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脚本・ストーリー 4.5 /5.0(89.2%) | 74位 /1087件中 |
キャスト 4.6 /5.0(91.4%) | 141位 /1087件中 |
演出 4.5 /5.0(89.2%) | 82位 /1086件中 |
音楽 4.5 /5.0(89.8%) | 52位 /1087件中 |
感動 4.5 /5.0(89.4%) | 29位 /1082件中 |
笑い 3.9 /5.0(78%) | 129位 /1082件中 |
スリル・興奮 4.3 /5.0(86.8%) | 62位 /1079件中 |
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キャスト 4.6 /5.0(91.4%) | 141位 /1087件中 |
演出 4.5 /5.0(89.2%) | 82位 /1086件中 |
音楽 4.5 /5.0(89.8%) | 52位 /1087件中 |
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笑い 3.9 /5.0(78%) | 129位 /1082件中 |
スリル・興奮 4.3 /5.0(86.8%) | 62位 /1079件中 |
寅子の判断と心意気は素晴らしい。今では皆が当たり前のように思っている憲法14条の法の下の平等も、1947年の憲法施行までは存在しなかった(現実にはサンフランシスコ講和条約発効の1952年まで日本は独立国とは言えないけどね)わけで、自分たちの祖父母くらいの世代に平等はなかったと考えると、寅子の家族会議での言葉は、ある意味ですべての市民に向けての言葉だと考えていい。ドラマで新聞を読んでいたのはほとんどが女性。新しい時代を象徴する描き方でした。
あー今日の回だけは朝見なくて良かった、朝見てたら号泣で会社に行けないわ。無表情に近い寅子を心配していました。だからやっと泣けて良かった。帰ってきてほしかったと言えて良かった。悲しむ時はちゃんと悲しまないとダメなんだよね。それからようやく立ち直るためのスタートラインに立てるんだと思う。お守りだけの帰還にも泣けました。どこにいても優しい優三さんで泣けました。1話の新聞を読みながらの涙はこの涙だったのかと思うと感慨深いものがありました。
お母さんも花ちゃんもどうにも辛い時はプチ贅沢して心が粉々に砕けないように頑張って来たんだな。それを生活するのも生きていくのも大変な時に寅ちゃんに勧めるお母さんの優しさ、懐の深さ。お金を払ったけれど食べずに退席した寅ちゃんを追いかけて包んだ焼き鳥を渡してくれた女性も優しい。決して治安が良い時代じゃないけれど、一目見て寅子の抱える辛さや生気の無さを感じ取ったんだろうな。河原でやっと優三との思い出と共に泣くことができた寅ちゃん。辛さが変わる訳じゃないけれど、涙は心のビタミンだし、これで少しは前に進めるね。
号泣して哀しみや弱音を全部吐き出すというのも、時に必要なことがあります。人間はいつだってインプットとアウトプットのバランスがあって、前者だけだと壊れてしまうし、後者だけだと空っぽになる。娘や弟のためにも、ここで奮起して弁護士として出直す前に、心にある澱を吐き出す必要があねのでしょう。それを察してか母親の慧眼はさすがというか、当時の女性たちの心労を感じます。日本の戦後の復興はこういう女性たちの縁の下での踏ん張りも大きかったのだと、肝に銘じるべきですね。
直道、優三に続いて3人目の死者が出ました。ただ自分のこれまでの行いで悔いるところは悔いて、謝るところは謝ってみんなのそばで死ねる。畳の上で死ぬと言うことはこういうことなのだと改めて思う。それを思うと直道や優三の死がより悲しく映りますね。それにしても花岡と結婚してほしかったとはぶっちゃけすぎだろう。あの世で会う優三にどんな顔をするのだろうか。でも人前でもちゃんと寅子のことを褒めてかわいい、宝物だ、とちゃんと言葉にしてくれるお父さんって素敵だな。
直言も亡くなったか。すべてにおいて正しい人間なんていないし、正しくあろうとしてもうまくいかないこともある。そもそも正しさなんて、人によっても、時代によっても、状況によっても違う。直言という人は、時々そういう人間らしい失敗や間違いをおかしてきてはいるけど、愛すべき人だったなと思う。朝ドラにはダメ男がよく出てくるけど、この家の男たちは皆、優しくていい連中だった。そうであるのは家長の直言の人柄のおかげという面はある筈。いろいろ悲しいけど寅子は家族に恵まれたと胸を張っていい。
直言は言葉では寅子が倒れたら家族が困ると言っていたけれど、宝であり誇りでもある寅子を傷つけるだろう通知をただ無いことにしたかったんじゃないかな。でも花江の言うようにちゃんと隠していたことで起こったわだかまりを生きている間に解消するべきだ。2人ともちゃんと生きているのだから。やはりこのことを言えるのは花江しかいないと思う。本当に花江がいて良かったと思う。結局、寅子らしい怒りとかは見られなかったけれど、今まで直言を思う時どうして伝えられなかったのかが分かったからなんだろうなと思う。
銀行のお偉いさんから工場の社長になっていい暮らしをしていただろうにたった数年でこんなに貧乏になるってあるのかね?辞める従業員たちにたくさんお金を出したのかな?そこだけが腑に落ちない。そして直道の死は伝えたのに優三の死を伝えなかったことにも納得がいかない。もうこれ以上家族の悲しむ顔を見たくなかったのが本音かな?そんな中でも弟は頼もしく成長してるね。寅子も思ったことをすぐに口に出さなくなったのは成長かも。大人になったのかもね。
直明くんが帰ってきたのは嬉しいけれど、帝大へ行くのを諦めて働いているのを見るのは寅子も辛いだろう。家族のもとへ帰るために本を売り払って切符を買った。きっとその時にたくさん葛藤して自分なりの結論を出して覚悟したんだろうね。お兄さんが亡くなってしまった今、自分が家族を支えるというのはとても自然なことで。でも無理をしている。勉強が好きで活字も大好き。そりゃ寅子の弟だもんね。優三の消息がわからなかったのは戦後の混乱の中での復員が遅れているということではなくて、お父さんが死亡通知を隠していたのか。ずっと隠しているつもりだったのだろうか。
戦後の混乱期、なかなか弁護士復帰というのは厳しかっただろうね。闇米は普通だし、闇市もなければ困る。とにかく法律よりも世渡りが大事という時代。直明が進学を諦めたのは可哀想だったけど、この頃に中学生くらいだと働き手として必要だから、大学どころか中学校すらほぼ通っていない人も山ほどにいた。それから比べれば学べる時代があった分、幸せとも言える。そして直言が隠していたものが発覚。優三は戦病死してましたか。直言としても直道の戦死もあったし、寅子には知らせにくかったんだろうね。でも、でも、という気がします。
直道が死んでしまった。最後までどこでどんなふうに戦って死んだのかさえ分からず、あっちの方で死にましたみたいなことを紙切れ一枚で知らせてくる。なんと非情な世の中だろう。生前の直道からの手紙は炊事当番の話。戦場にいながらも花江やお母さんの苦労に思いを馳せる優しい人柄が滲み出ていた。ここにも回想シーンはない。ないからこそ想像できない悔しさがあって良かったと思う。カフェのマスターとよねさんの安否も不明。世の中行方不明者ばかりだったんだろうな。
戦争はこういうものなんだって、最近のウクライナやガザ侵攻で思うことはあったけど、この国もそう遠くない過去にこういう時代があったことを忘れてはいけないね。本当に多くのものが失われる。まさかよねさんも、とは思わなかった。でもまだ彼女も空襲で亡くなったとは限らない。個人的には何とか生き残って、戦後にあのスーツ姿で弁護士として登場して欲しい。問題は優三。やはり寅子のモデルとなった人と同じ事態になるのかなあ。
直道夫婦は抱き合って別れ、寅子夫婦は泣き笑いで別れました。これが日本国中あったわけですよ。戦争とはなんなのでしょう。このまま帰ってこなかったらゆみはお父さんの顔を知らないで育つのでしょう。不憫です。河原シーンもよかったです。出征までの短い時間にできるだけの感謝の気持ちと持ちきれない愛情を交換するようで相手を思いやる気持ちに泣けました。変顔で別れたのも相手に笑っていてほしい、幸せであれという願いでしょう。素敵な夫婦、これで見納めは嫌だな。
優三さんにとって一番大切なものは寅子や優未たち家族であって、だから寅子が謝るのは違ったのだろう。プロポーズの時にも初夜にも言っていたけれど、寅子のことが好きで諦めたけれど誰でも良いならというものだったから、寅子が寅子らしく何かに夢中になってキラキラしているのを一番の特等席で見ていられることが一番の幸せだったのだろうと思う。大好きな人と一緒に笑顔を見ながらふたりで美味しいものを分けて食べる。平和な今でも一番幸せを感じられる場面だと思う。そこで交わされた会話が遺言のように聞こえてしまうのが悲しいけれど、きっと優三さんが一番望んでいることなのだろう。
優三も召集か。まあそうなるよね。本当に優三はいい奴で優しい人だ。寅子は最初は打算のつもりでも、これでよかったんだと思う。彼と結婚したことで、子どもも生まれ、様々な愛を知った。それは戦後になって弁護士に復帰しようという時、必ず自分の役に、そして弁護を依頼してくる人の役にも立つものになるに違いない。それにしても出征した男たちが全員無事なんてことはないだろうなあ。みんな良い奴らだから生き残ってほしいけど、戦争の時代だって今の時代だって、良い奴だから幸運とは限らない。ひとりでも多く、戻ってきて欲しいね。
よねさんの言葉は辛辣だったけど、根底には寂しさがあったんじゃないかな。自分なりに寅子の一番の味方でいたかったし、そうだと思っていたのに大事なことは何一つ言ってくれないんだもの。そりゃ拗ねるよ。行けども行けども地獄だったと寅子は言っていたけれど、本当にそうなのかな?今はちょっと疲れちゃっただけだと思う。朝ドラでは珍しいナレ出産をした寅子。生理はあそこまで強調したのに出産はサラッとなんだと思うと言いたいことが分からないなと思った。
始まって3分で泣かされた。婦人部のタスキをかけていたって心の中までは侵されない、花江の大好き!が沁みました。直道も轟も赤紙が来たということは優三も花岡も同じ運命になるでしょう。男がいなくなるから女が表に出るようになるとはなんとも皮肉なものですね。寅子はもう私しかいないんだ!と思い詰められるのも、仲間思いで後輩思いだからいろんなものを背負ってしまうのでしょう。そんな状態だからこそ穂高の言葉が癇に障ったのだと思います。お腹の子を理由に思い切り怒ることもできないなんて、女ってなんだかなーです。
直道、そして轟にも召集令状が来ました。いずれ優三にも届くのでしょうね。できるだけ多くの人が生き残ってくれると嬉しいのだけど。寅子が責任と孤独に押しつぶされそうになり、穂高にまで噛みつきたくなる気持ちもわからないではない。でもそれはやはり自身の覚悟が足りていないからだと思う。そもそも逆境に耐えてみせるとこの道に飛び込んだのだし、結婚も妊娠も納得してのことの筈。それらはすべて久保田たちとは関係ない、自分の責任なのでは?少なくとも道は常に真っ直ぐじゃない。回り道してでも先に進むことを考えて欲しいですね。
優三は優しいし、良い事を言う。ちゃんと信頼関係を築ける結婚になって、寅子にとっては最高の伴侶だと思います。久保田の言うこともわかるけど、世の中、這ってでもリタイアせずに続けた者だけがゴールテープを切れる。だから彼女が愚痴を吐くのは構わないけど、こういう結論めいたことを言う資格はないと思う。女性ひとりになってしまった寅子だけど、自分ひとりが背負う必要はない。男とか女以前に自分を頼りにする人を助けられればいい。そのうちきっと後輩が追いついてくるはずだから。
新人弁護士が調書を深く読まないってことあるのかね。しかも女性なら妊娠の知識は男性よりあるはず。あれじゃ依頼人の話を世間話程度に聞いていつもの弱い女性のために!って正義感だけで動いちゃったってことになるよね。もっと客観的になれないと弁護士は勤まらない。そういう視野の狭さが若いからとか未婚だからとかで敬遠された大元のような気がする。ただ負けたお爺さんは悔しいだろうけど結果的には血のつながっていない子供を養育することがなかったんだから結果は良かったのかな。
優三さんは寅子の真の理解者なんだなと思う。寅子の良い所も悪い所も、危なっかしい所も本当に良くわかっている。何もかも欲しいものを手に入れたように見える寅子だけれど、それは優三の自己犠牲の上に立っていることは寅子も気づいていそうで、そのことに対してこれから答えを出すのだろうと思う。いつの時代も自分の属性に近い人を利用して良い結果を手に入れようとする人たちがいて、それはだいたい一般的に弱者と言われる人たちの間で起こりがちだから見ていて本当に悲しい。現代でも留学先で同胞に…とか良くある話で。強かと言えばそれまでだけれど、なんともやり切れない悲しみを感じる。これを経て寅子はどう変わっていくのだろう。それとも変わらないのだろうか。
弁護士が相手だからって、依頼人がすべて本当のことを話すとは限らないし、たとえ真実を知ったところで、弁護士はその人を裁く立場でもない。理想論はどうあれ、現実問題として弁護士は弱者の味方とか真実の探求者ではなく、単に依頼人の権利や利益を守る代弁者にすぎないことは理解しておくべきだね。まあ結果論だけど、おじいさん側としても他人の子を孫として育てることにはならなかったし、ある意味で収まるところに収まった感じだと思うけど。姦通罪があった時代だから、当時は犯罪行為ではあるものの、今ならたまに聞く話。そう考えると依頼人は当時は悪女だけど、今だったらそう言いきれるだろうかという問題提起でもある。もちろん今だって褒められたことじゃないけどね。
寅子は本当に恋愛感情にうといなあ。戸惑いはわかるけど、「はて」とかばかり言ってないで、恋愛感情以前に人として、少なくとも優三が好いてくれていることにもっと素直に反応しても良いと思う。そしてよねの気持ちもわからないではない。でも結婚して弱くなる部分もあるけど、逆に強くなることも間違いなくある。それはかつての学友だった梅子を知っている二人なら理解しないとね。結婚して弁護が任されたのは単なるめぐり合わせ。それ以前におどおどしている自信無さげな姿を見れば、誰も弁護を頼みたくはない。何でもかんでも結婚と結びつけない方がいい。
よねも轟も本当に優しい人たち。花岡が自分のことだけではなくて寅子の夢を最大限大切にしたうえでの結論だということで、さすがによねも罵倒できず立ち去った。話し合いをすれば、どちらかが自分の夢を少しは譲歩しなければならないだろう。それでも本当にそれで幸せか?と問うた轟は真の友なんだな。一方の寅子は後添えの口すら断られ地獄の真っただ中、真綿で首を絞められるとは穏やかではないが良くわかる表現だ。優三の精一杯のプロポーズには、とってもコミカルなのに思わず良くやったと拍手してしまった。
この状況ならどう考えても優三がベストチョイスでしょう。鈍感な寅子はわかってないけど、間違いなく彼女のことが好きだし、同じく法律を学んでいたから弁護士活動にも理解がある。同じ屋根の下で暮らしていたのだから、互いの人柄は十分にわかっているし、彼女の家族とも仲良くやれる。むしろなぜ誰も考えつかなかったのかと思ってしまいます。まあそこはドラマだからかww。高学歴女子の婚活は今も昔も大変みたいだけど、個人的にはそれが不思議。パートナーは頭が良い方が絶対に良いのにねえ。
あの食事からどのくらい時が流れたのか分からないから唐突に思えたけど、資格も取って一人前になって故郷に帰ったら結婚となるのもあの頃なら普通だろう。寅子はショックを受けたようだけど、あのままいい友達でいたいなんてのは甘すぎる。お勉強はできたかもしれないけど世間の風は読めないようだ。女性より男性とまでは思わないけど、やっぱり人生がかかった弁護ならそれなりの人生経験のある人に頼みたいと思うのは普通ではないか?その経験値を上げるための結婚‥なんだか上から目線だな。
今の感覚だと、「おい、花岡」とツッコミたくなるけど、当時としたらエリートコースに乗った彼を放ってはおかないよね。まあ良い男ほど早く結婚するというのは、つい最近まで当たり前のことだったし。かつては残り物には福がある、なんてほとんどなかった。未婚が信用されないというのも、昭和にはあった。でもだからといって寅子も手のひらを返して結婚っていうのはどうなんだろう?どうしてもというなら優三がいいんじゃないの。気心も知れてるし、悪い男じゃないから。轟も悪くない。それとも新キャラの登場なのかな?
よねの言う通り花岡との将来を願うのであれば佐賀へついて行くべきだった。花岡との将来と自分の夢を天秤にかけ、自分の夢を採ったのは寅子自身だ。稲の言う全てを手に入れることはできないという言葉が重みを増す。上手くいっていない弁護士の仕事が女の幸せと引き換えにできるくらいほどのものかという問いかけは、今の寅子には残酷だ。先を行く久保田が時代の流れに乗せられ、お飾りのように扱われている様子も余計に心に刺さっただろう。所帯を持って初めて一人前。それが男女ともにそういう価値観が大きかった時代。だからこその寅子の決意だと思う。
せっかくの2人きりの祝賀会だったのに、花岡さんは嬉しい気持ちよりも傷心の方が大きかったんじゃないのかな。寅子は天然のようでもあり、わざとそういう会話を避けているようでもあり。花岡は佐賀へ寅子についてきて欲しかったのじゃないのかな。でも寅子の思いも大切で。あんな風に自然にいろいろ語られてしまうと自分の思いなど引っ込んでしまったのだろう。せめて遅らせてあげて欲しかったな。短時間で3度ほど振られた気分だろう。本当に寅子はズルいと思ってしまう。そして、よねさんは花岡のこと好きだったのだろうか。少し意外な気もする。
気が利くひと握りの男だからこそ花岡は、寅子に告白しなかったんですね。相手の行動や気持ちが推し量れるから、彼女がどれだけ弁護士というものに人生をかけているかわかっている。それを捨てて、一緒に佐賀に行こうとは言えない優しさが、裏目に出ている。恋は多少盲目にならないとダメな面もあるからねえ。いずれにしても最初は酷かったけど、なかなか良い男でした。そして寅子ではなく男性弁護士を指名するクライアントが多いのも、時代的に仕方ないかな。そもそも裁判を起こそうという人は男性が多いわけだし、民事だと男の事情とか面子とかにこだわる人も多そうだからねえ。早く第一歩を踏み出せるといいけど。
一心不乱に正義の道を突き進む寅ちゃんには悪いが恋愛模様もそろそろ気になる。エリートの花岡さんが王道だろう。だけど今までいろんな感情を分け合ってきた家族のような優三さんも捨てがたい。そして大穴の轟さん。まぁ轟さんはないにしても花岡さんじゃ少しばかりつまらない気もするのだ。寅ちゃんには2枚目すぎるしね。ここはほんわかあったかな優三さんが似合っている気がするけどどうなのだろう。時代が少しづつ窮屈になる時代、早く恋をしないととせかしたくなってしまう。
自分が夢中になっていて話しても思ったような反応が返って来なくて、なんだかモヤモヤするのはとても良くわかる。優三さんがいなくなったことで寅子は自分の中のちょっとした思いを吐き出したり相談する相手がなくなった。そこに花岡が入ってくるのだろうか。2人だけで合格祝いをしたいと電話してくるなんて、何かしら意味があるんだろうけれど何だろう。あの時代だと好意を持つのと伴侶にするのは違う気がするから交際申込だとは思えないのだが。
知的感動を分かち合えない気持ちはよくわかります。家族の中でひとりだけ高学歴とかなると実際にそういうことが多々起こる。別に相手を差別するとか、見下げるという意味ではなく、単純に共有とか共感という問題なんだけど、学歴コンプレックスを刺激しやすい部分だから、結構デリケートな問題になったりするんだよね。その意味でも優三という同士みたいな相手がいなくなったのは寂しいだろうと思う。そして花岡の意味深なアプローチ。花岡は裁判官だからまず地方の判事だろうし、寅子はこれから弁護士として頑張るつもりだから、それを理解している花岡がプロポーズということはないと思うんだけど、良き思い出が出来るといいですね。
物語自体はいいものの時が経つのが早かったり遅かったりするのがたまにキズ。展開の速さにびっくりすることがある。とはいえ3人の女性弁護士が誕生したのは喜ばしいことです。試験の緊張に加え生理とも闘わなくてはいけないのに男子を凌駕するほどの成績を残さなくてはいけないなんて本当に大変。それを乗り越えた彼女たちには脱帽です。みんながお祝いムードの中でも寅子は冷静さを失わずちゃんと自分の言いたいことを述べることができる。これは活躍しちゃうだろうなと誰もが思いますよね。
トンチキか…この時代には男装した女性はもう居たし、川島芳子みたいにもてはやされた人もいたはずなのに男性たちの中での認識はそういうものだったということなのだろう。外から見るだけなら良いけれど、自分たちのテリトリーに入ってきたりするのには嫌悪する。よねさんのありのままが受け入れられるのはいつになるのだろう。ただ憎しみだけで弁護士になっても後で苦労しそうな気もするから良い機会なのかも。寅子の言葉を好意的に受け止めたのは結局のところ穂高先生と桂場と例の記者だけだった。合格してからも寅子は苦労しそうだな。
よねが落ちた理由は自分を曲げなかったことか。でもそれはむしろ正解だと思う。簡単に変節してしまうような人間ばかりが弁護士になんても困るのからね。日本人は西洋に顔を向けながら、心の中では自分たちの方が優れていると思い込んでいるのが、和魂洋才の正体だとも言える。だから制度として西洋並みに女性に門戸を開いても、実際には掛け声だけ。それは今も変わらない。だから寅子の記者に対する演説は、今の世の中でも通用する言葉だと思う。
受験できたみんなが揃って筆記試験に合格したまでは良かったけれど、よねさんと優三さんは口述試験に落ちた。桂場の言うこともよくわかる。最初の女性に問題が起こると、これだから女は~となって後続の道が途絶える。だからこそ女を選んでよかったと思わせるほどの圧倒的な力が必要なのだ。優三さんは寅子マジックを得ても届かなかったことで、やっとやり切れたと踏ん切りがついたのだろうな。合格との差は周りから見たら小さいけれど、本人にとっては途轍もないのだろう。これからどんな道を行くのだろうか。
梅子は離婚してドロップアウト。そして口述試験ではよねが落ちて、寅子の同期は彼女ひとりだけが合格か。更に優三もダメ。しかもついにケジメをつけることになった。まあいつまでも夢と対峙し続けられる人ばかりではないし、これもまた立派な決断だけど、本当に厳しいね。実際、同じ道を目指しても、どんどん櫛の歯が欠けるように誰かが抜けていくのは世の常だけど、せめてよねには頑張って欲しい。まだ頑張れる人は頑張らないと、不本意ながら抜けて行った人たちに申し訳が立たないし。寅子もむしろようやくスタートラインに立ったといえるわけで、ここからが本当の戦い。頑張ってほしい。
1日で急にバタバタと女子部が解体されていってしまうのはとても悲しかったし驚きました。でもよねさんが言ったように帰国するなら今しかなかったと思うので仕方ないですね。涼子さまもお父さんのように自由になる道もあったかもしれませんがやっぱり心根の優しさが出たのでしょう。いいとこはいいとこなりの苦労があるものです。心配なのは梅子さんですね。旦那さんは梅子さんが試験に受からないように妨害したとしか思えません。つくづく小さい男ですね。
悔しいな。みんな頑張っているのに断念せざるを得なくなっている。1人欠け2人欠け、そして梅子さんも。これがあと数年後なら、特高も華族制度もなくなるのにと思ってしまう。せめてみんなが戦争を生き抜いて欲しいなと願ってしまう。それにしても梅子さんの旦那はいつ離婚届を渡すのが相手に最もダメージを与えられるか良くわかってらっしゃる。妻を見下していた以上、同じ土俵に上がって来られたら困るはずで、混乱して正常な頭で試験を受けることが困難な日を狙って渡したと見えてしまう。梅子さんは試験会場に現れなかったということは受験を諦めたということだろう。これからどうするのだろう。
人の運は時の運というかタイミングに左右されるというのが、嫌になるほどわかります。崔さんに続いて、涼子さま、そして試験当日には梅子さんまでもが、ドロップアウトしてしまいました。まあ崔さんと涼子さまは、生まれとか家柄とか、まさに門地の問題だから、時代に翻弄されたと言っていい。梅子は何か心配な状況になっていそうな雰囲気です。寅子たち残るメンバーの合格はもちろんだけど、ここで抜けた者たちの幸せを願いたいですね。
特高警察は戦前の暗部のひとつだし、一般の市民にも嫌われた。威張り散らしたことで多くの恨みもかっていたし、戦後は特高出身だというのを隠していた人も少なくない。どうあれ頑張り屋の崔さんには頑張って欲しいね。確かにこの時期でないと朝鮮に戻るのは難しいだろう。でもその後の半島の歴史を知っているし、日本での扱いも知っているから、戻るも残るも厳しい環境なのは間違いない。どちらを選択するにしても、その後の無事と幸せを祈るだけだね。
全員無罪!!良かったです。まぁ一個も自白以外の証拠を出せない裁判で勝てたら怖いですけどね。寅ちゃんも一生懸命動いて、法律の学校に行っている経験が大いに活かせました。渦中にはそんな余裕はないだろうけど、この経験がのちのちいろんな場面で生きていく人生の糧になる時間だったと思います。猪爪家の家族の団結にも感動しました。お父さんが自白してもそんな人じゃないと証拠集めしてくれる家族がいる。苦しい時こそ家族の真価が問われますね。
全員無罪で、検察は控訴せず。完全勝利といえますね。よねの力強いガッツポーズが良かったです。とりあえず直言はいろいろなものを守れたし、よかったと思います。まあ黒幕側としては、とりあえず内閣を総辞職に追い込み、邪魔者を排除できたから、そもそも裁判の結果がこうなっても十分というところだったのでしょう。桂場への圧力は完全に逆効果だったし。記者の竹中も予想外の展開に楽しそうでした。彼は今後もちょいちょい関わって来る気がします。
はるさんは直言さんが無罪になって、逮捕される前のドタキャンした映画デートからやり直したいと言われて緊張の糸が切れたんだろうね。すがって泣く姿もそれを優しい微笑みで見守る家族も素敵で、本当に良い家族だなと思ってこっちまでウルっとしてしまった。そして寅子と桂場のやり取り。寅子のことを怒っているかのように穂高に言っていたけれど、寅子の言葉を遮るどころか続けてと先を促すのが桂場の考え方のベースが見えるようだ。いち早く寅子の裁判官の資質にも気づいたようで今後の二人の関りが楽しみだ。
直言が勇気をもって自白の強要を証言してくれました。寅子も勉強の成果が生き、それが父親を助ける知恵となりました。というところで桂場に圧力ですか。政治あっての市民ではなく、市民あっての政治だし、国家も同じ。政治家同士の争いは堂々と国会でやれよって言いたくなる。いつの時代も多くの政治家が自分を国王、あるいは英雄かなにかと勘違いをする。本当に困ったものです。でもきっと桂場はそういうことでは動かないと思います。そういうプライドを持っているに違いない。無罪判決に期待しましょう。
戦前は自白偏重の司法だったから、取り調べでの脅しはもちろん拷問まがいのこともやった。江戸時代でさえ凶悪犯以外への拷問は評定所で奉行や大目付の評議が必要だったのだから、当時の刑法はいくら進んだフランス刑法を取り入れていても、それを行使する側の人間が封建時代以下の頭ではどうにもならない。育ちの良い直言にとって暴力は怖ろしかったに違いない。法廷で罪を認めるのか、否か。どちらもやむを得ないところではあるけど、寅子が襲われそうになったことを知った以上、ここは父親として否と言って欲しい。
事件のせいで内閣が辞職したのではなくて、内閣を辞職させるために作られた事件だったのか。女に厳しいことを書く記者だとは思っていたが、きちんと時代背景や事件を俯瞰して見ることができるなかなかできた記者なんじゃないか。他社は記事にしたが、記事にすることを断ったことといい、タイミング良く助けに入ったことといい鼻が利くとも言えるかもしれない。おそらく寅子が狙われるだろうことも考えて、あわよくば記事にできると言う下心もあったかもしれないけれど見守っていたのだろう。寅子が襲われたことを知った直言は認否をどうするのだろうか。
ここに来てお母さんの日記が証拠となるなんて!すごい伏線に興奮したし細かい日記の描写に日々の家族への愛が溢れていて感動した。直言もドラマではあんなふうに情に流されて罪を被ることを自分で決めたけど、あの時代なら無謀な暴力的な取り調べも多く体力と気力の限界で認めたというのもあったと思う。はるの実家の絶縁もあの当時なら考えられるけど、そもそもよその人に籍を抜いたとか絶縁したとか分かるはずもないからする必要ってあったのかなと不思議に思った。
やはり直言は無実でしたね。それにしても下々の者が罪をかぶって、お偉いさんはそれくらいどうってことはないのだろうけど、直言の場合、結果として嫁の実家はもちろんのこと、息子や娘や孫にまで確実に影響が及ぶことをどう思っているのでしょうか。それを理解して罪を被るつもりなのでしょうか。まあでも最大の問題は他の被告の弁護人たちですね。裁判が長引くの嫌がるお偉いさんは、直言が罪を被ってさっさと結審した方がいいから、協力してくれるとは限らない。でも全員無罪を勝ち取るなら協力は必要です。さて穂高先生はどうするつもりなのでしょう?