シッコウ!!～犬と私と執行官～

犬がいるから少しは存在感を示しているだけな気がします。犬がいなければ全く存在感なし、主役より脇にまわった方がいい味が出ることも
演技もあまり変わりがありません

執行官という仕事をどう捉えているのか、どんな気づきを得て何故執行官を目指そうと思ったのか、小原たちに力説する熱くて一生懸命な姿が吉野の本気度を感じさせて良かったです。執行が中止になって落ち込んでる小原に喝を入れたり、執行官の夢を応援すると言われて小原の手を取って大喜びする姿も、性別や年齢差を感じさせない遠慮のなさと距離の近さがあって、二人の間にちゃんと友情が成立しているのが伝わってくるところも良かったと思います。

ただの犬好きの女の子が法律に興味を持って、執行という仕事に興味を持って…という内容には、とんでもなく普通な雰囲気の沙莉さんがぴったりで、同じ目線で興味を持って見れました。

伊藤さんは明るさと暗さがうまく同居しているような、独特の雰囲気を持っている女優さんです。このドラマでは最初、小原に振り回されて困惑する雰囲気がよく出ていたし、執行官の仕事を補助するうちに、次第に人と触れ合うよりも犬と触れ合う方が好きだった彼女が、少しずつ変化して行きます。その変化の過程と葛藤がよく伝わってくる演技でした。織田さんとのコンビも距離感がうまく、恋愛ではなく、あくまで仕事を通してのリスペクトだとわかります。全体を通して良い演技だったと思います。

この人、主役にこだわる意味あるんかな。

この子が主役って思えないところがなんとも残念。その存在感のなさは犬のかわいい要素を入れないと伊藤さんの地味さをカバーできないと思ったのでは？と思うほど。その地味でひたむきってところが良さなんだと思うけど活かしきれていないのが残念。

主役の存在感なさすぎ

小原からのプレゼントをワクワクした表情で開けている姿が可愛かった。凄く嬉しそうに興味深げに貰った本を眺める姿も子供みたいで、この笑顔を小原にも見せてあげたかったなって思いました。困っている杏奈の力になりたいと奔走する姿も、杏奈にひととき融資を持ちかけた男を撃退する勇ましい姿も、誰かの力になりたいという吉野の思いの強さが伝わってきて、頼もしくて格好良かったです。

素人代表って形で見ている私たちとプロの執行官の橋渡し的な役割を担っているんだと思うけど、考えこむ芝居が多くてちょっと鈍臭くなってしまっていると思う。いつまでも引っかかって前に進まない感じが見ていて疲れます。

イマイチ会話のテンポが遅くて見ていて楽しくないしピンとこない。伊藤沙莉ちゃんの良さも゙出てない気がする。その分織田さんの存在感が際立って、やっぱり主役は織田裕二!って感じがしてしまう。脚本とか演出とかの問題かな?

土山に絡まれる小原を助けるシーン、吉野の勇敢さと頭の回転の速さが感じられてすごく頼もしかったです。防犯アプリを使うというおじさんの小原には思いつかない方法を取るところも二人の凸凹コンビっぷりが際立っていて良かった。法律のことが学びたい、教えて欲しいと小原に頼む時の真っすぐな眼差しや真摯な表情も、法律を勉強してもっと誰かの役に立ちたいという吉野の真剣な思いが伝わってきて良かったと思います。

周りに人が沢山いる喫茶店で激昂する、エキセントリックな長窪の母親に「良い大人だし自分のことは自分で決めて良いのでは？」と控えめながらもしっかり意見する姿が吉野の成長を感じさせました。度胸がついて精神的に強くなったというか、伊達に何度も修羅場同然の執行現場に同行してないなって説得力がありました。犬担当だけでなく、孫の真琴ちゃんと3時間もお喋りして彼女の思いに寄り添ったり、家を出ていく時も荷物運びを手伝ったり、自分は無力だって嘆きつつも、その都度出来ることを見つけていつも一生懸命な姿も素敵で、応援したくなります。

SNSのID交換のやり方が分からない小原を手伝ってあげたり、小原たちを走って追いかけようとするけど病院の廊下だと思い直して慌ててスピードダウンしたり、何気ない仕草ややりとりで吉野の真面目さや人柄の良さを表現しているのが良いですね。補助者の費用が出なくても全く気にせず「水臭いですよ、友達なんだから」と小原に付き添うところも、小原との不思議な友情や信頼関係が感じられて良かったです。

小原とのやりとりに遠慮がなくなってきて、ポンポンとテンポよく続くやりとりが楽しいです。山家の苦労話や愚痴を親身になって聞いてあげたり、母子家庭だった自分の経験を踏まえて「３日に１回のありがとう」をお勧めしたり、下手に慰めたりせず相手の気持ちに寄り添う姿が優しい吉野らしくて素敵で、ワンコ要員じゃなくても十分戦力になるという説得力を感じさせたのも良かったと思います。

悩める姿も、わんこを見てキュンキュンしている姿も、なんというか等身大という感じがして。こういう自然な演技って意外と難しいんじゃないのかなと思って見ています。

鼻をクンクンさせて犬の気配の有無を察知しようとしたり、金庫部長に足を踏まれた時もメインの芝居の後ろでずっと痛がっていたり、前の様子が見えない時は背伸びしたりキョロキョロ顔の位置を変えて何とか覗こうとしていたり、台詞がないシーンでのちょこまかした細やかで丁寧な演技がとても自然で可愛らしいところが良いですね。執行の現場に同行して感情がぶつかり合う場面を何度も体験するごとに、表情がどんどん辛くしんどそうなものに変わっていく姿も、ひかりの優しい性格や執行官という仕事の過酷さが伝わってきて良かったです。

執行する人とされる人がいれば成り立つ話の中で1番余計なキャラにもなるのに、1番中心でみんなの拠り所になっているから不思議。ピリついた場面でもひかりの一言で持ち直したり、笑顔がみんなを癒したりしています。犬だけじゃなく人間にも好かれるでしょう。

コロコロ変わる豊かな表情がチャーミングで、台詞がないシーンでも吉野の感情がしっかり伝わってくるところが良いですね。轟木の態度に爆発寸前の小原を「もう2万円も返ってきてる、あと367回やれば勝ちです」と言って宥めるシーンもただの気休めには聞こえない本気っぽさがあって、吉野の前向きでめげない性格が感じられて良かったと思います。

小原の言動や行動に眉間に皺寄せて怪しんでいたり、ツッコミ入れたり、大声で叫んで驚いたり、ワンちゃんを前にした時の蕩けそうな笑顔だったり、喜怒哀楽すべて表に出ちゃう感じが、ひかりの素直さや真っすぐな性格を感じさせて良かったです。声が低く落ち着いているので、ギャーギャー喚く台詞が耳障りじゃないところも良い。織田さん演じる小原とのやりとりもテンポが良くて見応えがあったので、癖が強く個性的な執行官役の俳優さんたちとどんな芝居を見せてくれるのかすごく楽しみです。

童顔で犬を抱っこしている様子はいかにも素人っぽく、一般人ひかりとしての見方ができていて良かったと思います。それでも私は、とちゃんと意見が言えるひかりは頼もしい。ごく普通の目線を大切にしながら執行官のお手伝いをしていくのかなと思うとワクワクする。