ノーサイド・ゲーム

声が籠っていて台詞は聞き取りにくいし演技もそれほど上手くないですが、そんなの全く問題にならないくらい強い個性と魅力を発揮していてアストロズになくてはならない存在だったと思います。大柄で屈強なラガーマンの中で気弱そうで小柄な佐々はとりわけ目を引くし、そんな残念キャラの彼が休憩時間を惜しんでひたむきに努力を続ける姿や試合での生き生きとした活躍ぶりはストーリーをよりドラマティックに演出する効果を生んでいたと思います。見ているこちらも思わず笑ってしまうような、顔をくしゃっとさせる満面の笑顔もチャーミングで魅力的だったと思います。

このドラマの中で、彼の存在はとても大事だったと思います。
前半の仕事で失敗するシーンは本当にかっこ悪く見えたし、後半の見事なプレーや熱さは本当かっこ良く見え、どちらも本当の姿のようで、これが演技だと考えるとすごいなと感じます。
また、落語家なのにあの鍛えられたラグビー選手らしい体格、かなりトレーニングをされたのだろうなと感心しました。

彼は残念な選手として描かれてきた。彼の素振り、眼差し、発言はその演出に１００％応えている。
誰にも害を与えず、時としてムードメーカーとなる所は、同じお笑い界の出川哲郎に近い存在で、いないと何か寂しい存在とも言える。
多くの人は同じような境遇に会うと心が折れているでしょう。
「体育会系だから」という言葉で済まされがちですが、度が過ぎると「大人社会のいじめ」を描いてしまう結構微妙なラインを演じている。
ラグビー経験者なので当然かもしれませんが、ご自身の役回りを理解し、ラグビーを面白くしてくれていると思います。

いかにもいじられ役の風貌で、会社でも失敗、可哀想な役柄ですが、ラクビーのシーンでは経験者だったようで、すごく上手くてびっくりしました。実際は、落語家さんのようですが、演技も上手なので、役者としても細々と縁の下を支える脇役な感じで頑張って欲しいと思いました。

試合を見ながらコロコロ表情を変えて一喜一憂する姿が印象的で、控えもレギュラーも皆一丸となって戦っているんだという一体感を感じることが出来ました。チームを支える健気で一生懸命な姿をずっと見てきたので、大事なサイクロンズとの試合で大活躍する姿がよりキラキラ輝いて見えて感動しました。

佐々はキャラクター的に「残念な頑張り屋」というイメージが付いている。他の控え選手に比べ佐々の露出度は多いが、あまりに愚直な行動はラグビーの闇の部分（花形のレギュラーにはなれない人たちがいる）を映し出しているようでならない。佐々をラグビーで開花させる（本筋）ことがこのドラマの見どころでもあるが、そこに残るのはラグビーしかできない人というイメージ。会社への貢献という視点でも佐々を活躍させて欲しい。

「里村さんはアストロズの誇り」と語る時の熱い口調やキラキラした眼差し、君嶋に「君はアストロズに必要な人間だ」と言われた時のはにかんだような笑顔など、台詞まわしはお世辞にも上手いとは言えないけど、分かりやすい表情の変化が佐々の素直な性格を感じさせて良かったです。不器用だけどいつも一生懸命で熱くて、ラグビーとアストロズへの愛が伝わってくるところも好感度高いです。

林家正蔵の息子さんなんだね！初めて知りました。ラグビーに対しても仕事に対しても前向きで本気なのが伝わる演技ですごくいいなと思って見てます。要領は悪いかもしれないけど、何事も一生懸命やるのっていいよな、と思わせてくれる。小さいけど存在感ある！

小柄で可愛らしい雰囲気が残業を断れない佐々の気弱さや人の良さを感じさせます。いつもおどおどして自信なさげな表情をしていてどこか放っておけない雰囲気があり、浜畑がいつも残業を手伝ってあげるという設定にも説得力がありました。先輩に可愛がられそうな後輩っぽさがあって良かったです。