遙かなる山の呼び声

よい

耕作さんが妙な意地を張ったりせずに、民子さんの思いを素直にちゃんと受け止めて、二人が幸せになれる未来を選択してくれてホッとしました。古き良き時代的な、心が温かくなるようなストーリーでした。

民子は刑務所に送った手紙の返事がないからと諦めた。森山はこんな俺に同情してくれただけだと民子を諦めた。どこまでも綺麗な物語。出所したときいて諦めきれないから情報通の虻田さんに探させるとかしないであくまで自然な形で再会するのもなんかいいよね。そして民子に甘えるのではなくあくまでも自分なんかと下手に出る男のいじらしさと生真面目さ。やっぱりどこまでも古き良き時代の日本人の良さが詰まっていると思った。いいとこだけ詰めた感じもするけれど失われないでほしいところでもあるなと思った。

武の様子が、小学生の頃とは全く違ってどことなく危うくてセンシティブな感じだけど、この５年の間に何かあったのかな。耕作と偶然再会できたことが、武にも耕作にも幸せの兆しになるといいけど。中標津の美しい自然が、ドラマに一層情感を与えてるホントに素敵な作品。

あれから5年、ずっと民子1人であれだけの牧場をやれていたことが奇跡に見える。あの子には音楽の才能があると思うのは勝手だけど、おばさんが言うように少しは家の手伝いもしてほしいと思っちゃうよね。っていうか5年経ったらタケシがすごく個性的な子というか発達障害っぽく変わっててびっくり。以前は普通の子だったよね？その土地にこだわって必死に生きている民子を見ていると早く助けてあげて！と思ってしまう。自分なんてというのは捨てて早く森山さんが来てくれるといいな。

名作を演じられる役者さんたちの素晴らしい演技に、拍手‼️

さすがNHK、さすが山田洋次監督。名前も知らない流れ者が居ついて家族のようになった頃に犯罪者だったことが発覚、それでも待っていると涙する女性。うん、山田ワールド全開、そして設定が古い。ただこういうドラマが好きな層もいるから案外需要はあるかなと思いました。突拍子もないことは起きないし、出てくるキャストの言葉遣いは丁寧だしなんか正座してみたくなる清々しさがある。当たり前のことを丁寧にする人々。古き良き時代の日本人がそこにいる。