海に眠るダイヤモンド

誠だとすると少し年齢が上過ぎるような気もするけど、朝子さんへ名前を呼ばれた時の返事の仕方とかが満を辞しての感じで感慨深かった。正体を隠して朝子さんのためにとやってきたけど、やっぱり名乗りたかっただろうし名乗った時になんて言うか考えてたんじゃないかなって思った。名前を呼んでもらえて嬉しそうだったのが印象に残った。

ずっと玲央が誠と繋がりがあると勘ぐっていたので、まさかの正体にびっくりしました。見た目だけだともう少し年配にも見えるし、でも実年齢なら役柄通りだろうし、どの関係者でもぴったりくる絶妙な配役でしたね。澤田の思慮深さや穏やかな人柄、朝子のことを何よりも大切に思って尊重する姿が、リナが良いお母さんだったこと、鉄平と朝子への贖罪の思いをずっと抱えて生きてきたことを感じさせるところも良かったと思います。

サングラスと柄シャツ姿で和馬を詰めるシーンがやたら迫力と凄みがあって、澤田って何者なんだ？っていう謎と興味がより一層深まりました。社長の思いが無下にされていると憤る姿も、いづみへの忠義心の強さや彼女の信念を尊敬する思いが伝わってきて良かったです。

玲央の「さわだーじ」呼びをすんなり受け入れてるのが可愛らしい。玲央にタメ口で話されても平然としてるし、いづみの職務の妨げにならないことは気に留めない大らかさと人間の大きさが感じられたのも良かった。玲央に日記の話をされた時の微妙な間や表情も、「そこまで頼って貰えるなら嬉しいです」という言葉に何処か寂しさが混じってるように聞こえるのも、澤田が何者なのかという謎をより深めていて印象に残りました。

自分よりだいぶ若くて素性も分からない玲央に終始丁寧な敬語で話す姿が、いづみへの敬意を感じさせて良いですね。事情を先に知ってるからっていうのもあると思うけど、いづみの「玲央は第２秘書」発言にも全く動じず、さも当然って感じで書類の話をするところも、突拍子のないいづみの行動に慣れてる感じが出ていて良かったです。

いづみへの穏やかで丁寧な話し方や態度が、自分を拾ってくれた彼女への深い感謝と忠義心を感じさせました。端島の話が聞きたいっていう言葉が、ご機嫌取りではなく心からのものだと伝わってきたのも澤田の人柄が感じられて良かった。玲央に問いかけをスルーされた腹いせなのか、床に落ちていたシャツを投げつける大人げない一面もチャーミングで親近感が沸きました。

玲央を車に乗せる時の丁寧な口調と手荒なやり口のギャップが面白かったです。強面だしサングラスかけてるし、これまでの酒向さんの役柄も相まって、ヤバい人に捕まってしまったのかとハラハラしてしまいました。１分もない登場シーンだったけどインパクトが強烈で、しっかり存在感を示していたのもさすがだと思います。