特捜9

この作品の前のシリーズとなる「９係」と関連して、９係が解散させられる原因となった事件の真相が明らかにされるのだけれど、それに今回の「特捜９」から参加した寺尾聡の過去を加えて絡めているのが、少し詰め込んで作られた感じがして、好感を持てなかった。何が何でも９係を特捜９として繋げます！という変な作り手の情熱が空回りしていた感じです。寺尾聡の演技は下手ではないけれど、いくらイノッチが頑張って主任となり主役を務め、その後見人のように寺尾聡が参加しても、やはり渡瀬恒彦の演技力や存在感を埋める事は出来ないし、締めくくりとして半ば無理やり繋げたものの、これからが面白いかは、疑問に思う。

以前までの作品とはまったく違った感じになってしまったのに、続編感を出しているので違和感を感じます。井ノ原快彦さんが演じている浅輪は普段は頼りないけど事件の捜査になると周りを味方につけて解決に向かっていく感じの真っ直ぐさがウリだったのに、今では以前までの自分と被るところがある山田裕貴さん演じる新藤に対して冷たく接していて見ていると引いてしまいます。9係のころに渡瀬恒彦さんが演じていた係長のようになれるとは思ってないけど、ちょっと新人に上からすぎるのはイメージが悪いのでもうちょっと自分から歩み寄ってあげてほしいなと思ってしまいます。

渡瀬恒彦がいなくて寂しい限りだが、まだ謎の残る寺尾聡が今回は絡み、いぶし銀の伊東四朗も活躍。ただし、伊東四朗の歳で現役鑑識は無理があるのではと毎回思ってしまうが、若々しくみえるのでまぁ、ありか？途中までは昔の仲間を信じ思いやりだったが、一転「あっ、この人が犯人？」って、伏線があまりなかったような。唐突すぎるかなぁ？

バラバラになったメンバーが浅尾の行動力に引きつけられて、キャストが全員揃って、特捜班として再スタート！と思ったら、急に生意気な新人が加わって、ビックリしました。何でもせっかちに決めつけて、チームワークの良いメンバーなのに、ちょっとイライラしました･･･。
それでも、内部捜査としてホテルに乗り込んだ時は、初めてこれまでと違う特捜らしさを感じ、新たな形で一致団結して事件を解決していくスタイルは羨ましくすら思いました。
また、全員が係長であった渡瀬さんをいつまでも忘れずにいると言うことをドラマの中で伝えていて、感動しました。渡瀬さんが最後に遺してくれたものが伝わってくるような気がしました。

解散した9係が、再び、集結。もう、うれしい限りです。それぞれの個性が、重なって、事件解決。素敵ですね。長年のチームとして、阿吽の呼吸、それは、とても安心して見ることが出来ました。新たに、班長として、寺尾聰さんが加わりましたが、何気ない存在が、違和感ありませんでした。

渡瀬恒彦さんがいなくなってはじめての新シリーズなので気になって見ました。新班長の寺尾聰さんはまだまだ謎が多い人物のようです。でも、いつもの全員が揃ったのを見ると安心感があります。井ノ原さんが結婚して奥さんの尻にしかれていたり、少しずつ展開していた彼らの周りのストーリーの今後も気になっています。
ただ、うまくつなげてくれたと思う一方で少し無難にまとまりすぎているような感じも受けました。基本的に理解がある上司に好き勝手やっても許してもらえているメンバーで良い人が集まりすぎているように思いました。もう少し分かりやすいヒール役がメンバーの中にいても良かったかなとも思いますね。

寺尾さんがどんな感じでドラマに出てくるのか楽しみにしてました。過去に何かあった一癖も二癖もありそうな感じの役が寺尾さんにぴったりでこれからが楽しみ。まだまだ９係のメンバーとは壁があるけど、どんなチームになっていくのかも楽しみ。