ドクターX ～外科医・大門未知子 第5シリーズ

最終回で未知子が外科医にとって何が大切なのかを語っているときの表情が印象的でした。未知子が内神田のオペにやってきた時は手を叩いて子どもみたいに大はしゃぎしていたのに、未知子の話を聞く表情は真剣そのもので、心から未知子を尊敬して彼女の信念に共感しているのが伝わってきました。横でコントみたいに泣いている猪又たちと対照的だったのも良かったです。

うまくキャラクターの人間臭さを引き出せていたと思います。普段は長いものに巻かれる主義でコミカルな役どころですが、シリアスなシーンでは損得で割り切ることのできない、泥臭いキャラクターを上手に演じていたと思います。

9話の忘年会でのはしゃぎっぷりが良かったです。酔っ払いメイクもすごくて、それでもコントにならずにドラマ演技として成り立っていたのはきちんと芝居の基本が出来ているからなんだなと改めて感心しました。原先生に「この人達は反面教師だ」と言われた時に他の教授2人は怒っていたのに、海老名先生だけしょぼんと悲しそうに落ち込んでいたのが可愛く、お顔立ちとのギャップがあって面白かったです。

回を増すごとにどんどんコミカルさとチャーミングさが際立ってきて、8話でカニを食べてるシーンなんて表情が子どもと一緒で、強面の風貌とのギャップが面白いです。普通にしてるとかなり迫力と威圧感のある俳優さんですが、海老名役のときはまゆ毛をいつも八の字にして緊張感のないゆるい表情を作ったり、声も弱々しく優柔不断な感じで、弱腰で頼りない海老名の雰囲気をしっかり表現しているのがさすがだと思います。

6話はますますお茶目なキャラに磨きがかかって、手術が成功したあとの「やったー」という喜び方が子どもみたいに無邪気で可愛かったです。いつも少し眉が下がったような情けない表情をしていますが、彼なりに病院や患者のために頑張っているのに報われないところや、誰からもちょっと下に見られてる可哀想な感じが伝わってきて良いですね。

表情豊かなでコミカルな演技が面白くて良いと思います。蛭間の取り巻きですが、他の2人より愛嬌があって憎めなくて、つい応援したくなるチャーミングさがあります。野心もあるようですが、医者としての信念とプライドをちゃんと持ち合わせているところも魅力だと思います。段田さんや陣内さんが蛭間にダメだしされた時のヘラヘラとした笑い方が小学生みたいで好きです。

蛭間の前では目が泳いだり、手術室に現れた大門に「ありがとう」と無邪気にお礼を言ったり、悪になりきれない海老名の人の良さと呑気な面を上手く演じていると思います。ご本人はあんなに強面なのに、海老名の情けなくて残念な雰囲気がちゃんと表情から伝わってくるのはさすがです。

上司の顔色をうかがいながらいつも右往左往している様子が滑稽でとても面白い。でも心のうちはとてもやさしくまじめな所が時々垣間見えて切なさも感じる。そんな難しい役どころがぴったりで観ていても安心してみていられる。

今回も、脂っこい顔ですごい目力の演技がとても良いと思います。アクの強い顔で、アクの強い演技は、ドクターXでは欠かせない存在になっていると思います。どんなドラマに出演してもものすごい存在感で、目立ちます。

いい意味でも悪い意味でも、ものすごく人間らしいというか人間くさいキャラクターを演じていらっしゃって、いつもなんだか憎めないなと思ってしまいます。
主人公と対立したり協力したり、このドラマには欠かせないキャストの1人だと思います。

少し怖いイメージがあり悪い役も頻繁に演じている遠藤憲一さんが、弱くてえらい人たちには口答えできないところが、普段のイメージとのギャップがあってとても面白かったです。
普段の怖い役をやっている人と同じ人だと感じさせない演技は、さすがだなと感心してしまいました。

2話で伊東と酒を飲むシーンがとても良かったです。海老名先生の医者としての信念や人間性が感じられましたし、伊東に頑張ろうと声をかけて励ます姿は、損得関係なく本当に彼のことを思っているような優しさが感じられ、良い上司、先輩という雰囲気が出ていました。いつも情けない表情の海老名先生がかっこよく見えて良かったです。

今回は少しおとなしめで、それほど活躍は無かったですね。
ちょっと欲を出すと思いっきり失敗して情けなくも憎めないキャラなので、既にドクターXには欠かせない人物。
蛭間医院長を突然裏切ってみたりとか以前ありましたが、またちょっと出る杭が打たれちゃう姿を見てみたいですね。
新人も活躍しつつあるので、負けずに頑張って欲しい。

今までのシリーズと比べるとよりコミカルな演技が際立っていて面白いです。特に蛭間に逆らおうとするけどやっぱり出来ない…という心の声がそのまま表情に出てしまっている演技が絶妙で、本当に表現力豊かな俳優さんだと感心します。台詞だけでなく、猫背や変な間で笑顔になるなど、細かい演技で海老名先生の残念感をしっかり表現していると思います。