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脚本・ストーリー 3.4 /5.0(67.4%) | 679位 /1088件中 |
キャスト 3.8 /5.0(75.6%) | 658位 /1088件中 |
演出 3.4 /5.0(68.4%) | 657位 /1087件中 |
音楽 3.5 /5.0(70.8%) | 500位 /1088件中 |
感動 3.3 /5.0(66.8%) | 379位 /1083件中 |
笑い 2.5 /5.0(50.2%) | 694位 /1083件中 |
スリル・興奮 2.9 /5.0(58.8%) | 686位 /1080件中 |
昭和40年代後半くらいまでは、まだチンドン屋がいる風景を見られたから、何だか懐かしい感じがしました。デートに「椿三十郎」というのは時代を感じますね。さて、るいですが、時代もあるし、本人の年齢もあるのでしょうが、額の傷が気になるようです。まあ母との関係を考えればある種のスティグマみたいなものだし、実際の傷跡以上にその思いが彼女のトラウマになっているのだろうと感じます。そこで宇宙人がトランペット吹きだったことが判明。ルイ・アームストロングから名前をもらったるいだけに、音楽に惹かれるのは必然かもしれませんね。
まるで読んでいるO・ヘンリーの「善女のパン」のミス・マーサののように、いろいろとお客さんについて推理を巡らせるようになったるい。まあマウスピースを知らないのは仕方がありませんかね。問題は「善女のパン」が伏線なのだろうという点です。翻訳者によっては「魔女のパン」ともされているこの短編は、善意のつもりがとても皮肉な結果に結びついてしまいます。つまりるいにとっては善意のつもりの行為が、思わぬ結果を生んでしまうというフラグなのではないでしょうか。でもとても短い話だし、るいだって一気に読んでしまえる筈なので、中途半端に引っ張るのはどうなのでしょうね。
戦後どん底の安子編にこちらまでどんどん荒んでいくような気持ちになっていたけど、ミュージカルのような明るい音楽とパステルカラーが多いカラフルな街並み頼りになりそうなクリーニング屋のご夫婦に出会えた展開に安心し、るい編に気持ちも上がります。大阪と言っても広いだろうしるいちゃんの記憶がどこまで残っているか分からないけど、ゆかりのある人たちといつかどこかで出会えたら嬉しいなと思っています。個人的にはラジオを聴かせてくれた小川さんと会えたらいいな。
るい編突入ということで、ヒロインとして深津絵里さん登場です。まあおじが村上虹郎さんで、おばが岡田結実さんという並びは、ふたり共に老けたメイクはしていなかったし、正直なところ出演者の年齢的に厳しいなと感じました。とりあえずるいが雉真の家を出ようと考えるのは当然というか必然でさえあるでしょう。そして都会に浮かれ、すぐに壁にぶちあたるのも当然です。ここからるいが何を感じ、何をつかむのか、そして安子のことをどう考えるようになるのか見ものです。
勇ちゃんも安子も幸せを願っていた10年後?安子はアメリカで幸せに暮らしているんだろうか。勇ちゃんは完全に見誤ったね。義父の葬儀の間際まで朝ドラに夢中な嫁、おじいちゃんが死んだばかりなのに居間で勉強する息子。残念としかいいようのない雉真家。そんな中で大きな声で笑うこともなく育ったるいちゃんの苦行を思うとこちらまで苦しくなる。早速大阪でいい出会いがあったようでホッとする。るいちゃんが幸せな気持ちでいっぱいになる日をみたい。
安子がいくら自分の両親にやってもらったように当たり前にるいを育てたいだけと思っても、そもそも戦争があり、たちばなも無くなり、当たり前を求めるのはもう無理なんだと気づかないといけない。るいが一番大事と言うのなら、闇雲に探しても見つかるわけがない兄を追うより、そもそも兄に任せた自分がバカだったと思って、せめてるいの入学式を済ませてから、大阪に行くべきだった。そうしなかった時点で、すでにるいよりもたちばなを優先したと他人は思う。そしてロバートにすがりつけば、余計に立場が悪くなると、どうして考えないのか。考えるよりも行動を先にすればこうなる。時代や運というより、安子自身の甘さや考えなさの結果だとしか思えない。
安子も、勇も雪衣も全員0点。算太に至ってはマイナスですね。安子は子どもにとって一番大事なものは何かもっと考えるべき。勇は男としてというより人間として卑怯だし、嫉妬をこういう形にしてしまうのは最低。雪衣は勇に惚れているのならば、だからこそもっと強く諫めるべき。算太はたかが失恋に妹を巻き込こみ、たちばなの暖簾も傷つけることになり、亡くなった両親まで裏切った。そろいもそろっていったい何をしようとしているのかわからないし、なにがしたいのかもわからない。でも確かにこれが戦後の昭和の一面だと思う。
細かいことを言って申し訳ないが、安子が大阪に算太を探しに行ったのは日帰りじゃないよね?その間るいちゃんはあの広いお屋敷の部屋で一人で寝るんだろうか。いくら算太がいなくなったって大人なんだから我が子を置いたまま何日も探し回らなくてもいいんじゃないか?るいが一番といいながら安子の目はちっともるいに向いてないじゃん。別居だってるいちゃんには意味がわからないよ。そんなにロバートさんがいいなら母娘二人、面倒見てもらいなよ。
この頃の安子は嫌い。雉真に嫁いだんだしるいもいるんだから雉真の家にいる権利はあると思う。家のことをって言ったって女中さんがいる中では暇を持て余してしまうのも分かる。だからっていつまでもおはぎを売り歩いて、進駐軍の外国人と仲良くしてるって近所の人からなんて言われてることだろう。まだまだ戦後間もないのに旦那を殺した国の人に自分が惹かれているなんて。なんか違くない?一つ分かったことは勇ちゃんみたいな男らしいタイプより王子様みたいな稔やロバートさんみたいなのがタイプってこと。いつまでも夢見がちだな。
たちばなは再建できたとしても、るいのことを考えれば雉真の力は必要です。難しい選択を迫られましたね。そもそも子連れ女性が生きていくには厳しい時代だし、経済的余裕はるいの未来に関して選択肢を増やす結果にもなります。現代の目でみると雉真の印象は悪いけど、当時の日本として考えるともっともな主張でもあります。それにしても勇は何と戦っている気なのでしょう。兄と戦って負け、進駐軍に勝った。でもそれは彼にとって自分だけの世界の象徴でもある野球を通しての話です。当事者である安子はもちろん、稔ともロバートとも、ちゃんとしたコミュニケーションはありません。挙句に嫉妬し、暴れるという独りよがり。ピュアという年齢でもないし、もう少し大人になって欲しいですね。
算太は優しいですね。雪衣には結構ひどいこと言われたのに、しっかり彼女を気遣うなんて。私なら雪衣たちも含めて国を守るため戦争に行ったのに、なぜ嫌味を言われなければならないと怒ってしまうと思います。チャップリンの「街の灯」をモチーフにしている素敵なシーンでした。安子がロバートとの距離を縮めている頃、勇は進駐軍と野球で戦っていました。ある意味で勇はまだ兄とかアメリカと戦っているともいえます。一方で安子は戦うのではなく歩み寄る方に向っています。この違いは大きいようにも思えます。さて勇にプロポーズされた安子はどう返事をするのでしょうか。
小さい頃からの安子ちゃんへの想いを知っているだけに勇ちゃんのプロポーズを受けてほしいところだけれど、安子ちゃんの腕を掴んだ時の表情に断られるかなと不安がよぎります。勇ちゃんはいい男だし、野球で勝ったら告白的なロマンチストでもあるけれどいかんせん独りよがりなんだよなー。野球は安子関係ないじゃん。自分のきっかけが欲しかっただけよね。安子ちゃんとるいちゃんと家族になりたいならば三人で一緒におでかけするとか徐々に距離を縮めることが大事だったんじゃないかな。あの野球の試合に呼んでかっこいいところ見せても良かったと思うし。勇ちゃんの勇足で終わらないことを祈っている。
安子というか、童顔な上白石さんが跳ねて遊んでいるシーンは、子持ちの未亡人というよりも少女のように見えてしまいますね。雪衣が算太に感情的になり、るいは祖父に可愛がられ、安子はロバートと英会話教室の教材作りと、それぞれフラグになりそうな出来事が立て続けに起きています。でも雪衣の言い方は良くないですね。嫉妬心からとはいえ、まったく安子にもるいにも責任はないのに、るいを残して安子まで出ていけというようなことは、思っても口に出すべきではないし、そもそも雉真の人間ではない彼女がいうべきことではありません。私が勇なら絶対に好きにならない軽率さだなと思ってしまいます。
カムカム英語が終わり、安子としても小さな節目といえるかもしれません。ラジオのおかげで、るいは小さいのに英語で挨拶できるくらいになったんですね。一方、勇にとっては大きな決断に迫られることになりました。確かにこの時代、亡くなった兄弟に嫁ぐというのは少なからずありましたが、安子としてもるいの事や稔への思いを考えなければならないし、雪衣は明らかに勇が好きなようです。なので勇が誰を結婚相手に選ぶかで今後の展開は大きく変わりそうです。
まさかの展開にみどりさんロスです。お姑さんってだけでなんか意地悪しそうと身構えて見てしまっていたが全然違う。息子2人を大事に大事に育ててきたんだなと思う慈悲深いところあり、ちょっと世間知らずだけど育ちのよさそうなところあり、みどりさんを知れば知るほど魅力的。そうしたのはあまりドラマでお見かけしないYOUさんだったことにも驚きです。稔さんが生きていたらまた違った嫁姑になっていたのかな。それも見てみたかったな。
算太が無事に帰還しました。相変わらず素直になれないところが彼らしい感じがします。でもそこから意表を突く美都里さんのファインプレー。ここまであまり良いイメージのなかった美都里さんですが、最愛の息子を亡くした母親だからこそ思うところがあったのでしょう。本当に生きていることが何よりですね。ようやく素直に泣けるのは算太のこれからのためにも、よかったことだと思います。安子にとっても頼りない兄であれ、肉親がひとりでもいてくれることは心強くもあると思います。
戦争に行った日本兵の死因の多くは飢餓や病気だったそうだ。そんな過酷な状況の中家族を思い、もう一度会いたいと願いながらやっと帰ってきた算太。きっと岡山に着いて真っ先にたちばながあったところに立ち寄っただろう。そこで安子の居場所を知って来たのではないだろうか。安子の中では整理できてきたことも算太には初めて聞くことばかりだから混乱しても無理はない。意地悪なことばかり言ったけど、勇だって帰ってきて家族が誰もいなくなっていたら自暴自棄にもなっただろう。稔を亡くして未だ失意の中にいるみどりさんの抱擁に涙が出た。
戦争で被害を受けた日本のことばかりじゃなく英語を通してアメリカの被害にも目を向けるのは新しくていいと思いました。進駐軍が戦後の日本に駐留していたのは知っていましたが、子供にお菓子を配るイメージか民家で悪さをするイメージしかなかったので安子ちゃんが着いて来てと言われた時は不安でした。アメリカ人との交流は良かったけれど、雉真家のみなさんとはうまくやれてるとは言い難いような‥。算太さんが帰ってくると予告で見たので仲を取り持ってくれるといいなと思います。
ひなたの道を歩いて欲しいのは娘だけでなく、安子もだというのは確かにそうでしょう。ただ米兵に対する感情は戦争前の教育や印象でだいぶ違うと思うので、稔とラジオを通して英語に馴染んでいた安子と周囲の思いにはギャップが生まれるかもしれませんね。何よりも注目はあの世良公則さんの格好良い歌声でした。ツイストを知っている年代の人ならば本当にたまらないシーンだったでしょう。声もノリも迫力も相変わらずで、それだけでも満足できました。
進駐軍の軍人であるローズウットとの出会いは、安子に新たな何かを与えてくれるかもしれません。きっと安子の英語力は使いようによって彼女にとっても雉真にとっても役立つものでしょう。でもその反面、稔の戦死を拭いされない母からすれば、それは安子の裏切りであり、不実だと思うのではないでしょうか。果たしいこの出会いが吉とでるのか凶とでるのかわかりませんが、いずれにしても安子にとってはひとつの大きな岐路となりそうな感じがします。それと上白石さんの英語、わかりやすいですね。
安子ちゃんと稔さんの思い出の英会話も、みどりさんや街の人が思うように憎き敵国の言葉なんだよね。安子ちゃんにとっては短かった稔さんとの幸せな時を思い出させてくれるものだけど、みどりさんにとっては違う。この辺がまた溝を深くしていくような気がします。町中で米兵と英語で話していたなんて雉真の家の人に知られたらますます目の敵にされてしまうのではないかと心配です。今はるいちゃんのそばでじっとしておいてほしい。
雉真の面子というならば、長男の嫁である安子だろうと、孫のるいだろうと同じ筈なのに、安子は良くてるいはダメというのは首を傾げます。もちろんたちばなのことがあるからというのが理由なのでしょうが、るいは雉真だけでなく橘の孫でもあります。すでに橘の縁者はいなくなったことや、時代背景もあるのはわかりますが、露骨な孫優先の感じに今後の安子の苦労が想像できます。勇の野球たとえ話は笑えましたが、安子の言う通り勇だからこそののアイディアが浮かぶと良いですね。
なんか分からないけど安子ちゃんの行動にざわざわする。もう雉真家との橋渡しをしてくれる稔さんはいないのに単独行動が多いと思う。みどりさんだって歩み寄ってくれてるんだから雉真の家のことを思ったら実家近くの商店街でおはぎを売るんじゃなくて、雉真の家に来たお客さんに持たすとかみどりさんやゆきえちゃんを手懐けてから外に行かなきゃ!ゆきえちゃんには大事なるいちゃんを預かってもらうこともあるんだからもっと大事にしといた方がいいとか見ていてハラハラする。千吉さんの言う通り、戻ったなら戻ったなりに腹を括った方がいい。
子はかすがいと言いますが、孫もまた家族のかすがいになるのだなと思います。安子とるいの生活のことを考えれば雉真に戻ったことは確かに安心材料でしょう。でも安子の懸念通り、それが幸せかどうかはわかりませんね。それにしてもきぬちゃんと再会で来てよかったですね。旦那さんも明るくて、暗い世相ではほっとするところがあります。きぬちゃんの言うように大阪の頃と同じように生きられればいいのでしょうが、雉真の家はいろいろと難しそうです。また新たに登場した雪衣は意味深な雰囲気があります。勇のことが好きなのでしょうか。何にせよまだまだ安子の苦難は続きそうです。
戦争が憎い。戦争さえなければ稔さんと3人で幸せに暮らせていたのに。今日るいちゃんは初めておじいちゃんと言ったかもしれないけど、お父さんと呼ぶことはない。稔さんがいてくれたらあの実家が針のむしろのような場所になることもなかった。せっかく自分の居場所でるいちゃんと慎まししく暮らしていたのにまた波乱。千吉さんはるいちゃんのために、勇ちゃんは安子ちゃんのためにと思うのであれば全力で守ってほしい。それができないのであれば実家に戻れとは言わないでほしい。
小さくても「たちばな」の屋号でおはぎを商えたことは、安子にとってよかったことですね。両親への感謝につながっていると思います。そしてるいと共におはぎ、英会話、自転車と、いろいろな稔との思い出に囲まれている日々は、ささやかで苦しくとも幸福な毎日だったのではないでしょうか。でもそこに千吉の登場です。果たして千吉が嵐を呼ぶのか、それとも良い変化をもたらすのかはわかりませんが、少なくとも安子とるいの暮らしの何かが変わるのでしょう。できれば後者であることを期待します。
いつの時代でも母子家庭は本当に大変です。安子には何の責任もないことばかりなのに、まったく理不尽ですね。捨てる神あれば拾う神ありと言いますが、人情の町大阪で安子も再び英語講座に導かれるように、親切な人たちと巡り会えてよかったです。生きていく基盤さえ出来れば、たとえ雉真がまた何か言ってこようともなんとでもなります。るいの未来が垣間見られるかのように、最初に発した言葉が英語だというのは素敵ですね。きっと稔も喜んでいることでしょう。
稔さんが亡くなってまだ半月でしょ?みどりさんも安子ちゃんも精神的に不安定な時に、お義父さんは再婚を勧めるし勇ちゃんはまだ歩き始めたばかりのるいちゃんと二人で逃げろと言う‥。戦後の混乱の中で二十歳すぎの安子ちゃんとるいちゃんが二人で放り出されるって不安しかない。あんな広い家なんだからみどりさんと顔を会わさないようにしばらく過ごしたら変わっていくかもしれないのに。みどりさんも安子ちゃんも涙にくれる日々を送ってなかなか立ち直らないのがこの朝ドラのいいところだと思う。大事な人が死ぬってそうそう立ち直れないもんね。
時代的にも、あるいは美都里の様子からしても、仙吉の言うことは残酷だけど、安子のことを本当に考えている面はあります。女性がひとりで子どもを育てていくには、今以上に厳しい世の中ですし、安子には頼れる家族がもういません。そう考えれば仙吉の提案も悪意ではないと思います。勇がお金を渡して、安子とるいで暮らせと言いましたが、一時のお金で何とかなる筈はなく、好意であるにしてもちょっと短絡的です。結果としてこの頃よくあった話ですが、弟が兄嫁を娶る、つまり勇が安子を迎え入れる形になるのかもしれませんね。
今ほど戦争が憎いと思ったことはないかもしれない。戦争がなければ稔さんと安子ちゃんの幸せがずっと続いたのに、安子ちゃんの大好きなおはぎもそれを作るお父さんたちもずっと穏やかに過ごすことができたのに。るいちゃんのおじいちゃんやおばあちゃんを奪い、お父さんも奪った戦争が憎い。そんな中でも金太さんは見ず知らずの子供に商売を教えた。誰もが生活を立て直すために余裕がない中で少しずつ蒔いた優しさの種がやがて芽を吹くだろう。安子ちゃんのどん底はまだ続くのだろうか。来週も心して見ようと思う。
空襲で母たちが亡くなり、心労から父も亡くなり、勇が戦地から戻ってきてひと安心し、思い出の英会話放送も戻って来たけれど、稔の戦死が知らされました。展開から予想はしていましたが、立て続けの不幸にため息がでます。ヒロインが3人というのはコロナ禍の影響も考えてのことでしょうし、結果として話がダイジェスト版のような速さになってしまうのは仕方ないのでしょうが、これだけ短い間にこれだけ人が死ぬと、安子がそれぞれの死とどう向き合ったのかという部分が見えにくいなと思います。
子供の声で呼びかけられたのに開けたら算太だった。おはぎを売ったのは子供だったのに算太が売ってきたと言った等なんだかざわざわする展開にもしかして算太はもうこの世の人ではないのではないかと気が気ではなく、朝見た時は死んだのは算太だとばっかり思ってしまったけどほんとに亡くなったのはお父さんの金太さんのほうでしたね。なんとも言えない展開に涙が止まらなくなり、また明日安子ちゃんが悲しむのかと思うと心が痛いです。
人間はたくましいですね。終戦からわずかな期間で前を向きました。まあ、そうするしかないのですが。戦前には女子ということで許されなかった餡子作りを、安子が教えてもらえたのは、戦後の女性の台頭を暗示しているかのような感じがしました。空襲の悲劇から立ち直ったかに見えた金太ですが、算太登場シーンは妙な展開だなと思っていたら、なんと金太は急逝してしまったようです。でも最後に幸福な夢を見られたことは、本当によかったと思うべきでしょう。
今日はお父さん同様呆然です。昨日元気だった人が今日いなくなるのが戦争です。現代の私たちも震災やあらゆる天災に遭いそういう経験をしてきました。誰もが右往左往する中で出したお父さんの避難指示は何にも間違っていなかったですよね。でもお父さんはどうにもならない後悔を抱いてこれから生きなければいけない、残酷です。吉右衛門はお父さんをなじってしまった後にお別れしないといけなくなりました。でもね、お父さんは吉右衛門を守れたことで満足だったと思いますよ。明日、みんなが普通にそこにいるなんて思っちゃいけない。大事に生きていこうと思いました。
橘家を悲劇が襲いました。空襲に合い、防空壕に逃げろという指示は何も間違ってはいないし、あの状況でとり得る最善の策だったと思います。だから金太さんを責める人は誰もいないと思うけど、本人としては自分を責め続けるでしょうね。黒い雨の描写があったから、おそらくまもなく終戦だろうし、せめて算太が無事に帰ってくれば良いのですが。赤螺さんもあの様子では助からないのかもしれません。安子も「るい」の名前の由来を考えると、いろいろ思うところがあるかもしれない。やはり悲劇はいろいろな歪みを生みそうです。
るいちゃんが誕生しましたね。まだ訓練中の稔さんには知らせることができたのかな。るいちゃんが生まれるまで名前を見なかった安子ちゃんのいじらしさも二人の思い出の歌のように幸せになってほしいと稔さんがつけた名前も野球が大好きな勇ちゃんの勘違いもどれもこれも幸せで温かいエピソード。野球の塁に例えてみんなで守る!はとてもよかった。稔さんも勇ちゃんも優しくて大好きです。こんな二人が戦場に行って殺し合いをしなくてはいけない世の中ってなんだったのでしょうね。
懐妊から出産まであっという間でした。ホントに展開が早いです。「るい」という名前はサッチモことルイ・アームストロングからとったのですね。勇の勘違いも優しい勘違いです。その勇もついに出征しました。ラジオから流れる空襲の話は、おそらく東京大空襲のことなのでしょうが、大本営は相変わらず被害を軽く扱おうとしているのに腹が立ちます。このテンポだともう間もなく終戦でしょうが、召集された人たちの安否が気がかりです。
やっと思いが通じて結婚できた稔と安子、二人の新婚生活が微笑ましくて愛おしい。おかえりモネの時は時の流れが遅すぎて苦しい時もあったけど、安子ちゃんの稔くんの雰囲気の良さに15分があっという間。それもヒロインが3人ってことは安子ちゃんたちは2ヶ月しかでないってことだよね。ほんとにもったいない、二人が主役で半年見たかったなと思います。結婚生活はひと月足らずとのこと。やっぱり戦死してしまうのだろうか。二人をもっと見ていたいな。
父親同士が交わした話と、勇の男気が稔と安子の結婚を引き寄せた格好ですが、軍服も学生服も同じと言っていた千吉も、稔の学徒動員が決まったことで、親の情や商人として培った嗅覚みたいなものが働いた部分もあるのでしょう。わずか一ヶ月とはいえ新婚生活を経験できたことは、稔にとっても安子にとっても大切な力になると思います。ここから戦局の更なる悪化が待っていて、いろいろな展開が予想されるだけに、とても優しさにあふれたこの回が、ひとつの救いになりそうです。
気立の良い安子ちゃんの気遣いにキジマのお父さんは結婚を許す気になってはくれないもんだろうかと思ってしまった。安子ちゃんのお父さんもお父さん同士、卑屈になるわけでもなくお互いの立場をわかり合いながらする会話が素晴らしかった。世の中、お汁粉を飲んだキジマお父さんの笑顔が全て。戦争も跡取りも何もかんも美味しいものを食べた時の幸せに勝るもんはない。人を笑顔にできる安子ちゃんが1番尊い!戦争なんてばからしいねぇ。
橘と雉真の当主同士、大人の対話は実に味がありました。汁粉と足袋、それぞれの原点を思い出し、また息子を戦地に送り出す父としての顔は、対照的でありながらも近さを感じます。そこに安子のさりげない心遣いが加わって、戦争中の庶民の心が伝わってくる気がしました。勇が兄と安子の間をとりもとうとした心意気も、本当なら自分の思いを捨てる悲しさがあっても良いのに強く真っすぐなのは、単に個人だけのことばかり考えがちな今の時代とは違っているところでしょう。どうあれ千吉が堂々と稔を見送ることができればいいですね。
開戦したと思ったらミッドウェイ海戦、そして学徒動員と一気に1943年まで話が進みました。本当はミッドウェイは大敗だし、それ以降は敗戦に次ぐ敗戦なのですが、ラジオでは威勢のいいことばかりです。たちばなの方は算太をはじめ店の者たちも召集され、雉真ばかりが景気の良い状況ですが、学徒動員があり、更にあの稔の様子では、そう遠くないうちに悲劇の予感がします。終戦まであと2年。ここからが最初の山場になりそうですね。
どうしても家制度が強かった時代の結婚は、家柄が問題になります。正直、今の世の中でも一定の層以上になれば残っているところもありますしね。YOUさん演じる美都子が実にいい感じに嫌な人でした。稔の父の言う通り、この時点での稔には選択肢はありません。いつの世でも父親というのは、子どものことを考えてとはいえ、経済的な自立の部分を突いてきます。正直、学生相手や若者相手にそこを突くのはフェアではないし、最初から否定するための論法にすぎません。もしかしたら、これで稔の戦死フラグが立ったのかもしれません。
勇も大学進学ですか。雉真は稔の縁談を進め、事業拡大をはかるつもりのようですが、まだ日清戦争後の戦争景気を覚えている人がいる時代だし、よもや日本が負けるとは思っていないことがよく伝わってきます。稔に会えると、うかれた安子の前に現れたのは険しい表情をした稔の母である美都子。この後、安子が何を言われるのか、想像はつきますね。二人の恋は結ばれないのでしょうか。いずれにせよ、歴史を知る我々としては、おそらく稔は学徒動員されるだろうと予想するしかありません。ますます前途多難です。
時代からして結婚はまだ家同士の問題でもあるし、いきなり交際というのは無理でしょうね。でも一歩踏み出したとはいえるでしょう。しかし吉右衛門は賢い子ですね。稔に安子をあきらめない宣言をした勇ですが、甲子園大回かけていたとはいえ、開催中止の可能性は彼の年齢ならば感じていても良い世相だったと思います。ドイツがロシアと戦争をはじめたことで、多くの国民はドイツと連携してロシアと戦うだろう、戦争は確実だと思っていました。結局、戦う相手はアメリカでしたが、もはやスポーツを楽しむ雰囲気ではなかったはずです。とにもかくにもついに太平洋戦争開戦です。
大々的な表現はないけれど、タバコの銘柄や野球のユニフォームにまで英語が禁止になったり砂糖が統制されてきたりすると同時にじっとニュースに耳を傾ける大人たちがいる。こないだまでラジオから流れる野球やお笑いに笑っていた人たちもじっと作業に集中している。そんな些細な表現を繰り返しながらどんどん暗い世の中へ変わっていっているっていうのがよく分かるのがほんとにすごいと思う。勇ちゃんも泣かないのよね。辛かったら泣いてくれたらいいのにといじらしくて悲しかった。
親に縁談を勧められて困ってるの!ってか弱げに頼るということもしない健気な安子。突然やってきた安子を優しく包みつつきちんと変化に気付き何にも言わず岡山までついてきた稔。二人の誠実さと思いやりの大きさに結ばれてほしいと心から思いました。稔の一つ一つの選択が全部正しくてこういう人が白馬の王子様なんだろうな。ただ一緒に安子ちゃんのうちに行ったら今までの稔くんとの文通を知っているのはお母さんだけだから家族は大騒ぎだろうな。
安子の縁談話は年齢以上に、砂糖が手に入りにくくなったという戦争前夜の余波だといえます。まあ砂糖関係の会社社長の息子と結婚したところで、太平洋戦争が始まれば手に入らなくなるわけで、まだこの頃は戦争になっても何とかなるというように国民の多くは思っていたということでしょう。まあ日露戦後後の世論は日本強し一色で、薄氷を踏むような勝利だったなんて思ってませんでした。思い切って稔に会いに行った安子ですが、稔は彼女の異変をしっかり感じ取っていたようです。さすがです。いい男というのはそういうものなのでしょうね。
算太が戻って来ましたが、東京での出来事はトーキー映画仕立てで、ダンスもチャップリンがパクられているし、嘘だとまるわかりでした。案の定、借金とりがきて逃げ出すという、お決まりのパターン。食卓を和ませ、人は良くても、あれでは勘当されても仕方がありません。でもまもなく太平洋戦争開戦となるし、算太も借金からは逃れられても召集令状からは逃げられない。もしかしたら稔も学徒出陣なんてことがあるかもしれないし、勇もどうなるかわかりません。その前に安子の恋が叶うと良いのですが。
3代記ということなので、ひとり50話前後とすれば、話の進行が速くなるのはある程度仕方がないのでしょう。それでも朝ドラらしいディテールにこだわったところは無くして欲しくないですね。ラジオから英語講座が消え、大学の語学もドイツ語になり、煙草のチェリーという銘柄が桜に変わるという、タイトル通り、まさに戦争前夜の1941年です。安子と稔の文通ですが、もう50代以上の人でないと、文通の返事を待つ間に募るもどかしさと不思議な高揚感はわからないかも知れません。そんな時間がかかることの良さみたいなものを思い出させてくれました。