海に眠るダイヤモンド

百合子との結婚を決めたあたりからメキメキとかっこよさが出てきて目が離せなくなりました。結婚式での百合子へのキスがすごく愛おしいものへのキスに思えてきゅんとしたし、逃亡中の鉄平に必死に喰らいつくところに熱い友情を感じた。今後もっともっと活躍するだろうな。

「朝子に言えないことを増やすのは可哀想」と百合子に鉄平のことを話さなかったり、端島を離れる時にそっと百合子の肩を抱いたり、「愛してる」という言葉がなくても彼女への深い想いが伝わってくるところが良かった。踏切での鉄平とのシーンで感情を爆発させて泣き叫ぶ姿も、親友として鉄平を心から大切に思う気持ちや「もう会えないかもしれない」という惜別の思いが伝わってきて貰い泣きしてしまいました。

妊娠して被曝の影響を心配する百合子の手を取り見つめながら無闇に大丈夫とは言わず2人で乗り越えていこうと話す賢将。すごく誠実でロジカルで彼らしいと感じた。困ったなーの言い方も寄りすぎず離れすぎずちょうど良かったと思う。

百合子のために沢山の資料を用意したり、「二人なら困ることも半分ずつ」と優しく抱き締めたり、彼女の不安な気持ちを少しでも払拭しようと気遣う姿が百合子への深い愛情を感じさせました。百合子のすべてを受け止めて包み込むような大きさと温かさ、頼もしさが滲み出ているところも素敵で、髪型やメイク、服装の変化に頼らなくてもしっかりと年月の経過や内面の成長が伝わる表現力の高さも凄いなと感じました。

炭鉱長へ進言する時の迷いのない口調や眼差し、鉱員や職員たちと積極的にコミュニケーションをとる姿、因縁のある鶴岡とのさりげないやりとり、随所で賢将自身の成長や彼を取り巻く環境の変化が伝わってくる細やかな演技がとても良かったと思います。

百合子へプロポーズしにいく時、朝子のそばを通りかかったのに一瞥もくれず百合子に真っ直ぐに歩いていくところが覚悟を決めた賢将らしくてとても良かったです。百合子の性格を熟知しどんな嵐も支えようとしている賢将がとても頼もしく見えました。おでこへのキスがとても愛おしそうで素敵でした。

プロポーズシーンがすごく素敵でした。真っすぐ百合子を見つめる眼差しや、想いが届くよう言葉一つ一つ大切に愛しむように語る温かな口調、百合子のすべてを包み込むような大きさと深い愛情が伝わってきてとても良かったです。島の人たちにコソコソ言われても気にせず堂々と自分の仕事に取り組む姿も、賢将の内面の成長と強さを感じさせ、「百合子がいれば俺はタフ」という台詞に説得力があったのも良かったです。

俯き誰にも分かってもらえないという表情、島の中を歩くだけなのにこわばった顔で賢将の孤独を感じる。それだけに一平さんに声をかけてもらった時の涙に引き込まれる。男は外で泣くなと言われた時代の男の子だねぇ。

父親とも工員たちとも分かり合えず、孤独を募らせていく様子が見ていて本当に辛かったので、一平の温かい言葉に涙する姿に貰い泣きしてしまいました。賢将の中にも「一島一家」という思いは根付いてるだろうけど、自分の立場と板挟みになってしまったり、工員たちとも上手く対話出来なかったりと不器用でもどかしい姿も、賢将の青臭さと生真面目さを感じさせて良かったです。

百合子にネックレスを返してあげるシーン、すごく良かったです。泣き出す百合子の正面に立って周りに見えないよう楯になる姿も、お葬式でも泣けなかった百合子が声をあげて号泣する様子を見て少し安心してるような表情も、恋人とか幼馴染とかそういった肩書関係なく、彼女を大切に思う気持ちで溢れていて胸にくるものがありました。

朝子の母親が自分と朝子の結婚を茶化すのを切なそうな、複雑そうな表情で立ち聞きする姿が見ていて辛かったです。朝子に毎回キラキラしたガラス細工をお土産に買ってくる姿も、3話で朝子の回想シーンを見たあとに思い返すと、その一途で健気な思いにグッときてしまいます。

スクエアダンスの練習で朝子の手を握る時の、一瞬の間や覚悟を決めたような表情が「本当に好きな子には手も触れられない」という百合子の台詞に説得力を感じさせて良かった。恋人の百合子の鼻を軽やかにつまんだシーンを見た後だったから、余計に賢将の本当の気持ちとそれに気付いている百合子の複雑な思いが際立って印象深く感じられました。コッペパンの話の流れで、朝子から目を逸らして「好き」と告げる時の表情も切なくて良かったです。

とにかく人目を引くかっこよさ。百合子と一緒だと絵になるしカップルと言われても納得。だけどリサと一緒に歩いているとそれもアリかななんて思ったり。ただ隣を歩くだけでエスコートしているように見えるから不思議だ。

島に来たばかりのリナともう知り合いになっていたり、職員クラブでも百合子が一緒にいるのに給仕中のリナに手を振ったり、限られた出番の中でも賢将の人当たりの良さや明るく軽やかな性格が伝わってくるところが良かったです。父親を前にした時の堅い表情や何処か距離を感じさせるやりとりが、島に戻って早々、真正面から言いたいことを言って取っ組み合いの親子喧嘩をする鉄平と対比になっていたのも良かったと思います。