海に眠るダイヤモンド

説教和尚なんて言われていたけど、言葉一つ一つに思いを込めるような優しく丁寧な話し方や醸し出す温かな雰囲気が心地よくて、押しつけがましさを一切感じさせないところが素敵でした。相手が一平でも、新参者のリナでも、誰に対しても態度が変わらないところも住職だからというだけではない、和尚個人の懐の深さや人柄の良さを感じさせて良かったと思います。

どんな時にも誰でも受け入れるそんな空気があるから誰でもふらっときて心のうちを話すことができるのでしょう。百合子にも聞き役に徹し全てを吐き出させるような寄り添い方が素敵でした。答えようのない問いも受け止めてくれる大きな存在です。

穏やかな語り口とほんわかした独特な雰囲気が良いですね。ネイティブな長崎弁もさすが。リナに会いに来た鉄平との気さくなやりとりも、子供の頃から鉄平を見守ってきた親戚のおじさんみたいな温かさがあって、故郷に帰ってきた安心感や懐かしさのようなものが感じられて良かったです。