ちょこっと京都に住んでみた。

いちいちしぐさがかわいらしい。佳奈に向ける目が優しくて、孫を底なしに可愛がるおじいちゃんの目をしているから懐かしくて切なくもなる。来たら歓迎して出る時も引き止めない。佳奈が出ていくと言った時見せた少し寂しそうな顔が忘れられない。

佳奈と待ち合わせてすき焼きを食べたり、焼いた酒粕を「熱いねん」ってはしゃぎながらお皿に乗せたり、佳奈と一緒にいる時の笑顔が本当に楽しそうで観ているこちらも自然と顔が綻んでしまいます。佳奈にコーヒードリッパーを貰った時の喜びっぷりも可愛らしい。あんな大喜びしてくれたらプレゼントしがいがありますよね～。佳奈を見送る時に「また来たらええ」と言って絶対に別れの挨拶をしないところや、佳奈の背中が遠ざかってからそっと手を振る姿が、おじさんの寂しい気持ちを感じさせてグッときました。はんなりと品よく、チャーミングな姿に毎週癒されていたので終わってしまうのが寂しいです。

侘び寂びを一人で体現しているような佇まい。品があって大好きです。小さな花瓶を愛でてそこに挿す花を愛でる。かなちゃんに甲斐甲斐しく世話を焼き、やってくれることに大きく喜ぶ。なんてかわいらしいおじいさんでしょう。

友人と再会するシーン、素敵でした。最初は少し照れくさそうというかぎこちない感じもあったけど、徐々に2人の間の緊張が穏やかで温かな空気に変わっていく様が醸し出す雰囲気や表情の変化で伝わってきたのがとても良かったです。少ない会話の中でも心情がしっかり伝わる丁寧で繊細な演技がさすが。帰宅したあとのすっきり晴れやかな表情と分かりやすくご機嫌な様子も可愛らしかったです。

フランスに恋人がいたとかグラフィックデザイナーだったとかおじさんのエピソードがポロポロと他の人から聞けるんだけど、どのエピソードも意外なのにそうかもなと思わせるようなモダンな雰囲気が素敵です。台所に立つ近藤さんも貴重ですよね。

佳奈が焼いたパンを「上等や～」って拍手して褒めたり、お土産のおはぎをニコニコ嬉しそうに眺めてたり、渋さと上品さの中に可愛らしい一面が垣間見れるところが魅力。温かい雰囲気と落ち着いた空気感も心地よくて、会話がなくお互い無言でも全然苦にならなそう。佳奈が悩んでいてもズカズカ踏み込んだりお節介を焼いたりせず、でも「寂しい時は寂しいって言っても良い」と心を軽くするような言葉をサラっと言ってくれる絶妙な距離感も良いなあと思います。

自分のことは多く語らず、佳奈に「そうだったの？！」と驚かれてもシレ～っと澄ましてる感じがおじさんっぽくて良かったです。佳奈との会話がとても自然で、日常のやりとりを見ているようなリアルさがあるところも魅力。小言っぽい台詞も穏やかな口調やゆったりまったりした空気感のおかげか、説教臭さや棘を感じさせないところも良いと思いました。

ボソボソと文句に近いことを言いながら、いそいそと佳奈の面倒を見る。言葉とは裏腹にルンルンしちゃってる感じが男性だけどかわいらしくいいなーと思いました。京都の言葉が耳障りよく心地いい。こんなおじさんとなら一緒に住みたいな。

低い良い声に上品な京都弁がマッチしていて、穏やかではんなりとした雰囲気が素敵です。佳奈専用の椅子だからと小山たちを座らせてあげないところや、最中を豪快にかじって「うまっ」と満面の笑みを浮かべるなど、渋さの中にお茶目さやチャーミングさがあるところも親近感が湧いて良かったと思います。