シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。

あずさは人の命など、何とも思わないサイコパスで、それが兄であっても変わらないのが恐ろしいです。直輝がどう思っているか想像つかなく、あずさのエゴて直輝の父が死んだのに、終わった事よりこれからの事考えようとは、どの口が言ってんだと、つい腹がたちました。すっかり白石さんの演技という事を忘れさせる熱演でした。

犯行を告白する時の穏やかで幼い口調や虚ろな眼差しがあずさの狂気を感じさせてゾッとしました。思い通りにいかないと駄々っ子みたいに爪を噛み続ける姿も、異常な精神状態を表しているようで怖かったです。甘えたような口調や縋るような目、神経質そうな仕草などで女性ならではの陰湿さや嫉妬心、直輝への強い執着を上手く表現していたと思います。

彼氏の浮気疑惑が持ち上がったら取材攻撃ですか。怖いです。それより全然直輝くんに会ってないと思いますが、ふたりの関係は大丈夫なのでしょうか。なんだかんだで議員で大臣の娘さんだからお嬢様だったんだなという印象です。自分の思い通りにならないと許せないんでしょうね。

今回は踏み込んだねー。女って怖！って思った男子多数だったのではないだろうか（笑）普段大人しい女子だって思い詰めたらこのくらいやるのよ？証拠をたたみ込んで冷静に追い込んでいくのが真顔で怖かった。でもね、悪いのはナオキだよとも思ったけどね。

取材と称してレンに森島との関係を問いただすシーンが印象に残りました。早口で畳みかけるように次々と質問したり、笑顔なんだけど目は笑っていなかったり、レンの反応を窺いながら森島との自撮り写真を見せていったり、ただの嫉妬にしては狂気じみていて、森島への執着の強さを感じさせて怖かったです。丁寧で穏やかな口調の中に、ジトっとした陰湿さや攻撃的な雰囲気を滲ませていたのも良かったと思います。

会議中もボーっとして目が虚ろだったり、食事中も直輝とレンの写真を見ながら「許せない…」と繰り返していたり、無意識に爪を噛み続けていたり、あずさの精神的に不安定で脆い一面を丁寧に表現していて良かったです。思い詰めると何をしでかすか分からない危うさがあって、一波乱起こしそうなちょっとヤバそうな雰囲気を醸し出していたのも上手いと思いました。

若くて可愛くて一見「汚れ仕事はしません！」という感じだけど、記者会見でも鋭く切り込むし、取材のために無断で校舎に侵入して薄汚い天井裏にも平気で入り込むし、意外と手段を選ばないガッツと、悪く言えばマスコミ特有の図々しさがあって、さすが神代と組んで仕事してるだけあるなという説得力を感じました。仕事熱心だけど神代のようなガツガツした下品さがなく、手柄云々よりも「真実を伝えたい」という強い意志が感じられるピュアな雰囲気も魅力だと思います。

かわいい。直輝くんに既読スルーされてかわいそう。ちゃんとテレビ局での仕事をしてるのも好感が持てます。あの部署でまともな思考を持ってるのはこの人だけじゃないですかね。でも恋愛絡むとめんどくさそうな性格なんじゃないかと予想してます！

いかにも真面目な優等生という雰囲気が役柄に合っていると思います。彼女の真実を伝えたいという真っすぐさと正義感の強さが、神代のゲスさを際立たせているところも良いですね。誘拐された時の話が出た時の強い口調や怯えた表情が、あずさの心の傷の深さを感じさせたのも良かったです。