恋は闇

明るくて後輩にも気さくで仕事が出来て、熱くなりがちな正聖とも良いコンビだったから、6話の展開が辛過ぎました。正聖への「胸張んなさい、あんた良い男なんだから」って言葉も仕事の後輩っていうより息子に言ってるような温かさと情が感じられて、これが最期の言葉になっちゃったんだなあって、あの笑顔がもう見られないんだなあって切なくて哀しかったです。

唯月に助けられた時の乙女みたいにキュンとしてる表情が可愛らしかったです。走って追いかけてまでおにぎりを渡そうとするのも、雨の日は危ないから配達を休むよう提案するのも、過保護なお母さんって感じで微笑ましくもあり、いくらお気に入りでも他人にそこまでするかなあっていうほんの少しの違和感もあり、面倒見の良いベテラン刑事さんっていうだけではない何かがありそうな空気を漂わせ始めたのも、ドラマ後半戦に向けた良いスパイスになっていて良かったです。

万琴に話を訊くシーン、病院だからっていうのもあるけど、いつもより声を落としてゆっくり優しく質問をする姿が襲われたばかりの万琴への気遣いと配慮を感じさせました。刑事として有能なのはもちろん、私情丸出しで設楽に掴みかかる小峰を制したり、万琴の傷に夢中な松岡を「おりゃあ」って追っ払ったり、四方にも気が回ってすごく頼もしくて格好良い刑事さんだなって思います。

親しみやすさが前面に出ている刑事。少年課とかにいるなーと思います。熱くなりがちな小峰と煽る設楽の間に入って情報を整理したり大事にならないように柔らかい口調でそれとなく気を逸らしたり、女性ならではの柔らかさが場を和ませます。

設楽の煽りに憤る小峰を宥めながら愛想よく話を進めてたけど、ちょいちょい言葉尻にトゲがあって怪しんでますよ、疑ってますよって牽制しているのが伝わってくるところが良かったです。息子に買ってもらった時計を大事につけていたり、それを野田に自慢したり、お菓子を差し入れてくれた唯月に「可愛い～」って悶絶してたり、頼もしい刑事の顔とは違うチャーミングな一面もギャップがあって魅力に感じます。

設楽の舐めた態度や煽るような口調にもニコニコ笑みを絶やさず、テンポよく躱してく姿がさすがベテランって感じで頼もしかったです。笑顔だけど目が全然笑ってなくて、松岡から鑑定結果を聞いた時に一瞬笑みが消えたり、設楽が部屋から出て行った後にスッと真顔に戻るところも、「顔は変わる」「人は色んな顔を無意識に使い分ける」っていう1話の設楽の台詞を彷彿とさせて良かったと思います。

カラっと明るくて気さくで、ペアで動くことが多い刑事にとって、こういう人が相棒だとやりやすいだろうなあ。設楽犯人説を早々に口にしていたり、被害者の共通点も絶対にまだ見落としてることがあるって指摘したり、出番は少なかったけど、大和田の鋭さや粘り強さが垣間見れて、刑事としての有能さが感じられたのも良かったです。