大奥

やっぱり今回の大奥が成功したとすれば堀田さんの家光が最初にどーんと引っ張って行ってくれたからだと思います。過酷な運命も最後は自分で乗り越えてこの国が滅ぶなら見届けると言った強い眼差しが忘れられません。私が将軍になることに文句はあるか？と凄んだ迫力はすごかったです。

柔らかくどちらかというと儚げで守ってあげたくなるタイプの女性だと思っていましたが、家光を見て女でも惚れてしまいそうな漢気あふれるお殿様を演じてくださいました。自分の運命に涙することもあったけど、腹のくくり方が素敵でついていきたいと思わせてくれました。素晴らしかったです。

世継ぎは国家のために必要と割り切り他の男と寝屋を共にする潔さ、このままでは国家が危ないと言われても動じることなく最後まで見届けようと腹を括り女の姿のままみんなの前に現れた。華奢ながらお腹から出る太い声に家光としての重責と覚悟を感じた。誰にも口を挟ませない圧が凄かった。

すごく感動しました。ひねくれてしまった家光のほんとの思いがどんどん溢れてきて最後は子供のように泣きじゃくる。ひとつひとつのことがちゃんと痛かったって伝わりました。有功とぶつかりながらも心が解けていく様子がとても良かったです。

鎌倉殿で見ていたので美しい姫がまた見られると思っていたら粗暴な姫で印象が全く違って驚きました。それも生い立ちやそこに連れてこられた経緯を考えれば無理もない。ただ有功に興味を示すところはもう乙女の顔がのぞいていた。もうちょっとツンでも良かったと思う。