マルス-ゼロの革命-

国見は国家転覆を目論んでいたと言った。真意はどこまで本当だったのだろう。いつも、が覆された時、その救世主は若い方がいいっていうのはなんだか芝居がかっていてよく分からなかった。そしてその救世主であったゼロもどこかに行ってしまったし、あの騒ぎがゼロのおかげでなんとかなったなんて思う人がどれだけいるのか謎。マルスの子たちが私たちは悪いことは何もしてないと言っていたけど、あれだけの騒ぎを起こしたら警察には連れて行かれるでしょ。そして国見からは父親としての愛情をまるで感じなかった。いろんな主張が中途半端で何が言いたいのか伝わらなかった。

国見の側近の大城がゼロくんと繋がっていたのは唯一ワクワクしたところかな。まぁあれだけ若い大城があれだけ大きな組織のトップである国見の近くにいるってなかなかの謎だったけど、敢えて近くに置いて監視していたのだとしたら納得です。そして手の内を見せることも厭わずやれるもんならやってみろ的なところも国見らしい。この国をひっくり返すとか大仰なことを言っていますが今のところただのテロリスト。ゼロみたいな若者がそのまま歳をとったとしか思えません。

だから、高校生が戦うには敵が大きすぎるのよ。高校生のユーチューバーに手に負える範囲ではない。現に人1人死んでるしね。それなのに学校としてなんの責任を取るわけでもなく活動をやめさせるわけでもないって大人目線が圧倒的に足りてない。その個人情報の横流しとかそういう問題は今のマイナカードとかを暗示しているのかなと思うと怖いですよね。政府主導として一般企業が関わっているなんてよくある話。これが未来かと思うと怖いな。

「正義なんて自分が信じたいことを正当化するための都合のいい言葉に過ぎないんだよ。それに気づかず自分の思いをネットにぶつけて悦に浸るのはただの暴力だ。自分の目に映るものだけが世界のすべてだと思うなよ」それが全てだと思う。自分の正義を疑わず人を攻撃する人が多すぎる世の中でこの言葉が1番しっくりきた。誰が正義だなんて自分の立場ひとつで簡単に変わってしまうものだしね。マルスは簡単に学校から切り捨てられたって言うけど元々これが許可されていた方が問題だよね。

これだけのフォロワーを抱えているマルス。誰が着ぐるみを着て配信してもいいの？管理が杜撰で緩すぎるでしょ。しかもネタをちゃんと調べもしないですぐ動画を回して配信しちゃうってどういう神経してるの？やりすぎちゃったねごめんなんて友達同士で謝っていたけどやられたホストはデジタルタトゥーが残るんだよ？ことの重大さが分かってない。自分たちの情報が盗まれているって大騒ぎしていたけどこのホストの個人情報はどうなってんのよ？なんか意味不明だわ。

まず真面目で純粋で優しい子がゲームで課金しすぎて300万も借金するなんてありえないからね。まぁ元は15万といっても借金は借金。今後自分を立て直すと言っていたけど、自分は何かにハマるとブレーキが効かないんだとちゃんと理解して生きていかなきゃいけないんだよ。今回は巻き込まれて大変だったかもしれないけどその種を蒔いたのが自分だってことを忘れちゃいけない。マルスもなんか世の中の正義を全部背負いすぎよ。見ていて苦しくなるわ。

なんか設定に無理ありすぎでしょ。マルスは顔バレしたくないから着ぐるみを被ってるのに、同じ仲間はどこにでも制服で活動している。それは部活だから？と思わなくもないけど、部活にしては活動が危なすぎる。配信されるのを担任と校長が呑気に見ているのもありえない。問題も子供たちが安易に近づくには危なすぎる。こんなことを部活として認知している学校もおかしいし、本人たちに危険なことをしている自覚もないし守る意識もない。危なっかしくて見てられない。

読唇術ができるってそれをみんなが信じちゃうところが危なっかしいというか、合ってたからいいようなもののあんなもので信じてしまう人が配信する側になるのはとても怖いと思った。それも怖いけど世界の目を欺いて日本新記録を出す方も怖い。ただ他の選手もいたわけで記録用として他の人もタイムを取っていたはずだから絶対こんなことは起きないと思うけどね。ただスポーツだろうと芸術だろうと目をかけてくれる人が現れるか否かでその後の活躍が変わるのは世の常。高校生でその善悪の判断は難しい。悪い大人はいいことをしたとのたまう。腐ってるな。

マルスってなんだ？YouTuberか？今やどんな映像も一般人が撮れてそれを全世界に流せてしまう。それで悪事が簡単に裁けるようになるのはいいことだと思うけど、同じくらい怖いことにも感じる。これが正義だと思うと人はどんなことでもすることがある。行き過ぎた私刑はデジタルタトゥーを残して永久に残り続ける。その問題にちゃんと向き合う時が来ていると感じる。いじめっ子が退治できたのはよかったが学校の隠蔽体質はそのままなのが一筋縄ではいかないところ、これからが楽しみだ。