり幸せな人ですね。
銃社会のアメリカですが、刑事であるコロンボは10年射撃テストを受けていないし、そもそも銃が嫌いで携帯していないそう。一般人でも「自分の身は自分で守る」為に銃の所持が普通なアメリカで、コロンボのような銃嫌いの存在はなんだか安心します。
出番は少なかったけれど、モリスがとても良い人だなぁと思いました。盲導犬を伴って散歩中に、突然自分の側で車が何かにぶつかったら目が見えず状況が分からないし不安だった思うのに、車を運転している相手に「大丈夫ですか?」と声をかけて優しいですよね。盲導犬のシェパードも可愛かったです。
犯人のコリアーの証言を引き出す為に、モリスの兄デービッドも協力してくれて、兄弟揃って人間が出来ていらっしゃる。ビシッとしたスーツ姿と髭もステキです。
ナディアは夫カールが言うには何度も浮気をしているらしい。精神的に弱くて恋愛体質、誰かに寄りかかっていないとダメなタイプなのでしょうか?同性にはあまり好かれないタイプかも。コリアーの助手で彼を想うボーデンがナディアのことをあまり良く思っていないのは、恋敵だからというだけではなさそう。ボーデンはチャキチャキのキャリアウーマンだし、ナディアとは真逆のタイプですしね。
コロンボの古い車がフランス製だったことがちょっと衝撃でした。
ガードマンが在中しているなんて凄い豪邸ですよね。けれど防犯のためとはいえ自宅の中に防犯カメラがあるのは落ち着きません。今回はこの防犯カメラを利用した殺人事件でした。
エリザベスと結婚することで今の地位についたハロルドは、ミダス電子工業の業績低下 を回復させられなかったことを理由に、会長である義母マーガレットから社長を退くことを命令されます。まぁ確かに自分の娘と結婚しておきながら、あちこちに愛人がいるような婿よりも息子のアーサーに会社を任せたいと思いますよね。
マーガレットはキビキビとした感じの人ですが、彼女の子供であるエリザベスとアーサーはフワフワした雰囲気で、会社の経営はハロルドに任せきり。会社のお金で好き勝手したいハロルドにはその方が都合が良かったのかも知れませんが。
エリザベスは車椅子で生活していますが、周囲から腫れ物扱いされることは望んでいないし、母親が亡くなってからは自分が会長を務めた方が良いと思うと夫にハッキリ伝えています。フワフワしていると思ったけれどやっぱりマーガレットの娘。守られて与えられているだけを良しとしない性格なのですね。ハロルドは怒って反対していましたが、結局彼の犯行であることはバレてしまった訳だし、今後はエリザベスが会長、アーサーが社長になって会社を建て直してほしいですね。マーガレットの為にも。
かみさんが抽選でメキシコ旅行を当てましたが、コロンボはいつものトレンチコート。船長も気にしていたけれど、暑くないのでしょうか?旅行なのだからもっとラフな格好したらいいのに、と思うけれどトレンチスタイルじゃないとコロンボ刑事!という感じがしませんからね。
看護師メリッサが美人で感じが良くて素敵でした。今日では看護師はパンツスタイルが主流のようですが、ナース服といえばスカートでしたね。メリッサのナース服はウエストが絞ってあって、裾はふんわり広がっているワンピースデザインで可愛いかったです。でもやはり治療をしたり動き回ることを考えたら今のスタイルが良いですが。
ダンジガーはロザンナを殺害した翌朝に手袋は海に捨てたのに、なぜ凶器の銃はリネン室に隠したのかと疑問に思っていたら、バンド演奏でホールに戻るロイドに罪を着せるにはそうした方が自然だったからなのですね。うーん、抜け目がない。確かに船室の窓って開けられないですしね。
でも最後はまんまとコロンボの策略に嵌まって自白するハメに。コロンボは結構犯人を罠に嵌める方法を使いますね。決定的な証拠がなかったり、証言を引き出す為に必要なのもあるけれど、「お仕置き」や「一太刀浴びせる」という感じもします。
被害者は不倫相手の女性ですし、ダンジガーの妻シルビアは年下の夫を本当に愛しているし、真相を知ったらショックを受けるでしょう。
だから「ダンジガーさ~ん」と節をつけながら呼んで手袋の内側の指紋をダンジガーの指と照合しようとするシーンを見て、コロンボなりのちょっとした嫌がらせかな?と思いました。
この作品がなかったら古畑は生まれなかった、刑事ドラマの名作‼️
ただ、観ていて思ったのだが、犯人の見つけ方が唐突過ぎる‼️何でこの人が犯人だとわかるのだろう?少しムリがある、がそうしないとドラマが成り立たないから、ですよね?全部いいけどやっぱり別れのワインが一番‼️カミさん、一度でいいから見たかった!一度も出てないよね?
1度でも前科がついてしまうと、部屋を借りたりちゃんとした仕事に就くのも大変。そんな時に救いの手を差しのべてくれる人がいたら信頼してしまうのは仕方ないと思います。
アルビンはちゃんと敬語も使えるし、約束も時間も守れる人だったので、ポールではなく本当に理解のある協力者がいたら新しい人生を歩めたのではと残念な気持ちになりました。身代金誘拐殺人の犯人に仕立てられ殺害されて、警察やモーテルの受付がかり、不動産屋にまで悪く言われて可哀想でした。
でもコロンボが酔っぱらいドーランの証言を大事にしてくれて良かったです。ドーランは小説家を志したことがあったのかと思わせるような語り口で、銃声を聴いたことを話していたのに、シラフに戻ったら一切覚えてなかったのが残念でした。これだから酔っぱらいは。
フランセスは確かにポールに対してガミガミものを言うし支配的だったのかもしれないけれど、だからってなんの恨みもない人を巻添えにして殺害するのはちっとも理解出来ません。すぐに離婚することが叶わなくても、家を出ることは可能だったでしょうし。
殺すほどフランセスにウンザリしていたくせに、人前では心配したりフランセスの死を嘆いたりと、抜け目がない。疑われないためにアルビンを殺した後に自分で自分の脚を撃ったくらいだから、なにがなんでも露見したくなかったのでしょうね。望んでいた自由が手に入る瀬戸際ですし。
写真家のポールに対し写真の知識が乏しいコロンボが、それを逆手にとって犯行を認めさせる手腕は流石でした。
内部告発をする時、なぜ人は告発をする前に相手にそのことを話してしまうのか、と常々思います。事前に言っておかないと卑怯だと感じるのでしょうか?
スタッフォードの場合は、マイロを追い詰めたかったからだと思います。マイロが会社のお金をチョロまかしていたのだから怒髪天を衝くのは当然ですが、証拠を固めて然るべく処置を取るまでは黙っておいたら良かったのに。
掃除係のマーフィーが、昨日一時間かけて床掃除したばかりなのに、刑事さんたちの足跡だらけ!とプリプリしているシーンに共感してしまいました。掃除したばかりの所を汚されるとホント嫌ですよね。気持ち解ります。
トレーニング中のマイロに付いて浜辺を走るコロンボが浮いてました。周囲はみんな水着なのに、コロンボはスーツにトレンチコートだから、一体季節は夏なのか冬なのか?ロサンゼルスは寒暖差が激しいのでしょうか?
留守電や録音機能、コンピューターなどの文明がちょうど登場した時代だったらしく、それらを見てコロンボが新しいオモチャを発見した子供のような反応をしたり、欲しい情報をジリジリ待つシーンが良かったです。人が電話をかけたり書類ファイルを探したりして調べるのが普通だったから、コンピューターが紙ッペラを吐き出すのをただ待つのは心もとない感じだったのでしょうね。
お金持ちであることを周知されている人は、自分に近付いてくる人間が信頼出来るか、よく見極めなければ後々ひどい裏切りに遭う恐れがあるように思いました。
マーガレットは慈善事業に莫大な財産を使い、「お金は武器と同じ。使い方次第で社会をより良く出来る。」という信念を持っていて素敵だと感じましたが、夫であるマークは全くそうは思っていなかったようですね。妻の財産を自分の好きに使えないことを不満に思っているのが丸分かりです。社会貢献されている奥様を尊敬するでもなく、お金をドブに捨てているという認識のようで
残念、というか価値観がマーガレットとは全然噛み合わないなと思いました。元々お金目当ての結婚だったのでは?と疑ってしまいます。
近所で泥棒被害が頻発していることを利用して、ふたつの殺人を誤魔化そうとしたマークは、刑事としても人としても最低だし頭が悪いと思いました。なんであんな人が次長なのでしょうね。有能な人はずっとヒラ。コロンボは出世なんて興味無さそうですが。
アーティは20の頃から窃盗を生業にしているような人で口も悪いけれど、どこか繊細さを感じさせる人です。「殺人は泥棒の面汚し」というポリシーがあって、社会的地位のあるマークよりもずっと信頼出来るように思いました。殺人の濡れ衣をきせられようとしている事を知ったアーティが、自分の身の潔白を確信しているコロンボと手を組んで、マークたちを罠にかけるのが良かったです。これぞ先手必勝ですね。
出所した人が正職に就けるよう尽力していたマーガレットも、ほんの少しは浮かばれたのでは、と思います。
近頃は人形ロボットというと、より人に近い外見のものが造られているような気がします。
IQの高い天才ばかりが集められている人口頭脳学研究所に所属するスティーブ少年が作製したロボットMM7は、ずんぐりムックリとしたシルエットで昭和のアニメに出てきそうな感じで可愛らしいです。マーシャル所長のアリバイ工作に使われてしまって可哀想。でも自分から進んで完璧なアリバイを話し出してしまったのは、コロンボがドアに付いた靴のクリームに気付いたことで焦ったのかもしれませんね。
賢い人でも殺人を完璧に遂行して隠し通せるわけではない、というかコロンボが有能なのでしょう。
名前が付いていないコロンボの飼い犬は、怠けグセでずっと座ったままで動かないらしく、訓練学校をクビになってしまうほど。散歩もしたがらないのでしょうか?健康面が心配。人懐っこい犬で、車の整備士さんの顔面を舐め回して仕事のジャマをしてしまうシーンが微笑ましいです。
マーシャルの息子ニールは、分子構造論を人から盗んだことを後悔していますが、それを告白出来ないことを他人のせいにしていて最低。ニールのことを心配して親身になっていたマーガレットは夫を失ったばかりで辛いでしょうに、未熟な青年とその父親のヒステリーの被害に遭っても終始大人の対応をしていて、たいした人だなぁと思いました。
グリーンリーフがアリバイ工作しているシーンとマロリーが口述で原稿を作成しているシーン、そしてエディが殺しに来るシーンがマンガのコマ割りの様に映像が編集されていましたが、ちょっと見辛かったです。けれど当時にそういった技術があったことには少し驚きました。同時進行で3つの映像を流すことで緊迫感を強調したかったのでしょうか。
「グリーンリーフ」ってなんとなく爽やかな感じのお名前ですが、グリーンリーフ自身はちっとも爽やかじゃありません。狡猾で気取っていて、冷酷。なぜレタスの仲間の「グリーンリーフ」を名前にしたのでしょう。イギリスでは悪っぽい名前なのでしょうか?
レストランのパーキングスタッフに蔑ろにされるコロンボが見ていて可哀想でした。「こんなボロじゃ誰も盗まないよ」なんて失礼ですよね。店の前に駐車しっぱなしじゃ邪魔だろうから何処に停めたら良いか訊いているのに。
でもコロンボ自身は気を悪くした様子もなく受け流していて度量が大きいと感心してしまいます。ただ単に事件の謎解きのことで頭がいっぱいだった可能性もあるけれど。
職業病ですね。もちろん良い意味で。歯科医院で治療中でも殺人事件のニュースを聞き逃さないコロンボの刑事としてのアンテナが凄い。
それにしてもコロンボと同じイタリア系の歯科医さん。「イタリア人といえばイタリアマフィアと思われる」という愚痴が止まらない。よほどそのネタで日々嫌な思いをしているのでしょうか。グチグチした語り口調でないのは良いけれどお客さんに聞かせる話ではないような・・・。
上院議員に立候補しているヘイワードは、妻ビクトリアの誕生日に選挙参謀のハリーを殺害。しかもよりによって妻の秘書リンダと不倫していて、妻への情は皆無。けれど選挙を勝ち抜くには夫婦円満をアピールする必要があり、不倫を続けながら夫婦関係の修復を図るヘイワードの欲深く計算高い性格が嫌。
ビクトリアはヘイワードがハリーの死を嘆いていたのは演技だと見破っていたのに、それが選挙のためとも知らず結局夫の甘言にほだされてしまったのがつまらないなぁと思いました。相手の自分への愛情が失われていない、と信じてしまうのはビクトリアがまだハリーを想っているからなのでしょうけれど。
リンダと少し会話しただけでヘイワードと不倫関係であることを見破ったコロンボは本当に勘が鋭い。
それともリンダが分かりやすい?
コロンボは古くなった愛車がウィンカーやヘッドライト、ワイパーの調子が悪くなっても新しく買い換える気はないようです。愛妻家の人は車も長く大事にするのですね。
冒頭から怖い。手術室でマーチソン博士がメスを持ってブルブル手を震わせているからマッドサイエンティストかと思いました。
小じわが消えるクリーム「ミラクル」を開発していて、それが成功したと思ったらデータが間違っていたと分かってショックを受けていたのですね。それにしてもマーチソン博士は化粧品会社代表のビベカに心酔しているのか、「ミラクル」が失敗して怒られるのが怖かったのでしょうか?「女王陛下」なんて呼んでまるで召し使いのような芝居がかった振る舞いが最初はちょっと異様に感じましたが、ああゆう話し方が博士の素なのですね。個性的でチャーミングな人で、ちょっとコロンボと共通してると思いました。
商売敵のラングとビベカの静かな悪口の応酬も怖かったですね。乱暴な言葉で怒鳴り合うケンカよりも冷ややかな分、恐ろしいかも。
マーチソン博士の助手のカールは、実は分子式と「ミラクル」をラングに売る為にデータをすり替えたけれど、自分を捨てたビベカへの復讐でもあったとは。それほど本気で想っていたのでしょうけれど、執念深いなぁと思ってしまいました。自分はビベカよりも若いし「ハンサム」と言われる容姿なのだから復讐よりも自分の幸せを考えたら良かったのに。
シャーリーはビベカに「アンタみたいになりたい」と言い、殺人を黙っている代わりに重役のポストを求めますが、実力もキャリアもないのに役だけ貰っても仕方ないのでは?と思いました。
ビベカの重役の椅子を用意しておくという嘘を信じてシャーリーが「絶対に誰にも言わない」と笑顔で言った時はゲンキンだなぁとも思いましたが、その単純さも軽率さもシャーリーの「若さ」を表していますよね。この時のビベカの後ろめたそうな表情が印象的でした。
冷酷無慈悲な犯人にムカつきました。野心が強い医師のメイフィールドは、共同研究を自分のものにするために自分のことを優秀な外科医として信頼しているハイデマン先生を、手術用の糸をすり替えて殺害を目論みます。
医療ドラマなどでは野心家の医者はよく登場しますが、このメイフィールドは野心ためには殺人も厭わないので恐ろしい。手術の前から彼を警戒していた看護師のシャロンは、賢く勘の良い女性だったのに、それが仇となって殺害されてしまって悔しかったです。
しかもシャロンの死後、彼女の家にモルヒネを仕込んで、麻薬中毒患者に横流ししていたせいで殺されたように見せ掛けるなど、頭が回ります。憎たらしい。プロ意識を持って看護師をしていたシャロンを侮辱していますよね。
ハリーもマリファナを止めて真面目に働いて頑張っていたのに、メイフィールドに巻き込まれてしまって可哀想でした。
メイフィールドにとっては自分以外の人間がどうなろうと、どうでも良かったのでしょうね。
野心や名声に執着するよりも、人の命を救うことに執着してくれていたら良かったのに。
手術を見ることを嫌がっていたコロンボが、ハイデマン先生が急変してメイフィールドが執刀しているシーンでは、上から気迫のこもった表情で見張っていて、刑事としての執念を感じました。
「刑事コロンボ」は最初に犯人を視聴者たちに明かしてしまうストーリーですが、今回は被害者が手違いで殺されてしまったと思わせる仕掛けと、殺人犯である大女優ノーラの秘密のネタが糸口として散りばめられていて面白かったです。
たまにこういう変わり種があるのも「刑事コロンボ」の良いところですね。
それにしても信頼していたノーラに殺され、婚約者のバークスにも悲しんでもらえなくてジーンが気の毒でした。そもそも他人を恐喝してお金をせしめるようなバークスのどこにジーンが惹かれたのか分かりません。バークスが元妻たちから慰謝料を催促されていることも知らずに求められるままにお金をあげてしまったのだとしたら浅はかだと思います。ノーラの秘密も長く黙秘していたのに、そのノーラに秘密漏洩を恐れられ殺されてしまったのだから可哀想。スキャンダルに鼻が利くバークスを好きにならなければ殺されることもなかったかも知れません。
結婚前から女優ノーラのファンであるカミさんに、電話で引き合わせたいコロンボ。いつもタイミングが合わず留守で残念でした。カミさんが女優のノーラとどんな話をするか聴きたかったです。
夫婦そろって俳優のニックとリリー。仲は良さそうだけれど、素敵なご夫婦には見えませんでした。リリーは演出家の言うことを訊かず、ヒステリックに怒鳴っていたのに、ニックが来たとたんご機嫌。変わり身が早すぎる。
ふたりは「マクベス」の役を得るためにプロデューサーのロジャーにハニートラップを仕掛けたのがバレて、勢いあまって殺害してしまったのですが、たまたまロンドン警視庁の視察にコロンボが来たのが運の尽きでしたね。
ロスでも刑事であることを疑われるコロンボですが、案の定ロンドンでも不審者扱いされてしまいます。本人は全く意に介しませんが。でも事件ともなれば鋭い観察眼を持ってして犯人に辿り着くので、ロンドンの警部たちも驚いたでしょうね。
ロジャーの豪邸にいたお巡りさんが、コントに出てくるお巡りさんのような風体に訛り口調で和みました。
リリーはロジャーの葬式で泣き崩れてみせたのですが、わざとらしくて、自分たちが殺した本人の柩の前でよくやるなぁと思いました。ニックがマスコミに「リリーはロジャーに娘のように可愛がられていた」と言って、「そんなに年離れていませんよね?」と反論されていて、ですよね!と思いました。リリーはロジャーをジジイなんて言っていたけれど、年齢変わらないように見えます。だから尚更ロジャーはハニートラップだったと知って激怒したのかも知れませんね。
視察に来たのに事件に首を突っ込みつつも、合間合間でロンドン観光を楽しんでいるコロンボが可愛かったです。写真ちゃんと撮れていると良いですね。
エリックの寝室のコーディネートが凄かったです。蒔絵のタンスに仏像に天蓋ベッド。和洋折衷、というよりもゴチャ混ぜという感じでした。あんな部屋では落ち着かない。
ハンロンはアリバイ工作のためにスタジアムの売り子に変装しますが、昔は男性が売り子をするのが普通だったのか、女性の売り子が居ないようだったので意外でした。
エリックの家も大きいけれど、プールも大きい。しかも滑り台付き。夫婦二人暮らしなのに、と思ったら妻の留守中に乱痴気パーティーするためなのですね。そのプールで殺されてしまったのは皮肉だなぁと思いました。
ハンロンはエリックの妻、シャーリーに好意を持っていたのか、とても紳士的な対応でした。他の人には威圧的で短気な様子だったのに。
コロンボいわく、カミさんは怒りっぽい人らしいですが、コロンボが色々雑だからというのもあるのかもしれませんね。
ジャービスの野望をコロンボが見事に見破り悪を挫く痛快なストーリーであった。
コロンボが、崖から転げ落ちたりするなど、趣向の違う点も魅力であったが、冷静沈着で淡々とトニーを利用し最後に殺してしまう犯人、そしてアリバイも完璧というところから、見事に解き明かす。
今回のストーリーの機転は、ウィルソン刑事の熱心さと科学操作である。
最初は科学操作のと熱心さが鬱陶しいと思っていたコロンボも、犯人を追い詰めるヒントになる。
ウィルソン刑事のやる気が、空回りしており、作品にエッセンスを加えており、素晴らしい。