抱かれたい12人の女たち

まず、出演している俳優の演技がものすごく良くて、おもわずほろっとなってしまうところが多数ありました。
細かいところ、たとえば手の指の演技にまでこだわっていて、すごく繊細な心理描写ですね。
とても真実味がありました。
マスター役の山本耕史が醸し出す、かくしきれないオスの魅力も、たまりませんね。
「私を抱いてくれませんか？」というセリフにいたるまでの、両者の心の動きの表現がすばらしいです。
バーというちょっと非日常的な空間で、女性とマスターが親密になるというシチュエーションを設定した制作者に拍手です。

山本耕史さん演じるマスターとゲストの女優が、台本なしで繰り広げる即興劇に毎回ハラハラさせられます。筧美和子さんが演じた「100人切りの女」は、100人切りだけあって登場から小悪魔でした。カウンターの中に入っていくシーンには唖然、マスターと客の距離から一気に近づいたのはさすがの一言でした。若干タジタジな山本耕史さんにも笑ってしまいました。反省会で、筧さんが想定していたプランを変更したことを明かしていて、そのパターンも見たかったと思いました。が、これがアドリブのいいところ。反省会の俳優さんたちの本音トークが一番面白い部分かもしれません。

これは新しい！！ドラマというよりコントなのかって感じだけど…。役者にはしんどい仕事だろうなって思う。こんなのワークショップでも緊張するのに本番のドラマだなんて、肝の据わったお二人だなとつくづく感心しちゃいました。それにしても山本耕史の肉体美！！40代とは微塵も感じさせません。高橋メアリージュンも美しくて見ていてため息ものです。即興で彼女がグイグイ引っ張っていて凄かったです。頭の回転の早い人なんだな。そして芝居の後の反省会まで見せてくれるんですね。面白いです。