若草物語ー恋する姉妹と恋せぬ私ー

自信喪失し迷いが出てきたときの表情や目線、仕草が繊細に表現されていて良かったです。そして「恋愛も結婚も私にとっては大事なことじゃない。でも律との友情がない生き方は私には考えられない」と言い切った時の涼が素晴らしかったです。「もう一度友達になってもらえませんか」が普通の告白以上に心からの想いに溢れているなんて初めて見ました。これが涼の見つけたハッピーエンドだし、それが充分に伝わってくる演技でした。

これまで逆境でも悲壮感を出さなかった涼が、律との決裂には号泣してどん底感を出していた。それだけ律は大事な存在だったんだろうし、そこを今まの逆境とは分けて表現していて良かった。凄い感情移入させられました。それと律のいつもと違う気配を感じ取って先手を打って「やめて・・・」と言った時の涼の顔が凄く印象に残りました。

目は口ほどに物を言うと言うけれど、口から生まれた涼には必要なさそうなところもちゃんと目でも演技しているのがとてもいい。衿に感情的でも自分のもともとの信念をぶつけている場面で衿に自分の価値観以外認めないと言われるとたじろいだように目が動く。自分の弱点を認めるような仕草にぐっときた。

涼と衿の対話のシーンがとても良かったです、芝居とは思っていても引き込まれました。信頼、そしてずっと心配していた反動で衿にきつく当たってしまう涼。対して長年言えなかった想いをぶつける衿。そのやりとりを二人とも繊細に見事に表現していたと思います。
恵の思って代わりにガツンと言ってやる涼。落ち込んでいる涼に私は離れないと寄り添う芽。姉妹愛からくる想いが沢山描かれてとても心に刺さりました。
それにしてもハローワークの男どものクズっぷりは何なんだ！

随分難しい役だ。直情的に自分の想いに従って動きながら周りからそれを崩されていく。それに必死になって抗う。一番信じていた衿でさえもどうやら違うようだ。普通だったら立ち直れないところだが、それでも懸命に前を見て進む。それを根性物ではなく暑苦しくもなく表現するのは凄い。
最初は騒がしいだけの主人公という感じで見ていたが、いつのまにかなんとか報われないかと応援してしまうようになった。弱弱しく縋っているわけでもないのに頑張れと思ってしまう。最後には望む未来が開けてほしい。

既読がついた瞬間声出た。泣いちゃったよ・・・。自分でもびっくり！。送っても送っても読まれない涼の気持ちが乗り移ってたのかも。

トラブル続きなのにイジイジめそめそしてなくていい。明けっ広げで危険回避能力0なとこもいい。こういう猪突猛進好き。

試験会場に行くときの涼可愛い！。透明感ヤバい！。走れメロスになった時も素敵。黒崎とまたバチバチやりそうだけど最後には「まいった！」と言わせてほしいなぁ。

「衿がいなくなったのはあなたのせい」、とママに言われた時の涼の表情が凄かったー！。怒りでもくやしさでも後悔でもない、心の奥底に封印していたものに直撃で刺さった時に人はあんな表情をするのか、と思いました。全然芝居に見えなくて思いっきり引きずり込まれた。何回も見てしまうし、これが演技で出来るって凄いと思いました。

黒崎とバッタリ会ってしまった時、脇で黒崎と大平の会話を聞きながらコロコロ表情が変わるところが面白いです。イラっとしたりヤバいと思ったり怒ったり。それを表情の変化で可愛くコミカルに演じていて観ていて楽しかったです。

周りに色々はっきり言ってしまうけど、実は自分自身への葛藤もしていて、それが上手に表現出来ていて何度も観てしまいます。考えこんでいるシーンなんかすごくリアルで共感出来ます。

どちらかというとこれまで感情を隠した役が多くて、これだけ表情がコロコロ変わる役も久しぶり。しかも前より格段に上手くなっている。改めて演技のふり幅の大きさに驚き。話の展開次第だが、ここから涼のいろんな面が観られることを期待します。

髪型が似合ってないし、あの性格にするならあの髪型じゃない。すぐに食ってかかるのが自己主張だと思わないでほしい。口が達者なだけの子供じゃない。あれで女性の代表とか思わないでほしい。ブーケトスの避け方が異常で投げた人が気の毒に見えた。