カムカムエヴリバディ

安子を自分のものだけにしたいとギラギラしていた頃もとうにすぎて、いろんな感情を越えて再会できた喜びでなんとも懐っこい勇おじさんが可愛らしかったです。妻でも恋人でもなく古い友人よりは兄妹のように安子ちゃんとわちゃわちゃしてる感じにほのぼのしました。

ただの野球バカですが、かつては安子を慕い、妻としての雪衣を愛し、様々な葛藤を抱えて生きて来たのは間違いありません。連絡を絶ったるいを積極的に探さなかったのは、雪衣に対する後ろめたさや、稔や安子に対する微妙な思いが、ためらわせたのだろうと感じます。晩年を演じた目黒さんは、かつての虚勢を張る勇ではなく、年を取って多くの事を受け入れたからこその弱さや優しさが感じられる演技を見せてくれています。なるほど、これが本当の勇なんだなと理解できました。

健一さんと話している時稔さんの思い出話の中でお兄さんの邪魔ばかりしていたと聞いた時のなんともしょぼくれたまるで子供に戻ったような表情が可愛らしかった。老人は子供に戻っていくっていうから当てはまっていると思う。お兄さんの話をすると戻るのかもね。

初めて出てこられた時、笑ってしまいました！若い頃（村上虹郎くん）よりチャラい？軽い感じがしたのはなぜだろう…

岡山弁が上手く安心感抜群

まさかの大物でビビりましたが、登場直後から全く浮くこともなく完全に"カムカムの人"になっていて一気に引き込まれました。
言い回しというか、"間"というか、音楽で言うとこの"符割"が、虹郎氏のそれを踏襲しつつも、経年感をバッチリ出していらして、とても感動しました。

ずっと見てきた私には今日の大叔父さんと桃太郎のキャッチボールにはニヤリとさせられました。桃太郎の初恋と失恋の話に、自分の安子ちゃんへの想いを重ねてアドバイスする姿は茶目っ気たっぷりでとてもかわいらしかったです。

キャストは代わっていたけれど確実に歳をとった勇ちゃんがそこにいました。久しぶりのるいとその家族との再会に目に涙を浮かべたかと思えば、テレビでやっている野球に夢中になったり。勇ちゃんらしさ全開にさすがだなと思いました。