相続探偵

灰江に冷たく突き放されても「私の人生は私が決める」と威勢よく宣言して戻って来る姿が頼もしくて、難儀な戦いが始まるぞって構えていた心にそのブレない強さと明るさが心強く感じられました。しょうもないダジャレでお礼を言う灰江を引っ叩くシーンもスカッとした。命がけで煤田に証言を頼んだり、自分を遠ざけようとする灰江に諦めずに食らいついていったり、絶対に役に立ちたい、恩返ししたいっていう令子の熱く強い思いが感じられるところも良かったと思います。

福士の事務所にいる時と灰江の事務所にいる時、言葉遣いを使い分けているところに好感が持てた。令子ちゃんがただの跳ねっ返りではなく、医学生だった過去をもつ賢さや育ちの良さも出ていて周りに合わせられる順応性もあるんだと感じられたところがよかった。

命がけで煤田に証言を頼むシーン、鬼気迫る必死な表情から単なる脅しではなく本気なんだって伝わってきて、何としても灰江の力になりたい、命の恩人に報いたいっていう令子の強い思いが感じられました。福士の好意に感謝しつつも「肝っ玉の小さい男」呼ばわりして退職してしまう、はっきり、きっぱりした性格も令子らしくて良かったです。

灰江に「産まれてきてくれてありがとうございます」と伝える時の穏やかで優しい表情がとても良かった。灰江への感謝と尊敬と、彼が抱える辛い過去や後悔すべてを包み込むような包容力を感じさせて、灰江より年下なのにお姉さんみたいに頼もしく見えました。正樹のことを胡散臭そうに見つめるジトーっとした眼差しと表情も、口にこそ出さないけど「お金目当てでは？」ってしっかり顔に書いてあって笑ってしまいました。

自分より大きな男性をぶっ倒す姿にスカッとします。特に今回は相手の治安が悪かったせいか、灰江が危険な目に遭うたびに華麗なアクションで彼を守っていて、ボディガードみたいで格好良かった。7人の隠し子たちに会いに行く時に、灰江と一緒に行動しているのに、絶妙なタイミングの良さで一人だけ毎回無傷で済んでる要領の良さも令子っぽくて良かったです。

頭引っ叩いたり胸をチョップしたり、朝永が真央にデレデレするたびに鋭いツッコミを入れる姿が面白かったです。福士への接近も思惑があってのことではあるけど、人懐っこい笑顔や親身で気さくな態度に計算高さがなくて、したたかさや嫌らしさを感じさせないところが良いなと思います。詐欺師二人を立て続けに取り押さえるアクションも格好良かったです。

涙で髪の毛が濡れてしまうくらい大泣きしながら、教授に母親の手術を頼む姿に貰い泣きしてしまいました。髪を乱して涙で顔をぐちゃぐちゃにして必死に頭を下げる姿も、手術前に京都弁で母親に話しかける時の祈るような表情も、母親への深い愛情が伝わってきて胸にくるものがありました。事務所に戻ってきた時の憑きものが落ちたような穏やかな表情も、母親と向き合い、過去を乗り越えることが出来たんだなと感じられて良かったです。

いつもこの子の涙にやられてしまう。今回は具合の悪くなってしまったお母さんのためにお医者さんに必死に手術を頼むシーン、緊迫感があり絶対に死んでほしくない気持ちがすごく伝わる。なりふり構わず顔を真っ赤にして泣くところにもらい泣きだ。

与平を取り押さえるシーン、格好良かったです。ドタバタとした不慣れな感じがなくてスマートで鮮やかで、男性陣二人が余裕の表情でお任せしてる説得力がありました。教授と復学について話し合った時の無理に笑って明るく振舞ったり、一人になった時に静かに悔し涙を流す切なくてやるせない姿も良かった。強くて明るいだけではない令子の別の顔や辛い過去が垣間見れて、キャラクターにより深みが増したと思います。

前回の家事代行の時もそうだったけど、今回もすっかり福士の心を掴んで仲良くなってるところがさすが有能なアシスタント。連絡先交換のくだりもお茶目で面白かったです。香車のお通夜の席で遠慮なくお寿司を食べまくる腕白な姿も、事務所での日頃の貧乏っぷりが伝わってきて笑ってしまいました。

紗流の笑顔に一瞬うっかり見とれてしまったり、デレデレの朝永たちを呆れた冷たい視線で見ていたり、1000万の報酬に目がキラッとなったり、コロコロ変わる豊かな表情がとても良いですね。父親が殺されたことを実感して声を震わせる真琴に「あっちゃいけないと私も思う」と目を潤ませて心を寄せる姿も、元気で気が強いだけではない令子の優しい性格が感じられて良かったです。

バイクの後ろに朝永を乗せて颯爽と登場したり、秘書との格闘シーンがあったり、見た目の幼さと誰よりも強くて格好良い姿のギャップがキャラクターとして面白いし、ちゃんと様になってるのが良い。何でもはっきり言っちゃうところもさっぱりしていて気持ちが良いし、場の空気をシャキッと変えてくれるような溌溂とした雰囲気も良いと思います。

まだ若すぎるけどバイクにまたがる姿はかっこよくこのまま峰不二子路線に乗ってほしいななんて思った。本音をズバズバ言ったり遠慮のないタメ口に近い敬語だったりと荒っぽさもありつつ仕事はきっちりこなす。そのギャップがいいね。