無能の鷹

次は農家に転身ってとても鳩山さんらしいなと思いました。優しくて器用だからこそ何でも屋になってしまう鳩山さんのキャラを丸ごと受け入れて演じている井浦さんの度量の深さがすごいなと思ってました。少しもイラッとしたところがなくて普段からこういう人なのか？と思ってしまいました。

鷹野がホチキスを留められるようになっただけでしみじみ嬉しそうにしてるのが鳩山らしくて良かった。「そろそろ巣立ち」って雉谷に言われて感慨深げに、ちょっと寂しそうに目を潤ませてる姿も面白い。そういうオーバ気味な人の良さとか優しさが嘘くさく見えないところもさすがだなと思います。

鶸田のための謝罪シュミレーションで見せた闇堕ちした鳩山さん、周囲がざわつくほどの変わりようにびっくり。いつもの穏やかに笑う鳩山さんからのギャップがすごくて、こんな顔があるのかと鶸田じゃなくても震えました。

社長の「親の顔が見てみたいわ」という発言に「今の言葉は訂正して下さい」と大きな声で反論する姿が格好良かったです。普段、温厚で怒ったりしない人だから余計に刺さるし、相手の言いなりではなく理不尽さにちゃんと意見して部下を守るところが鳩山の誠実さと真っすぐさを感じさせて良かったと思います。謝罪シミュレーションでの本気っぷりもめちゃくちゃ怖くて面白かったです。

鷹野にせっせとサラダを取り分けてあげたり、美味しそうに食べる姿を満足げに眺めたり、教育係を通り越してお父さんみたいになってるのが面白い。鷹野の小さな成長にもめちゃくちゃ喜ぶし、無能っぷりを目の当たりにしても決して怒らずポジティブに捉えるし、なかなか大変そうだけど、負のオーラを放っていなくて、それなりに教育係としての手応えを感じて楽しそうにしてるところも良いですね。鴨石とジャンケンする時の盛り上がりっぷりも同期ならではの空気感でほっこりしました。

皆が部長の愚痴を言っていても「誰でも老害になる可能性はあるからね」と決して悪口を言わない姿が、鳩山の人柄の良さと、部長にお世話になってきたという感謝を感じさせました。新人時代の回想シーンも、ちゃんと初々しくておぼこくて、ちょっとコミカルさもあって良かった。誰に対しても優しくて相手に寄り添える人だけど、それがただの八方美人や薄っぺらい偽善者みたいに見えないところも素敵だなと思います。

雉谷が自分に振られそうな面倒ごとを押し付けようとどんどん鳩山さんの方に近づいているのに全然気づかず、最後には押し付けられちゃうところが鳩山さんの鈍臭さを表していて良かったです。その仕事を振られて困ったようにも見えたけど押し切られちゃうもの鳩山さんっぽかったです。

雉谷への「俺の上司になるなら心から応援したいし、嬉しい」という言葉が建前ではなく、心からの思いだって感じられたのが良かった。先輩後輩関係なく、雉谷のことを本気でリスペクトしていて信頼しているのが伝わってきました。運動会の責任者を押し付けられたり、コンプラ検証でグルグルバットやり過ぎて体調崩したり、鶸田に笑顔が戻った時もホッとしたように微笑んだり、貧乏くじ引きがちな良い人過ぎる姿も鳩山らしさ全開で良かったです。

鷹野が心配でつい過保護になってしまうところが、面倒見が良くて優し過ぎる鳩山らしかったです。教育係っていうよりお父さんとか親戚のおじさんみたい。鷹野が鵙尾のテストユーザーに選ばれた時に感極まって涙ぐんでる姿も面白かったです。酔って号泣する鵜飼を「分かったよ」と優しく宥めたり、肩に手を回して抱えるように歩く姿もすごく自然で温かくて、ハラスメント的な感じに一切見えないところも良かったと思います。

なんでも気が利きすぎたり優しすぎたりするのも考えものなのねーと見ていて思う。誰かが困っていると損得考える暇もなく、さっと体が動いてしまうところがこの人らしい。こういう人が報われてほしいと思う反面そこまでしなくてもいいんじゃないかと思う。見方によっていろんな感想が出るキャラだと思う。

馬鹿って言いそうになって必死に口を押えて言葉を飲み込んだり、打ち合わせ中に「優しくするだけじゃ人は育たない」と何度も自分に言い聞かせて見守る姿勢を貫く姿が、鳩山の真面目さや根っから優しくて良い人な性格を感じさせて良かったです。優しそうっていうのもあるけど、何でも受け止めてくれそうな温かさや大きさもあって、皆が愚痴ったり頼ったりしてしまうのも分かる。２話ラストの前向きに諦めたスッキリした表情も良かったです。

穏やかで優しい口調やほんわかした空気感が、鳩山の人柄の良さを感じさせました。色々やらかす鷹野のことも一切叱らず褒めて伸ばそうとしたり、彼女が部長に叱られた時も代わりに謝ったり、飲みの席でも愚痴の電話の対応をしてたり、会社でも外でも良い人過ぎて胃が痛くなりそうな感じも、何かと貧乏くじを引きがちな鳩山のキャラクターに合っていて良かったと思います。