二月の勝者-絶対合格の教室

黒木の中にもちゃんと緊張感や焦りがあって強気なことを言っているけど不安も抱えているという人間らしさがしっかり表現されていてとても良かったです。校長室でのガッツポーズが最高でした。

黒木先生いつも桜花の中では生徒とも先生達とも一線を引き緊張感を持って接していたからこそ、受験という厳しい現実を忘れずに済んだ。一人で部屋で勝利の雄叫びを上げたのは黒木先生としてのプレッシャーもあっただろう。いつも真剣にむきあっていたんだなと分かるいい演出でした。

迷える子羊のような受験生の親たちと面談する黒木先生はプロフェッショナル。声のかけ方や間の取り方が完璧。落ち着いた聞き取りやすい声で隙のない提案をする。どんな親も安心したように帰っていくのがよく分かる。話し方が上手です。

いつも抜かりなくお金持ちからはどんどんお金を吸い上げる冷めた目をしている黒木先生とスターフィッシュで子供と戯れている黒ちゃんをうまく演じ分けていますね。髪型を崩し優しい顔をしているギャップに佐倉先生もキュンとしないかね（笑）

受験生・受験生の保護者には視て損はない。柳楽優弥校長役の黒木蔵人の演技がドラマの適役で、受験生の子供を持つ親は必見！

誰にも見せないと思っていた髪を崩してネクタイを緩めた姿で花恋に会い、そっと囁くように正論を言うシーンはカッコ良かったし、今までの親を説得する表情とも違って表現が多才だなと思いました。

絶対的な壁のように黒いスーツで手をドラえもんのように甲をこちらに向ける威圧感たっぷり見下ろすような目つきの黒木さんに圧倒され、髪を崩して多分ボランティアでやっている黒ちゃんの時の色気にやられた。奥深い役者さんだな。

佐倉に"出来ない子の気持ちはわからないのか"と聞かれたときや、加藤の両親を説得するときの黒木の目が泣きそうに見えて、黒木も幼い頃は出来ない子だったのかなと想像させる表情でした。

塾はサービス業、顧客を集めなきゃ商売にならない。親たちからの信頼が無ければどうにもビジネスにならないってことをよく心得ている。浮ついた親にはカツを入れるように、ビビっている親には安心させる声のトーンでと微妙に使い分けている感じがもはやカリスマだった。

前髪が目線ギリギリでもっと暗く表情も動かないキャラかと思ったら、張りのある通る声、カモに笑顔も振り撒く徹底ぶり、生徒への評価で冷たい声を出さないなどしっかりと変化があってぞくぞくしました。

親には刺激的なことをいい鴨がネギをしょってくるなんてビジネスとしか見ていないようだけど、子供の小さな変化にも気がつききちんと褒めるところは褒める。くせ者すぎてまだいいやつか悪いやつかも分からない危うさと、目力にやられている。