エンジェルフライト

松本さんって可愛らしいけど陰の魅力がある。しっとりとした中に、うっそりとした情念があるのがいいね。

凛子と母親の確執は根が深い。子どもの命の危険を黙殺することは、愛情以前に人殺しと言われても仕方がない。それでも何かを期待する娘と突き放す母。その葛藤のやりとりがひりひりする感じで演じられていました。

愛情は求めて与えられるものではなく、己が与えるか与えないかを決めるものなんだと痛感させられます。

とても素晴らしい演技でした。

複雑な親子関係に悩み抜いた凛子が母の遺体を処置しながら流した涙、ハラハラとこぼれ落ちる涙にはいろんな感情があるように思えた。泣くほどの愛情を持ってはいないながらも体の中から溢れる涙が印象的でした。本能的ななにかを感じました。

泣いたり怒ったり感情をむき出しにしてくるご遺族の前で身を硬くして気配をなるべく出さないように佇む凛子。人の死に立ち会うことが少ない世の中で特殊な世界に飛び込んだ新人らしい反応だった。怖いけど辛いけど逃げない、強さがあって良かったです。

まだ何者でもないけど何かあるはず！と伊沢に振り回されながらもついていく凛子。おとなしそうで負けちゃうかな？と思いつつも直向きなキャラは力強く光っていました。まだまだ振り回されっぱなしだけど何かを掴んでいくのではないかと希望が持てます。