泣くな研修医

医療業界、冷めた世の中を熱くしてくれる演技。こうゆう医者であってほしいと思う姿を上手く写し出せていた。
不器用ながらも患者を救いたい一心で医者を続けるということは難しいのかもしれないが、そんな難しさをかき消すくらいの前向きさが込められた素敵な役だった。

いつになったら医師の自覚を持てるようになるんだろう。患者に本当のことが言えなくて、まごまごしながら嘘でごまかすのは、そろそろダメだって反省して欲しいな。くるみだって医者なのだから、超音波で気になるところがある、って言われたら自分で対処の仕様があったのだから。

大人っぽい骨張った顔つき体つきしてるから研修医にしては老けてるだろうと思っていたけど、内面の揺れる気持ちや人の死ぬことに対して慣れない動揺が手にとるように分かります。すごく繊細なお芝居が上手だなと思います。

いかにも実直、まじめっていう性格がトラブルを巻き起こす原因にもなってるので、見ていて少しイラっとするときもある。患者の家族に無責任な発言をしたり、間違った処置とか、危なっかしい場面が多くてハラハラする。命と向き合って彼自身が成長していく姿を見届けたい。

顔立ちがはっきりしているせいか喜んだ時、落ち込んだ時が実に分かりやすく、演じている隆治が身近に感じられます。弱みを見せたがらない気の強さはちょっと子供っぽいですが、それも彼の良いところと思えます。不器用でもスタッフが助けたくなる、応援したくなるドクターに好感を持てます。

役者としての演技は初めて見たけれど、ダメダメな研修医の役柄もあってか、すごく自然に演じられていると思う。脳内でのシミュレーションは上手く行くものの、実際の患者さんを相手にすると、焦ったりパニックになったりするけれど、患者さんを思う気持ちは慣れた指導医以上に感じ、その懸命な振る舞いに好感が持てる。

実戦はまだまだなのに妙に自信満々なところとか、自意識過剰なところとかあるのになんか憎めないのは白濱さんのおかげなのだろうか。少しくらいそんなところがなくちゃ人の命は怖くて預からないのかもしれないね。でも研修医っていうには歳をとりすぎてる気もするけどね。そこはま、いっか！

医者ですが、一般家庭の出身で気取っていないところに親近感を持てますね。ちょっと見栄っ張りなところやお母さんに強がってしまうところもなんだかかわいいなと思ってしまいます。応援したくなるタイプ。