シッコウ!!～犬と私と執行官～

長窪の身の上話を親身になって聞く姿や「色んな人がいて、色んな事情がある」って執行現場の人々になぞってさりげなく長窪に寄り添う姿が須賀川の優しさや人間の大きさを感じさせました。踏み込み過ぎず、程よい距離感で相手に寄り添うところが格好良いです。喫茶店で料理を持ってくる時の得意げな表情も、味に自信ありって顔に書いてあるようで、その素直さもチャーミングで素敵だなと思います。

クリニックのレビューを栗橋たちと冷やかし気味に楽しそうに見てる姿が、立会人の時の寡黙な姿とギャップがあって良かったです。辛辣なレビューを悪そうな笑顔で読んだり、口数も多くて表情も豊かだし、喫茶店に出ている時の方が素の須賀川さんなのかなあって親近感がわきました。

モロさんがいると途端に人情劇っぽくなるから不思議だ。奪い取りに行くような執行もこの人がいればマイルドにしてくれる。あくまでやるべきことはやるんだけれど、執行される側に寄り添う場面も見られて安心できる。

吉野の表情の変化に気付いて「どうしたの？」と気にかけてあげたり、吉野と母親の思い出話を楽しそうに聞いてあげたり、台詞は少ないんだけど佇まいや話し方で須賀川の穏やかで優しい人柄が伝わってくるところが良かったです。極力余計な口を挟まず、何があっても表情を変えずに静観している姿も、中立な立場を遵守する立会人としてのプロ意識が感じられました。

轟木の動画撮影中、織田さんたちのメイン芝居の後ろでちょいちょいカメラを意識して目線を送る姿が面白かったです。照れ臭いけどちょっと映りたいみたいな、意外とミーハーな一面が垣間見れて可愛らしかったです。美味しそうに自作のナポリタンを食べる吉野を嬉しそうに眺めていたり、味付けのポイントを得意げに教えてあげたり、口数は少なくてシャイだけど優しくてチャーミングな人柄が伝わってくる演技がとても良かったと思います。