透明なゆりかご

院長先生と大病院で出会い、院長先生の熱い思いを支えるため一緒に独立した看護婦長さんの役がぴったりでした。優しいだけでなく、凛とした強さがありました。看護師のみんなのお母さんみたいな雰囲気もありました。

院長先生との出会いを回想するシーンでは、いくらぼかしを入れても、ちょっと若い頃を演じるのは無理があるなぁと思いましたが、それ以外の部分では、優しく時には厳しく皆をまとめる師長を、上手く演じていると思いました。私はあえて子供を産むという人生を選択しなかった…という時の、完璧な師長とは違う、１人の女性としての深い演技が印象的でした。

静かにそして存在感のある看護師さんの大ベテラン役が、とても貫禄があって流石だと思いました。どんなトラブルが起きても動じない、そんな大きな存在感を放っている姿は、ドラマ内でも視聴者にとっても大きな安心感でした。

演技に安定感がありました。経験豊富で、優しく時に厳しい、そんな役にピッタリだったと思います。きれいで上品なところがさらにそう思わせたのかもしれません。あまり台詞がなくても、圧倒的な存在感がありました。

いかにもベテランの看護師という感じで、とても良いと思います。先生役の瀬戸康史さんよりも、随分、年齢が上なのですが、立てるところは立てて、年齢が下の看護師たちにもほどよく指導しながら、とてもバランスのとれた人物だなと思います。

一番身近で由比院長の人となりを見てきただけあって、由比が弱っている時こそ芯の部分をぶれずに支えてくれる頼もしい存在だなと思います。穏やかだけど、院長に意見もするし、心配もする、お母さんのような母性も押しつけがましくなく、見ていて心地いいです。見返りを求めてはいけない仕事だけど、何年も経ってから嬉しさがこみ上げる日が来るような、そういう誠実な仕事ぶりが表情に出ています。

髪型、表情、立ち居振る舞い、メガネのかけ方、静かなしゃべり方、すべてがリアルで本当にどこかの病院に実在しているんじゃないかと思うほどです。柔らかくて頼もしくて、この人が居ればこの病院は何があっても大丈夫という気がします。ドラマの後半でどうにもならない悲しい現実に対して淡々と話す様子もベテランらしくてリアルでした。