おっさんずラブ-リターンズ-

泥棒を取り押させるシーン、無駄の無い動きと緊張感漂うキリッと引き締まった表情が迫力あって格好良かったです。ポヤポヤした普段の和泉と別人のようで、まだまだ現役としてやっていける十分な能力を感じさせ、また公安に復帰する展開に説得力があったのも良かったです。菊之助に想いを伝える時のぎこちない様子や、ハグしたあと顔が見られないところも和泉の不器用さと照れ臭さが伝わってきて微笑ましかったです。

秋斗の墓石を大切そうに撫でて抱き締める姿が今も変わらない愛情を感じさせて切なかったです。お参りを済ませた後の穏やかだけど吹っ切れたような清々しい表情も、前を向いて生きて行こうという和泉の覚悟が感じられて良かった。「コントロールN」のくだりで見せたドヤ顔も可愛らしかったし、儚げな雰囲気はそのままに、色んな表情を見せてくれるようになったのも、和泉の心境の変化が感じられて良かったと思います。

無自覚人たらしの春田にブチ切れたり、負傷した菊之助のもとに慌てて駆けつけたり、「あんたたちに俺と菊の何が分かるんだ」と激しく憤ったり、７話では感情的になる姿が多く見られたのが新鮮で良かったです。特に家族ではないからと菊之助に会わせてもらえなかった時の打ちひしがれたような姿が、和泉自身も気付いていないであろう菊之助への深い愛情が滲み出ているようで印象に残りました。

仕事中に春田にバレンタインチョコを渡そうとするけど勇気が出なくて「手品です！」って誤魔化したり、式場までわざわざチョコを持ってきたのに、幸せそうな春田を見て諦めてゴミ箱に捨ててしまって結局渡せない姿が切なかったです。デスクでボーっと春田を見つめている時の恋煩いみたいな表情や、寝起きで寝ぼけていても秋斗と春田を見間違わないところなど、これまでの秋斗を通しての想いではなく、春田本人への淡い恋心が垣間見れたのも良かったです。

春田に感謝された時のはにかんだような笑顔や、おでこを触られた時の過剰な反応、遠く離れた部屋にいても春田の声を聞き逃さない姿など、春田のことが気になって意識している様子が何度も見られ、秋斗のことは関係なく春田自身に惹かれているんだなって感じられたのが良かった。街中で秋斗の仇を見かけた時の鋭い視線や、人ごみを器用に避けながら追跡する姿も、元警察官の説得力があって良かったと思います。

秋斗について語る時の懐かしさや愛しさが溢れ出ているような優しい眼差しが良かった。亡くなったあとも変わらずずっと想い続けている愛の深さが感じられて切なかったです。初対面の牧の父親が目を合わせるのが苦手とか、照れてるだけで春田を嫌ってるわけじゃないってちゃんと見抜いているところも、元警察官らしい観察力の鋭さを感じさせました。

春田に弓道の指導をする時の距離の近さや、愛しそうに見つめる眼差し、何かを思い出したように涙を流す姿、大切な誰かと春田を重ねて見ているのが手に取るように伝わってきてとても切なかったです。おにぎりがどうしても真ん丸になってしまって三角に握れない不器用なところも人間味があって良かったと思います。

春田と手が触れ合った時の物言いたげな表情や視線、ボリュームを抑えた声、全身に霧がかかっているような儚く脆い雰囲気が、他の強烈なキャラクターたちと一線を画していてとても印象に残ります。弓道シーンのキリっとした凛々しい姿も普段のフワっとした空気とギャップがあって格好良かったです。

物憂げな表情と囁くような小声、意味深な言動、基本のPC操作も出来ないポンコツぶり、物静かなキャラだけどものすごくインパクトがあって、少ない出番の中でしっかり存在感を示していたのがさすがです。変に笑わそうと気負うことなく、サラリと丁度良い塩梅で和泉の様子のおかしさを表現していたのも良かったと思います。