ただ離婚してないだけ

正隆の中にもやっと覚悟が生まれて、火炎瓶とナイフでどう仁科たちに立ち向かう計画を立てたのかはわからなかったけど、雪映たちを置いていったときの様子からも正隆が命をかけて終わらせる想像しかできなかった。
でも仁科に会う日までの間に弟と会って父親の本音を聞けたとき、何か歯車が切り替わった気がしました。弟と父親も自分のダメなとこを見つめることができたのに俺は何してるんだと。萌を遺棄したのは雪映も関わったけど、それを指示したのは正隆だし、萌を殺したのも正隆。正隆が現実を見ればよかっただけと言ったらおかしいけど、正しい方向に進めた正隆の表情は素敵だった。
離婚しないという雪映の覚悟も仁科の正隆を認める発言もとても良かったです。

ヤクザの仁科にゆすられ、もし1億円が払えなかったら、いや1億円を手に約束の場所に向かったとしても、正隆は佐野のように残虐な死を迎えることになる結末しか想像できなかった。帰ってこない正隆に、雪映がたまらずに倉庫に入って行った時、最悪の光景と雪映の身に不安を感じて画面から目を背けてしまった。このドラマがドロドロとした恐怖に染まっていたのはここまで。そこからはとても穏やかで、ささやかな光さえ感じるような、不思議な余韻が残った。でも正隆の父の遺言がもう少し早く伝わっていれば…。そしてこのあと正隆の子どもが成長した時、萌の弟が大学を出た時、もしかすると仁科が何か閃いた時、それはまた別のお話が動き出すのかもしれない。

佐野は思った通りと言う感じ。正隆たちから逃げだして借金踏み倒してる現実を忘れてどこに向かうのかと思っていたので、正隆の家に乗り込もうとしてた二科が狂った佐野を見逃さなかったのはとても面白い展開でした。
でも水攻めは嫌でご褒美に火攻めはヤバかった。準備も万端だったし佐野が拷問で死ぬ運命は変わらなかったんだなと。これではどれだけ雪映に覚悟があっても無理な話。どうにかするには3人で暮らす夢を諦めて自分達の命もかけなきゃいけないと感じました。正隆の目に覚悟が灯ったような気もしたけど、一般人と本職がやりあえる方法ってあるのかな…？正隆は雪映と子供は助けるつもりで動きそうなので、それが良い結果に繋がるかも気になります。

刑事が行方不明の人の家族を連れて話を聞きに来るというおかしな状況の説明を求めないんだなと思いながら、雪映のものすごく落ち着いた応答にぞわっとした。普通は正隆みたいにわかりやすい目の動揺とか1つもなかった。ただ池崎が"殺されてる"と言ったときにあの話の流れなら、お金を借りた人ってそんなにヤバい人なんですか？くらいの動揺がないといけなかった気がした。普通の家庭にとって殺しは遠い存在という当たり前を忘れちゃったんだなと、感覚がおかしくなっているんだなと哀しくなりました。
佐野は逃げる元気ありすぎ。最初はまともに歩けてもなかったのに、窓から飛び降りて走って逃げれるって演出は違和感しかなかったです。

次第に毒っ気が抜けていく正隆と、どんどん鬼のようになっていく雪映が対照的。佐野を扇風機で殴ったら、次は電子レンジって過激にエスカレートしてて「それはやめて」っていう佐野の声が少々コミカルに聞こえたほど。刑事が家に訪ねてきても、半分本当のことを話して相手を信じさせる作戦で、少しも揺らがない雪映の姿が頼もしくも薄ら恐ろしい。佐野が逃走して、パジャマで包丁を持って追いかけてる所を近所の主婦に見られる大失態をして泣きじゃくる雪映に、ここまで上手くやってきたのにという悔しさが伝わってくるけど、これ限界は必ず来るよ。キツ過ぎる未来しか想像できない。

萌の臭いにも気づいてなかったんだから精神的にも肉体的にも限界なのはわかる。だけどこの間妹が来たときは話題にもならなかったのはなぜ？子供って臭いとかすぐ口にするイメージがあるから、もの音がした部屋に直行できちゃったことも含めてもう少し細かく描いてほしかった。
ただ以前とは違う絶望を宿した目をしながら、正隆が月を見上げるシーンは雰囲気があり、さらにとある日常の出来事だと感じられてとてもよかったです。
まあ月を見上げたときに佐野に気づけばもっとよかったけど。圧倒的に支配できているわけじゃないと佐野の反抗的な部分を見たはずなのに拘束が甘いのはどうなの？というか痩せこけた姿を見せておいて、毛抜きで縄を切れるほど体力があるのが変な気がします。

あーやめよう。もう見るのやめようと思いながらここまで来てしまった。蛇の道は蛇。甘い甘い萌ちゃんとのひとときがこんな風になってしまうなんて、萌ちゃんと出会う前の正隆に教えてあげたい。ま、自暴自棄になっていた正隆ならそれでもいいと食いついたかもしれないけどね。ちょっとした不倫がきっかけならこのドラマは怖すぎる。殺しても匂いで存在感を出してくる萌ちゃん。相変わらず怖すぎる。どこまで巻き戻したら幸せになれるのか。哀れだね。

このドラマ最初から怖かったけど、それからどんどんどんどん怖くなるんだもん。あーもう見るのやめよう、もうダメだと思いながら今回も見てしまった。佐野は殺したんだとばかり思っていたからまさかあんな姿で監禁していたとは！！普通ならあんなの気が狂うと思うし、多分子供のことなんて考えられないと思う。正隆が萌ちゃんを殺した後、せめてあのガールズバーに行かなければもうちょっと違う展開になっていたと思うんだけど。救いようがない底なし沼‥もう限界かも。

実の姉の家にあんなにずかずか入っていく妹がおかしい。しかも姉の旦那が拒否してるのに、寝室にノックもせず入っていく描写はやり過ぎな気がしました。
ただ佐野を殺さずに飼い殺しにした意味はわからない。あの時からずっと雪映には覚悟があったのに、覚悟があるふりしてカッコつけた正隆を立てるように面倒をみてたことにがっかりした。でも佐野も助かるかどうかの時とはいえ、1ヵ月以上粥のようなものしか食べていなくて動ける体勢でもまともに寝れる体制でもなかったのにあんなに力って出るもの？
なんか全体的に無理矢理感はあるけど、それより正隆の弱さに腹が立ちます。

身動きの取れない佐野に熱湯をかけて「静かにしなさい」と言った雪映の変わりように覚悟と狂気が見えました。逃げられない現実をわかった上で、正隆を父親にして家族を作ってあげたいと決めた雪映はやっぱり強かった。
だからこそ父親が亡くなって、才能のなかった弟は犯罪者として逮捕され、少し現実を見られるようになって"雪映は俺が守る"とカッコいいこと言ってたけど、全然印象に残らなかった。まだ守られてるだけなんだからしゃんとしろと言いたい。
萌の捜索も始まりそうだし、そのタイミングで佐野も消えちゃったらバレるのは直ぐな気がしてドキドキが止まりません。

父の死と弟との会話が正隆の心を揺さぶりちょっと正気というか昔の心を取り戻すかと思われたところ、佐野が来たせいでブラック雪映が覚醒した。もう後戻りできなくなった時強いのは女なのかもしれない。好きでこんなことになったわけじゃないけど生まれてくる子供を守るためにはしかたないのか？目の前の敵を片付けても疑惑の種は燻っていつかあの夫婦の罪が暴かれる。逃げ切るのは無理だと思うな。しかもあんな狂犬飼うなんて。なんで殺さなかったんだろう。

正隆の目に光が戻ったのは罪を一緒に背負おうとしてくれてる雪映の存在のおかげなのに、心配事優先で雪映のことなんて考えてもいない正隆には呆れる。佐野に絡まれて萌のスマホの入ったジャケットを取られたのは、もうわざとかなと感じたくらい。1000万払ったところで何も解決しないこともわかってないし。佐野も埋めるか自首するか、恨みもあるだろうけど実家のネタを売ったら精神的に弱すぎる正隆に戻れる日常なんてなくなる。
雪映の安否は心配だけど、悪いことをした事実は消せないから、子供だけ失って死ねなかったみたいな流れになるのかな。そうなったら雪映は何でもできそうだけど…先が読めず怖いです。

ちょーこわい。何が怖いってあの夫婦が怖い。だってやっちゃいけないことしかしないんだもの。萌ちゃんのことを考えたらかわいそうだけど、どうにかこのピンチを生き延びようとしたら真逆のことしかしないこの夫婦。正隆はなんでわざわざ萌ちゃんの職場に行った？？そして鼻の下を伸ばしてもう一人の女の子に連絡先まで交換した‥。でなんで雪映は萌ちゃんの弟にわざわざ会いに行った？？萌ちゃんのことを知りたくなったのか？飛んで火に入る夏の虫が2匹。これも萌ちゃんの呪いだろうか。

正隆はガールズバーに何しに行ったのか。カウンターの女の子と本名でLINEの交換をするなんて、もう間抜け過ぎて。自分の犯した罪の重さにまだ気づいてない感じ。カマかけて脅してきた佐野にわざわざお金で解決するなんて連絡して、そのお金だって簡単に作れるわけもなく、佐野自身ももっとヤバい連中から借金の取り立てをされてるというのに、人一人を殺してる正隆はどうやっても逃げられないよ。人生終わったよね。せめて雪映は逃げればいいのに、と思った矢先に飛び降りてしまった。この先どうなるのか続きが怖い。

"犯人は現場に戻る"という言葉はあったけどそれより酷い。
萌の周囲を1ヶ月以上も経ってから気にする雪映と雪映の不安を聞いて初めて気づきましたみたいな正隆の人間性がヤバすぎ。正隆が落ち込んでたのは人を殺してしまったことの後悔じゃなくて自分の人生がさらに壊れたからなんだなとわかってドン引きでした。
それにガールズバーで本名名乗って飲む必要あったのかとか、ほのかに言いくるめられて連絡先を交換したのも単純すぎて呆れた。1ヶ月バレてないことが奇跡なのにバレなくて当たり前とでも思ってるのかな。いい大人が二人いて、行き当たりばったりが過ぎる。

ただただ怖い。回数を追うごとに怖さが増して次回は見るのよそうかな、後一回見てみようかなと悩んでしまう。だって正隆がそうじゃないって選択ばっかりするんだもん、危なっかしくて見てられないよ。なんでそもそも自分で殺した女の子の店に自ら赴いて飲んでるの？？何がしたいの？？しかもその子のスマホまで持ってさ？大きな会社の跡取りか？なんて時もあったみたいだけどこの詰めの甘さにこいつはどこに行っても無理だなと思う。

殺しちゃって庭に埋めると雪映に怒鳴り散らしてまでもみ消そうとしたのに、罪の意識に耐えられないっていう正隆の本当の弱さが気持ち悪い。
しかも雪映も雪映で人殺しに加担したのに職場の学校に行けて、仕事ができたのがすごい。この人も相当おかしい。体調悪くて休む連絡を入れなかったのはあの家では心が休まらないとか日常に戻りたかったとかあるかもしれないけど、結局正隆にぐちぐち文句言うなら手伝わなきゃよかったのに。夫が浮気相手を刺しましたって通報できなかった自分の弱さは棚に上げてる雪映にも苛つく。

目の前で愛人に包丁が刺さって血の海になっているのに、妻を怒鳴り散らして一緒に運ばせて庭に埋めちゃうとか、正隆は自己保身が強すぎる血も涙も無い人間だよね。普段通りに小学校に通勤できる雪映もサイコパスに思えてしまう。警察に行こうとして思い止まったのは、正隆がまだ親の大企業を継ぐつもりでいたプロポーズの場面が頭をよぎって、だったのもどこかまだ捨て切れてない部分もあるような。正隆が見る萌の幻が、日に日に幸せそうな表情になっていくのがなんとも言えない。罪の意識を感じてももう遅い。

あんな小学生みたいなごめんなさいで全てを一緒に背負おうとしている奥さんの気持ちが分からない。自分ならどうしてただろう。殺してしまうまでは不可抗力だったとして、次の日警察に行って正直に話していたら全然罪の重さが違ってきたのにそのチャンスを逃してしまった。もうこの先はバレないように愛人が眠った家で子供を育て生活していくしかないのか？？っていうか正隆にどんな魅力があるというのか？些細なことで激昂するような男、何にもなくても離婚案件だわ。

異常なほど落ちぶれた正隆と離婚してないわけだから雪映も変だとは思っていたけど、浮気でも何でもしてよくてでも自分を傷つけるはやめてほしいと、泣いて正隆にすがりつく感じは怖かった。子供が産まれれば未来を見てくれると考えていたのに、浮気相手が妊娠して中絶させたことを知って不安にならないのもおかしいよ。
雪映が霞むくらいおかしくなってしまった萌も怖い。妊娠したと言ったら降ろせと言われ、連絡も取れなくなった相手に対して"何で私じゃ駄目なの"は恐怖でしかなかった。愛されてないことに気づいているのに認めたくない姿が凄い。クマの酷いメイクも演出としてよかったです。

衝撃的だけどドラマとしては面白い。正隆が奥さんの奇数一つで心変わりするなんて奥さんは魔法使いなのか？ま、きっといつまでも不貞腐れてても仕事だって上手くいかないし愛人とはややこしくなっちゃったし、出会い系では自分の思うようになる女はいないしってところでの妻の助け舟はありがたかったんだろうね。悪夢はさっさと切り捨てて奥さんと仲睦まじくなんて都合が良すぎる。妊娠出産系はどうしても女性の体にばっかり負担がかかる。見て見ぬ振りができる男が羨ましいわ。

今現在起こっていることの加害者は正隆なのに、子供の頃に愛情をそそがれなかったというだけで、今でも起こることの被害者面しているのが腹が立つ。あんな好き勝手に愛人と関係を持っているくせに子供が出来ないと思っていたとでも言うのだろうか。それにあからさまに奥さんに愛がないなら自分と結婚してくれるかもみたいな夢を持っちゃってる萌が危ない日に来るとか考えなかったの？
でも萌もうまくいってないとはいえ、彼氏がいるはず。正隆の子って確証はあるのかなと少し怪しい部分もあって、一気に冷めた正隆に酷く扱われても同情もはできなかった。

正隆さんは製薬会社にいたの？突然始まった回想シーンの正隆さんが出来過ぎだから回想ではなく妄想なのでは？と思ってしまった。あんなところから転落したらそりゃ病むけど、それにしたって酷すぎる。自分の勝手で不倫してセックスすれば子供ができるってことは中学生でも分かるのに、できたら即覚めて冷たくなる‥。救いようがない。中絶を決めたってだけでも大変なのに手術にも付き添わない、優しく寄り添ってもくれない。そんなやつが成功するはずない。こんなはずじゃなかったっていうけど、正隆の蒔いた種すぎて笑うしかない。女の子の方にかわいそうだなって感情移入してたけど、これが不倫だよ。既婚者を振り向かせてのぼせあがってる女子、心してみた方がいいよ。

少年院上がりのヤンキーとか、ガールズバーのチンピラみたいな経営者とか、登場する男性陣が普通じゃなさすぎ。一番ヒドいのは正隆だけど、彼はどうして四六時中あんな鬱陶しい顔つきで不幸オーラ丸出しにしてるんだろ。母親の連れ子として実子とは差別されて育ったとか、生い立ちには訳アリだったのかもしれないけど、結婚して家庭を持つような年齢になってるのに、いつまでウジウジしてるのか。
またそんな正隆におもねるように接して甘やかす、妻や不倫相手の女の態度も問題。萌は妊娠したことを言うきっかけが欲しくて正隆を旅行に誘ったのかな。終始仏頂面で、取扱いの面倒くさい男と旅行なんて行っても心底楽しいわけないのに。
とにかく最初から最後まで、暗さと粗暴な雰囲気にゲンナリ。以降の視聴はもう無いな。

リビングで雪映が起きて泣き出したから、動かない正隆を殺してしまったのかと思った。
でも正隆が動き、何の涙なのか泣きはじめて目に光が射していく様子に絶望を感じました。凄く心を捕まれて引き込まれたのに、その後わかっていく正隆の生き方がクズ過ぎて唖然。家族がわからないと言いながら雪映と離婚できていなかったり、自分のことを無条件で許して抱きしめてくれる存在まで求めていたりと、悪態をつく度に一人じゃいられない弱さが滲み出ているようだった。
ラストの雪映との回想と萌の告白に動揺した表情が一番最低で、でも正隆の性格をよく現してるなと感じました。

ちょっと男の生い立ちを知り妻の流産で、ホッとしたっていうのは不幸な生い立ちならではで分からなくはない。子供を育てるって、図らずも自分の生い立ちと重ねてしまうところがあるから。否が応でも自分の辛かった頃を追体験して思い出してしまうんだ。子供が自分に似ていれば似ているほどそれは募る。ただ生い立ちはあくまで生い立ちで、流産して泣いてる妻をうるせえなどという男に幸せはこない。一生あの不満顔で不幸を呼び込んでいればいい。あームカつく。