日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった

不幸な生い立ちから自己犠牲のかたまりみたいになってしまっている正助くん。自己肯定感低めだからこその人に尽くして喜びを得るみたいなところが見えて切なくなる。一平の図々しさとのバランスが絶妙でいいバディに成長していると思う。

一平に利用されたことを怒り家が決まったら出ていきますと言った時はキリッとして怖かったのに翌朝は子供達がいるから戦闘モードはおやすみ。夫婦喧嘩みたい。子供達へのストレスになることはしない正助らしさが出ていました。

テキパキといろんな子供の世話をしながら投げかけられるいろんな要望にも笑顔で応えるところが保育士さんだなと思った。そして自分の家族を守る時にはいつもの柔和さが消えてキリッとした顔つきになるのもいいよね。父親として守るべきものを大事にしているのが伝わってきます。

正助は実に微妙な立場というか、生い立ちなんですね。なのにも関わらず、この正しさ。おそらく一平の不真面目さを良い意味で吸収し、人として成長していくキャラなのだろうと思います。

志尊さんの芝居ですが、優し気であり、マメだけど鷹揚さもあり、とにかくしっかりしている。でもいつか壊れてしまいそうな危うさも感じさせます。頑張り過ぎる者のもろさみたいな部分が伝わる演技です。とてもよい芝居をしているなと思います。

ひまりに対してすごく気を遣っていたのは実の子じゃないからか。それは分かったけど全体的に繊細すぎるというか綺麗すぎる。自分の全部を犠牲にして子育てに全振りは分かるんだけど子育てってあんなに優しさだけじゃできないと思う。

同性同士のカップルがいることを子供たちの質問にどう答えるべきが考えているところなど丁寧に子育てしているなーと感心する。なあなあにしないで向き合っているところがいいよね。ひまりにもあさひにも優しい声がけが癒される。

もう表情だけで育児に悪戦苦闘しながら頑張っている姿が伝わってきてよかった。座長がポンコツなのでなんとかカバーしてあげて欲しい。

子役さんたちとの距離が親子そのもので若いけどパパが結構しっくりきていたことに驚いた。親子3人の時間はとても楽しく穏やかで一平の入る余地がない。これが他人と家族の違いかと少し寂しくなるほど3人が馴染んで見えた。