彼氏をローンで買いました

(※ネタバレ含んでいます)
一話目からこれは名作と思いつつ見れましたが、最終回でがらりと見方が変わってしまいました。

「女性の社会進出が進む中でも、専業主婦となり家庭と旦那を支えることだって立派な社会貢献である。その分、精神的な苦痛も実は大きい。」というのは事実ですし、ドラマ内でも説得力のある言葉で説明されています。特に物語終盤でジュンが指輪を俊平に返却しようとする多恵に向かって「ブレるな、専業主婦に憧れていたんじゃないのか」と咎め始めた際に始まる二人の掛け合いは専業主婦の重要さを強く伝え、二人の演技力も冴えわたる見せ場です。

そして最終回で多恵は狙い通り俊平と結婚をし専業主婦となってドラマは終わる・・・のですがこれがまたハッピーエンドとはとらえにくいのが大きな心残りです。理由としては、多恵たち受付嬢の専業主婦になろうとする姿にどこか無理をしすぎている様子やがめつい部分があるからです。プロポーズ直前にも直後にも俊平が多くの女性と浮気していて酷く傷ついても無理やり我慢したり、収入がいいから俊平と結婚したいという打算的な考えは見ていて共感しかねます。そういった意味で見ている側としては「最後には専業主婦とは言っても本当に愛する男性と結婚するんでしょう？それって俊平よりも多恵のことをずっと理解してくれるジュンじゃないの？」とか「なんだかんだ実は専業主婦以外にやりたいことあって最後はその道に進みつつも結婚するのかな？」という結末を期待せざるを得なくなります。

にもかかわらず最終回は無理を押し切るかのように俊平と結婚し、その後は妊娠時の情緒不安定さを解消すべくまたもやジュンをローンで購入。ジュンが多恵のもとへ再び届いた際の多恵の安心した表情や、二人がお帰りただいまと笑い合うときの雰囲気は微笑ましく、「何故ジュンじゃなくて俊平にしたの？本当に俊平と長く続くの？」と余計に思ってしまいます。


専業主婦も立派な生き方の一つなんだよ、とうまく伝えることが出来ていただけに惜しい結末でした。

このドラマは現代の女性の恋愛観、結婚観について考えさせられるドラマだなぁと思います。
独身女性の結婚への憧れや恋愛中の葛藤もリアルに描かれていて私も結婚する前はこんなこと思ってたなぁと思い出しました。
かと言えば結婚してからの現実の厳しさも描かれています。憧れの結婚とか妊娠、出産、育児。共感できたり、そうそうこうゆう人いるぅと夢中になってみています。
でもキャストが残念ですね。長谷川京子以外はあまり有名な俳優はでていません。主人公は超かわいいし華があるけど、あとはパッとしないですね。

主人公の考え方が独特で興味深いな、とは思いました。夫婦はあくまで役割分担、プロの専業主婦を目指す。彼氏の白石もほぼ同じ考え方だったのが驚きでした。なんていうか、ベストカップルですよね。ジュン役の横浜流星くんもカッコよくて、途中までは良かったんですが…。恋愛としてのドキドキ感は全体的に薄かったですね。最後は結局、白石と結婚してしまって、ジュンと出会った意味がなかったような。まぁ、最終的にはまたジュンを買い直してしまうわけですが、その終わり方も中途半端なような。恋愛ドラマというより、結婚観を語るドラマでした。思っていたのとちょっと違ったのが残念でした。

このドラマは好き嫌いが分かれるかなって思う。
原作の野島伸司さんがもしかしたら、こういう家庭こそ人間が動物としてあるべき姿という主張しているのではないか？と強い感じた。
それは女性は家を守り、男は外で狩りをする、その主張が強いので、反発する人もいるかなと思いながら見ました。
でも長谷川京子さん演じる女性は、最終回で女としての本能を大切に生きる道を選んでいる。
全部に薦めていると言うよりも、専業主婦は大切な職業と伝えているように感じる。
だからこそ、最終回で、多恵はストレス解消の為にローンで彼氏を買ったのだという結論になったと思う。

結婚して専業主婦になる夢を叶えた時はすごく感動しました。そこに辿り着くまでに、不安になってしまう場面がたくさんありましたから…。着拒されたり、違う女の人と一緒に歩いていたり、本当に、すごくヒヤヒヤしながら見ていました。でも、最終的には、結婚することができて本当に良かった。ローンで買った彼氏も連れ戻すことができて、ローン彼氏に八つ当たりする権利をまたもらうことができて良かった。きっとこれからもうまく暮らしていくのだろうなと思った楽しいドラマでした。

最後の最後までとても面白かったです。多江は最後ジュンと幸せになるのか、白石さんと幸せになるのかドキドキしながら見ました。白石さんはもっとタンパクな人なのかと思ってたら、多江の事がすごく好きだったのを知ってキュンとしました。最初はただの女性好きだと思っていたので…。
最後は綺麗にまとまって終わった感があったので、結婚後の多江やジュンとの絡みをもう少し見たかったです。