ハラスメントゲーム

ちょっとおちゃらけた部分のある役なんですが、いざ、局面にぶつかると真剣な表情で困難を突破する姿はギャップ効果もあり、とてもカッコ良い。喜怒哀楽がしっかりと表に出て演技されていて、さすが上手いなと思いました。部下の広瀬さんを引っ張っていく感じも、とても好感が持てます。

この人が主演だから見たと言っても過言ではないくらい期待している俳優さんです。
ドラマ自体も面白いし、脇を固める俳優さんも固い人たちで間違いないドラマなんですが唐沢さんの強弱つけた演技で一気に深くなっています。

どんな役もしっかりと適度に自分の色を加えて演じる唐沢寿明さんは、さすがだなと思います。ちょっととぼけた感じに見せていて、その裏で、ちゃんと計算高く、会社のために考えて行動しているので、こんな人がコンプライアンス室長としていてくれる会社は安心だろうと思います。

真面目なのかふざけているのかわからないセリフや行動で、くわせものだな？と思わせてくれるのはさすがです。言葉のキャッチボールのテンポの良さも見やすくてよいです。

間抜けな感じを出しながら、裏を取り、明確に相手に対して突っ込んでいくシーンなどは、かなりハマっていて、見ていて飽きない役者だと思います。

ドラマながらその発言はパワハラやセクハラになるのではないかと冷や冷やドキドキしながら見ていました。パワハラや悪事を働いた相手には厳しい言葉を投げかけてはいましたが、決して感情任せに怒るのではなくてきちんと相手の事を思っての事でしたし、見離さずに最後には温かみのある言葉を掛けて相手を何とか立ち直らせたいと思う気持ちがよく伝わってきて、厳しさと温かさのバランスが非常に優れている人物だと感じました。

ハラスメントゲームというタイトルと唐沢寿明主演、これはおもしろいに決まってると、まず１番に思いました。唐沢さんはシリアスからコメディーまでこなすカメレオン俳優で、やはり観入ってしまいました。頑張れというセリフは少しウザい気はしたけど、唐沢さんならどんな頑張れがあるのかこれから楽しみになります。