バイプレイヤーズ ～もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら～

大杉漣さんのこともあり、なおさら事実と虚構の境目があいまいになったドラマでしたが、それは遠藤憲一さんの自然な「オフ」の演技あってこそだと思いました。ハムスターに愛着を持つシーン、大杉さんは現場にいるよと言った最終回のシーン、素敵でした。

ハム恵に赤ちゃん言葉で話しかけてあやしたり、台詞合わせを拒否られて寂しそうな顔をしたり、島の子供とムキになってハム恵を奪い合うなど、迫力あるルックスとギャップがあり過ぎる子供みたいな演技が大好きでした。オープニングの黒スーツの強面と同一人物とは思えない本編の無邪気な笑顔がチャーミングで、演技の幅の広さに改めて感心しました。

4話はあまり目立った出番はなかったですが、毎回シークレットゲストが登場した時の反応が5人の中で一番素っぽいのが好きです。気のおけない仲間に会った時みたいな嬉しそうな笑顔をしていて、遠藤さんの素直さや人当たりの良さが感じられて良いと思います。ユースケさんにハム恵を紹介する時の「可愛いでしょ」というような誇らしげな表情も子供みたいにチャーミングで、強面の風貌とのギャップが魅力的だと思いました。

本人役ということでこわもてなのに心配性な遠藤さんがとても面白いです。これは演技かな？素なのかな？と考えながら見ています。今までのイメージだと怖い感じが多いのですが、このドラマの中では笑顔も多く、顔は怖いけど優しいおじさんで、よさそうな人柄がよく出ているんじゃないかと思います。

3話はいつもの頼りない感じではなく、真剣に板谷さんの相談に乗ってアドバイスをしてあげたり、「優しい嘘」をついて芝居がスムーズに出来るように気遣ってあげたり、先輩俳優としてのカッコ良い一面が見られたのが良かったです。前シリーズの栗卒村の時と同じ格好だと思うんですが、一番似合わなそうなのに妙に女装姿がしっくりくるところも面白いです。

相変わらず恐い顔で面白いことをしておる。まだエンケン主役の回は来ていないけので出演シーンは多くないけど存在感ばっちり。
酷い女役が似合うとか似合わないとか通り越して面白い。なんとなくトモロヲとのコンビが相性良いと思う。

たった一言の台詞も納得がいかないと深夜に練習したり、神経質で繊細な一面を自信なさげな表情や話し方で上手く表現していると思います。2話の松重さんとの台詞の練習シーンは名バイプレイヤーの腕の見せ所といった感じで、単なるガヤを意味のある深い台詞に変えてしまう豊かな表現力が素晴らしかったです。

第二話の遠藤憲一さんと松重豊さんの演技の練習が素晴らしいと思いました。セリフは単に「そうだ、そうだ」なのですが、松重さんが「絶望を加えて」というと遠藤憲一さんの「そうだ、そうだ」の調子が絶望的になり、「そこにちょっと希望を加えて」と松重さんが言うと遠藤憲一さんの「そうだ、そうだ」のセリフがほんの少し明るくなり、「そうだ、そうだ」のセリフをこんなにバリエーション豊かに言えるなんて、遠藤憲一さんは、やっぱりすごい演技力を持っているんだなと思いました。

無人島で歩いている道中もずっと文句を言っていたり、やたら怖がりだったり、すぐに座り込んだり…強面の風貌からは想像出来ない子供みたいな一面がチャーミングです。ハム恵にときめいている表情も可愛かったです。質の高いドキュメンタリーみたいな良い声のナレーションも、ヘタレ演技とギャップがあって面白いです。

遠藤さんがこんなにも繊細で小心者でデリケートな人だとは知らなかったので、イメージが一気に変わりました。５人の中で一番目立っていて印象的でした。いったい何通りの顔を持っているのでしょうか。これからも良い意味で視聴者の期待を裏切るような、振り切った演技を見せてほしいです。

とてもキュートです。コワモテなのに、赤ちゃんハムスターに「ハム恵」と名付けて話しかけている姿は、５歳の娘も笑っていました。なんと女装姿も披露しています。茶髪のパーマヘア―でリボンまでつけている遠藤さんのお姿は、なかなか貴重ですね！