都立水商！～令和～

水商売を学ぶための学校で巻き起こる青春ストーリーというかなり変化急な内容だけど、いわゆる夜の世界のギラギラ感よりは素直に感動の要素が強めで安心してみられたよね。自分的には小木曽先生の「ホストに一番大切なのは…信頼です」という真っ直ぐなセリフが染みた！それにしても全8話は短すぎるし、もっと時間をかければ先生と生徒の絆もさらに表現できたはず。なので、このキャストでサイドストーリー的なものがあれば絶対に見たい！

初めは頼りなかった先生も本当は生徒一人ひとりの目線になって進路を考えている場面はかなり泣けた！
ただ、先生と生徒の距離が縮まるまでのエピソードがもう一つ、二つは欲しかった気がするなぁ。
展開が駆け足だと感動も若干薄まった感もあり。個々のキャラクターにスポットを当てたストーリーをもっと見たい。

“水商売を生業とする者を育成するための専門知識を学ぶ学校”という特殊すぎる設定なので、独特の世界観に入りこむまでちょっとだけ時間がかかったかな？という印象も。
やっぱり夜の世界は人間関係も裏表が超激しそうだし、なんか怖そうだしなぁ、という人もご心配なく。
そう思っていた自分も今ではすっかり物語にのめり込んでますから！
基本は学園青春ものなのでそこが嫌いじゃなければ誰でもOKだし、予備知識なしで見始めてもキャバクラの専門用語など丁寧に解説するシーンなどは必見ですぞ。
その辺に興味のある方はもちろん本業の方も楽しめそうな授業シーンは毎回、目からウロコ。
キャバクラと恋愛感情という踏み込んだテーマにも触れて、そこは高校生らしからぬ内容にひやひや。
やはり、そこは避けて通れない課題なのね…
ひと昔前の学園ドラマばりに荒れまくる教室も良く見ると個性のかたまりだし、教師陣のキャラ立ちも某学習塾をはるかにしのぐ顔ぶれは一度見たら忘れられないインパクト。
一言で表現するなら、夜の世界の大海原に果敢に挑む若者のちょっと変わった青春群像ってとこかな。

水商売を真剣に学ぶ学校という設定も面白いけど、今回テーマになった“つけ回し”なんて言葉は初耳。
キャバクラの店内を影で支える黒子的な役回りなんだけど、実際に高校生がこんな動きはできるのかな、と素朴な疑問が…。
模擬店を開いてキャバクラ科の生徒同士が張り合ったり、さっきのつけ回しで裏工作があったり…とそこまでは予想できる展開だった。
ただ、やる気のない生徒の長所を見つけてあげて活躍の場を与えるシーンには感動！
やっぱり、落ちこぼれが何かしら見いだして自立する姿っていいね！
題材はニッチでも全体的に古典的ヤンキー校ドラマあるあるが少し気になるかも。
その辺を打破できたらもっともっとのめり込めるはず！

自分の赴任した学校で何が学ばれているか、何をすべきなのか全く理解していなかった主人公の直樹が、やっとこの学校で自分のすべきことを見つけられた。それは、自分のクラスの生徒たちが、一生懸命夢に向かって頑張っている姿をみて、プロになるということへの姿勢や覚悟を実習によって見出せたからだと思う。
特に今回の話で面白かったのは、模擬面接のシーンで、必ず合格すると思っていた可愛くて礼儀正しい子が不合格で、対照的な生徒が合格したシーン。ドラマの話だけど普段自分も気を付けなければと考えさせられてしまった。
こんなにも深いドラマだと思わなかった。