五十嵐夫妻は偽装他人

今どきのクールな無関心男子と思わせての真尋のことが放っておけなくてグイグイくる感じのギャップが良かった。最後には水と油かと思われた林さんとも息ぴったりでこの先何かあるかもとワクワク。スピンオフ見たいなー。

真尋に振られるシーン、目がどんどん潤んでいったり眉間に皺を寄せたり、見てるこちらまで胸が痛くなるくらい、瀬戸の苦しさが伝わってくる表情がとても良かったです。「いやだ」って言葉もつい出てしまった本心だろうに、困らせないように笑って冗談めかす姿が健気だったし、3秒きっちり数えてハグするのも、自分の想いより真尋を第一に考える瀬戸らしくて切なかったです。

真尋の影響でチョコミントドリンクにハマってるのも、美羽に「ただの乙女」って言われた時の口を一文字にした何とも言えない表情も、普段のクールなキャラとギャップがあって可愛らしかったです。直人に宣戦布告するシーンも、静かだけど確かな熱さが感じられて格好良かった。「もう俺にしませんか？」っていう台詞も、そんなに辛くてしんどいなら自分が守りたい、傍にいたいっていう瀬戸の想いの深さと強さを感じさせて印象に残りました。

真尋がため息が苦手なことを直人に教えるシーンが瀬戸らしくて切なかったです。自分の想いを成就させることよりも、真尋の幸せ、彼女が望むことを第一に考えて行動する姿が、初めて本気で好きになった人っていう説得力を持たせているのも良いですね。前回の出来事を経て林とご飯に行く仲になってるのも、純愛ぶりをツッコまれて咽てる姿も可愛らしかったです。

林のおばあちゃんを見つけるシーンが良かった。おばあちゃんの横にちょこんと座って買ってもらったアイスを嬉しそうに食べている姿が孫みたいで可愛くて、以前取引先の社長とのやりとりで見せた意外な人懐っこさやコミュ力の高さを思い出しました。面倒臭いのが嫌いなのに、おばあちゃん捜しを手伝ったり、真尋と林の母のやりとりに応戦したり、低体温男子から少しずつ変化しているけど、それがとても自然で唐突に見えないところも良かったし、真尋の影響を受けてるんだなあって伝わってきてちょっと切なくもなりました。

前にドラマで野球やってた子だよね？随分と体も大きくなって大人っぽくなったこと。と親戚のおばちゃんのように見ています。真尋さんのことが気になって仕方がないけど、自分の好きにできる相手じゃないことを知っているジレンマに惹かれます。瀬戸くんが報われてほしいとさえ思ってしまいます。

真尋に自覚を持つよう忠告するシーン、グッと近づけた顔や最後ラムネを手に取る時の眼差しが切なげで苦しそうで、瀬戸自身が自覚してるよりもずっと真尋への想いが大きくなっているのが伝わってきました。直人に「会沢さんに惚れてると思ったからです」と答える姿も、淡々とした表情と口調で感情が読めず、牽制、宣戦布告、単なる報告、どれとでも取れそうな雰囲気があり、次回の展開をよりハラハラドキドキ盛り上げていて良かったと思います。

いつも低体温なのに会沢さんのことになると熱くなっちゃうところにきゅんとします。瀬戸くんの中にも熱くなることがあるんだと思うと嬉しくなる。林さんに向けた笑顔は精一杯の外向きで頑張ってるなと思った。そのいじらしさが伝わりにくいのも瀬戸くんの魅力ですね。

「あの人が一番面倒くさい」と真尋を思い出してる時の切なそうな顔や、強がる彼女を遠くから見つめるもどかしげな姿、笑顔の真尋を目にした時の嬉しそうな優しい眼差し、「好き」って口にはしないし、本人も恋愛感情を自覚してないっぽいけど、表情や目線から真尋への想いが滲み出ているところが良いですね。穏やかで言葉数も少ないけど、心の動きがしっかり伝わる丁寧で繊細な演技がとても良いと思います。

真尋を心配して彼女のために色々動いて気遣ってるけど、何でそこまでするのか、自分でもよく分かってなさそうな空気を醸し出すのが上手いですね。気持ちは自覚してないけど体が動いてしまう感じが良い。真尋が過呼吸を起こした時の落ち着いた呼びかけや優しく背中を擦る姿も印象的で、言葉に出さなくても彼女を大切に思っていることが伝わってきて良かったと思います。

まひろの件で直人に意見する時どんどん怒りがヒートアップしていくところがかっこよかった。まひろへの思いも当然あると思うけど、上司や会社に対する不甲斐なさを責めるようなところもあり反骨精神が見えてかっこいいなと思った。

真尋を庇うシーン、めちゃくちゃ格好良かったです。普段はクールで淡々としてるから、よりその熱さが際立って、本気で怒って心配しているのが伝わってくる。わざわざ割引シールを貼り変えてプリンをあげたり、お礼を言われると目が泳いだり、耳が真っ赤になってたり、心配して話を立ち聞きしていたことをバラされた時は「マジ無いっす」って早口で捲し立てて否定したり、真尋のこと気になってるんだろうなあって伝わってくる不器用でチャーミングな姿もとても良かったです。

無邪気な真尋に思わず見とれてしまったり、ふわっと優しい笑顔になったり、別れたあとも振り返って後ろ姿を見つめてしまったり、表情や空気感だけで真尋のことが気になってるんだなあって伝わってくるのが良かったです。本人も気付いていないくらい、そっと芽生えてる感じが瀬戸らしくてほっこりします。

落ち込んでる真尋が気になって何度も見てしまったり、心配で残業のフリをして帰りを待っていたり、あきらかに真尋を意識しているのに、本人は「何してんだろう」って小首傾げて自分の気持ちの変化に気付いていない感じが、マイペースで掴みどころのない瀬戸らしくて良かったです。フワフワゆったりとした独特な空気感がドラマの良いアクセントになっていると思います。

溜息をネガティブに捉える真尋に「溜息にも色々ある」と諭したり、取引先の年配の方とも気さくに話して間を取り持ってくれたり、クールでマイペースというだけではない一面が垣間見れて親近感が沸きました。真尋と握手した後の反応も初々しくて可愛らしかったです。

常に淡々としていて無表情だったり、自分が面倒な目に遭わないために真尋のミスをカバーしたり、飲み会では煩いのが苦手なのか耳を塞いでいたり、出番は少なかったけど瀬戸のマイペースさや効率重視な性格が伝わる演技が良かったです。クールな感じで愛想がないけど、醸し出す空気が穏やかで棘がなく、ただの生意気で感じが悪い人に見えないところも良かったと思います。